生涯現役社会実現への課題:労働調協5
2015年4月11日 お仕事 Ⅳ 生 涯 現 役 社 会 を 実 現
す る た め の 社 会 的 課 題 と 条 件
そこで私たち生涯現役協が中心に、これまで「生涯現役社会づくり」推進活動を展開してきた経過を振り返って、「生涯現役社会を実現するための社会的課題と条件」を言及してみたい。それには民官一体となって、その課題や条件考察の根本的な前提の共有認識が必要である。「生涯現役社会とは」どういうことかイメージ化が、世間で一般に共通認識できていない前提条件不備の論議では、人を惑わすだけである。
私たちが「生涯現役実践道場」開設の30年前には、21世紀になれば日本の人口構成図から明確な確定予測で、団塊世代層中心の塊が、高齢化社会になると情勢判断できていた。人生50年時代が前提なら老後の対策に余計な懸念は不必要でも、戦後の食育・健康、医療体制の完備による人生80年の長寿化で老後対策が急務となることは自明のりであった。その必要に着眼した1983年企画「中高年の連帯組織/100万人(第一次)の結集を目指す」日本シルバー・ユニオン構想(故城野 宏氏提唱)に強烈な影響を受け、人生冒険(ライフ・ベンチャー)の船出をした。
50歳直前若気の至りとはいえ、サラリーマン人生で独立自営できる対策は、想定外の提唱者急死でギブアップする代わり、わが「生涯現役の人生目標」を確と見定め「生涯現役社会づくり」運動に賭けてきた次第である。
1995年議員立法化された「高齢社会対策基本法」で、国と地方公共団体の責務、国民の努力が謳われているが、5年毎改編「高齢社会対策大綱」、毎年「高齢社会白書」やエイジレスライフ表彰などでは、国民の努力喚起に役立つとは到底思えない。そのために民間主導の拙さを率直に告白して、以下の「生涯現役社会を実現するための社会的課題と条件」づくりを労働調査協議会に提起したいと思う。
① 生涯現役社会の実現とは何か・・・の解り易い目標イメージ化
「生涯現役」は強制されて目標とすべきものではなく、生きがいある人生を望むなら「生涯現役の人生目標」をなるべく早く本人が考えられる家庭環境・教育環境・地域環境・職場環境づくりの民間主導で行政の賛同も得たい。全世代各層がその世代に応じた人生目標を自主的にイメージ化できることが重要で、シニア重視の前記基本法的な国民の努力では実らない。 作家一条真也氏提唱Not「終活」But『修活』型の高齢者先頭に、退役OB・職場現役・就学生・幼児に至る迄、年配者の後姿から次々と日本社会の「生涯現役社会を実現していく」ことに尽きると思う。
② 生涯現役社会実現への社会的課題・・・を考える
「生涯現役社会」の問題提起で、これまで「生涯現役」の賛否論議と永年取組んだ体験を持つ私たちは、反射的に社畜人生をさらに延長させるという否定イメージ論に対しては、ホンネの生きがい有無論で対応している。人生観に「生涯現役」の発想押売りは、所詮日本国憲法上「個人の思想・信仰の自由保障」に反する。だから、原則として「生涯現役」関心者でない限り、生涯現役実践道場にまずご来訪はされない。しかし「生涯現役」総論賛成者でも、「生涯現役各論」では「生涯現役実践道場の五原則」に及ぶと次第に辛抱できない人が増える。故に人生マラソンでの永続訓練に成功報酬でも十分納得できる人は、立派な「生涯現役実践道場」有資格者だと認めたい。
戦後日本の民主化運動があらゆる分野で総括されている21世紀である。労働組合の組織力といえども、自然淘汰でその存在意義を問われるのは止むを得ない時流だ。労働三法で裏付けられた労組存在意義も、正規・非正規社員の格差問題はじめ、高齢化に伴う雇用延長の社会的課題など、労働組合側で「生涯現役社会の実現」前提に論議を必要とする諸問題は数限りなく存在する。
改正高齢者雇用安定法実施後の高齢者雇用延長における「フルタイム」「パートタイム」「マーケットバリュ-」的選択コース各区分で、「生涯現役社会の実現」を前提とした従業員ホンネの自主性発揮は、今後の労使双方にとって「生涯現役の人生目標」が鍵となる。
③ 生涯現役社会実現への社会的条件はどうか
産業革命以前の家業中心的生涯現役自然型社会から、産業革命・文明開化の大量生産企業の雇用制度が拡大するに従い、大都市中心に被雇用労働者層が拡大し、企業の終身雇用制も長寿社会化で定年制による企業OB層は増大の一方。その企業定年者「退職準備講座」研修に関する当方過去の対応は既述の通りだが、いまや四半世紀前とは異なり大企業といえども、かっては潤沢だった自社企業年金も今後厳しくなる。加えて厚生年金支給年齢の再引上げが将来発生した場合、組合側の適正な対応には何よりも「生涯現役社会の実現」に関わる対策が不可欠となろう。
その意味で重要なのは、企業労務対策上の「定年延長準備講座」的な労使交渉の場で、双方納得できる自主選択コース別「生涯現役生きがい講座」的な採用過程が工夫できると、労使主導の民間力発揮型「生涯現役力」発揮も大いに可能性が広まる。
「生涯現役社会実現への社会的条件」で最大のキーワードは、起業・再就業・社会参加による「生きがい人生」の目標を見出せない企業OBや、就活・婚活不適応型ニートの方々、家庭不和・人間関係不適応のために犯罪環境で不遇の人たち、そのいずれも幼児期の不幸な家庭環境が最大の「生涯現役社会実現」の社会的疎外要因となっている。私たち生涯現役協は、活動開始30年を契機に「生涯現役社会学会」(仮称)を構想するのは、これらの社会的条件を民主導で国や地方公共団体に強く意識を迫り、主権者国民が誰でも望める『生涯現役社会の実現』をイメージできる国創りに社会変革できる夢と希望と勇気を抱いてももらいたいからである。
どうかそのためにも、いかなる個人・企業・地域でも『生涯現役社会の実現』に真摯に連携できる貴連合【STOP THE 格差社会!キャンペーン中の日本労働組合総連合会】に対し、私たち「日本生涯現役推進協議会」は熱烈なるエールを心から送る次第である。 以 上
す る た め の 社 会 的 課 題 と 条 件
そこで私たち生涯現役協が中心に、これまで「生涯現役社会づくり」推進活動を展開してきた経過を振り返って、「生涯現役社会を実現するための社会的課題と条件」を言及してみたい。それには民官一体となって、その課題や条件考察の根本的な前提の共有認識が必要である。「生涯現役社会とは」どういうことかイメージ化が、世間で一般に共通認識できていない前提条件不備の論議では、人を惑わすだけである。
私たちが「生涯現役実践道場」開設の30年前には、21世紀になれば日本の人口構成図から明確な確定予測で、団塊世代層中心の塊が、高齢化社会になると情勢判断できていた。人生50年時代が前提なら老後の対策に余計な懸念は不必要でも、戦後の食育・健康、医療体制の完備による人生80年の長寿化で老後対策が急務となることは自明のりであった。その必要に着眼した1983年企画「中高年の連帯組織/100万人(第一次)の結集を目指す」日本シルバー・ユニオン構想(故城野 宏氏提唱)に強烈な影響を受け、人生冒険(ライフ・ベンチャー)の船出をした。
50歳直前若気の至りとはいえ、サラリーマン人生で独立自営できる対策は、想定外の提唱者急死でギブアップする代わり、わが「生涯現役の人生目標」を確と見定め「生涯現役社会づくり」運動に賭けてきた次第である。
1995年議員立法化された「高齢社会対策基本法」で、国と地方公共団体の責務、国民の努力が謳われているが、5年毎改編「高齢社会対策大綱」、毎年「高齢社会白書」やエイジレスライフ表彰などでは、国民の努力喚起に役立つとは到底思えない。そのために民間主導の拙さを率直に告白して、以下の「生涯現役社会を実現するための社会的課題と条件」づくりを労働調査協議会に提起したいと思う。
① 生涯現役社会の実現とは何か・・・の解り易い目標イメージ化
「生涯現役」は強制されて目標とすべきものではなく、生きがいある人生を望むなら「生涯現役の人生目標」をなるべく早く本人が考えられる家庭環境・教育環境・地域環境・職場環境づくりの民間主導で行政の賛同も得たい。全世代各層がその世代に応じた人生目標を自主的にイメージ化できることが重要で、シニア重視の前記基本法的な国民の努力では実らない。 作家一条真也氏提唱Not「終活」But『修活』型の高齢者先頭に、退役OB・職場現役・就学生・幼児に至る迄、年配者の後姿から次々と日本社会の「生涯現役社会を実現していく」ことに尽きると思う。
② 生涯現役社会実現への社会的課題・・・を考える
「生涯現役社会」の問題提起で、これまで「生涯現役」の賛否論議と永年取組んだ体験を持つ私たちは、反射的に社畜人生をさらに延長させるという否定イメージ論に対しては、ホンネの生きがい有無論で対応している。人生観に「生涯現役」の発想押売りは、所詮日本国憲法上「個人の思想・信仰の自由保障」に反する。だから、原則として「生涯現役」関心者でない限り、生涯現役実践道場にまずご来訪はされない。しかし「生涯現役」総論賛成者でも、「生涯現役各論」では「生涯現役実践道場の五原則」に及ぶと次第に辛抱できない人が増える。故に人生マラソンでの永続訓練に成功報酬でも十分納得できる人は、立派な「生涯現役実践道場」有資格者だと認めたい。
戦後日本の民主化運動があらゆる分野で総括されている21世紀である。労働組合の組織力といえども、自然淘汰でその存在意義を問われるのは止むを得ない時流だ。労働三法で裏付けられた労組存在意義も、正規・非正規社員の格差問題はじめ、高齢化に伴う雇用延長の社会的課題など、労働組合側で「生涯現役社会の実現」前提に論議を必要とする諸問題は数限りなく存在する。
改正高齢者雇用安定法実施後の高齢者雇用延長における「フルタイム」「パートタイム」「マーケットバリュ-」的選択コース各区分で、「生涯現役社会の実現」を前提とした従業員ホンネの自主性発揮は、今後の労使双方にとって「生涯現役の人生目標」が鍵となる。
③ 生涯現役社会実現への社会的条件はどうか
産業革命以前の家業中心的生涯現役自然型社会から、産業革命・文明開化の大量生産企業の雇用制度が拡大するに従い、大都市中心に被雇用労働者層が拡大し、企業の終身雇用制も長寿社会化で定年制による企業OB層は増大の一方。その企業定年者「退職準備講座」研修に関する当方過去の対応は既述の通りだが、いまや四半世紀前とは異なり大企業といえども、かっては潤沢だった自社企業年金も今後厳しくなる。加えて厚生年金支給年齢の再引上げが将来発生した場合、組合側の適正な対応には何よりも「生涯現役社会の実現」に関わる対策が不可欠となろう。
その意味で重要なのは、企業労務対策上の「定年延長準備講座」的な労使交渉の場で、双方納得できる自主選択コース別「生涯現役生きがい講座」的な採用過程が工夫できると、労使主導の民間力発揮型「生涯現役力」発揮も大いに可能性が広まる。
「生涯現役社会実現への社会的条件」で最大のキーワードは、起業・再就業・社会参加による「生きがい人生」の目標を見出せない企業OBや、就活・婚活不適応型ニートの方々、家庭不和・人間関係不適応のために犯罪環境で不遇の人たち、そのいずれも幼児期の不幸な家庭環境が最大の「生涯現役社会実現」の社会的疎外要因となっている。私たち生涯現役協は、活動開始30年を契機に「生涯現役社会学会」(仮称)を構想するのは、これらの社会的条件を民主導で国や地方公共団体に強く意識を迫り、主権者国民が誰でも望める『生涯現役社会の実現』をイメージできる国創りに社会変革できる夢と希望と勇気を抱いてももらいたいからである。
どうかそのためにも、いかなる個人・企業・地域でも『生涯現役社会の実現』に真摯に連携できる貴連合【STOP THE 格差社会!キャンペーン中の日本労働組合総連合会】に対し、私たち「日本生涯現役推進協議会」は熱烈なるエールを心から送る次第である。 以 上