③改 正 高 齢 者 雇 用 安 定 法 の 実 施 で
   定 年 延 長 後 の 付 加 価 値 を 意 欲 的 に 創 造 す る
     社 会 シ ス テ ム を ど の よ う に 生 み 出 せ る か だ

  ところがいまや現実は社会構造の激変である。定年予備軍のシニア層が多い大企業がこれから頭を痛めるのが、厳しい景気デフレ社会下での環境激変対策だ。これまで様々なサバイバルへの苦難の経験を経て、次々と海外進出での活路にも励んだ。

  だが新規の事業開拓面では、行動力の鈍る中高年層シニアの定年延長で、ズシリと圧し掛かる人件費自然増への費用対効果の対策を考えると、余ほど付加価値の成算が可能なシニア人財でない限り、企業が収益面で社会に貢献できる見通しは簡単に成り立たない。

  かっての時代なら、稼ぎ頭だった団塊世代層に対しても一昨日、記述した退職準備講座の窓口担当者が胸を張って断言するかも知れない。しかし昨今は、「ご定年予定者の皆様、退職後はご安心ください!!」といえる気楽な雰囲気の老後を確約する余裕など、極一部の成長企業を除き、とても無理な相談の苦難期に遭遇している経営環境だ。

  しかも来春から改正高齢者雇用安定法による60歳定年制を65歳に延長せざるを得ない、年金支給年齢との調整を求めたシニアの雇用負担増が、どの企業にも今後重要な経営課題となってきた。

  それは、当「生涯現役シリーズ塾」が久しくタイミングを待ち構えてきた生涯現役時代の到来が確定予測できる有望な営業活動の対象になり得ることを意味する。大企業群が抱えている中高年シニア人材をどう活用すべきかという課題に悩む企業とその当事者従業員側ニーズの実情だろう。

  65歳までの希望者の継続雇用を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法が本年8月成立したのを受け、厚生労働省は省令見直しなど継続雇用支援策を来年4月の施行に向け、いろいろと準備中だという。

  だが、60歳以降65歳までの雇用を安定確保のために企業や従業員、さらには国も含めて真剣に国民が納得できる社会的な付加価値が創造できる考え方での姿勢で、取り組みへの真摯な努力がこれまでなされてきただろうか。

  一方的な人減らしの在職中のリストラ対策などで、社内の職場を喪失する運命にある人材をどう社会的に再活用するのかを含め、他の企業・職場での仕事で第二の人生に踏み出し易くする労働市場づくりはあるのかといわれると、その選択肢は殆ど見当たらない厳しい失われた20年が生んだ昨今の雇用環境だ。

  再就職に必要な知識や技能を習得する能力開発の支援など、新たな雇用確保には何が効果的か・・・などなど、「人生後半に備えての再出発できるための自己改造サバイバル視野をゲットしよう!!」というフロンティア開拓分野を拡大発展するための環境整備など・・・全く不十分な現状といえる。  つづく