“ 家 族 株 式 会 社 ” の バ ラ ン ス シ ー ト を 作 る ㊦
        
  私の場合、証券マン時代に財力開発の具体的な第一歩として、財力開発の先輩ともいえる高額所得者の方法をまず学んでみた。

  証券マン時代に、高額所得者といわれる顧客を何人も訪ねるうちに、その“ 共通項 ”が、「株式」「債券」「土地」「預貯金」の運用であることがわかった。それを、貯蓄三原則・・・(「長期積立」「複利」「高利回り」)に沿ってフルに活用しているのである。そして、たいがいの高額所得者はあらゆる“ 財力開発法 ”を独自創意工夫のうえ上手に実践している。

  私はさらに、それ以外に一原則を加えることを考えた。つまり、実績が目標に不足した場合の引当金設定方法など、プラスアルファのアイデア戦法を加味した “ 貯蓄追加原則 ” を、ベンチャーの一つとして打ち立てたのである。

  もちろん、これには、子どもの教育準備金などは別途にした。こうしたものは、安全な長期運用が基本だからである。さらに具体的なベンチャー資金目標として、一千万円の貯蓄づくりに挑戦したのである。

  何ごとも、最初のとりかかりは苦しいものである。

  ゼロからの出発で、「財力開発」も案外百万円をクリアーするまでが意外に大変なのである。この時期が、財力開発での基礎訓練に当たっているからかも知れない。

  私の経験から、財力開発でのあらゆる脱落は、この時期であるといっても過言ではない。そのかわり、忍耐をもってこの時期のハードルを超すと、あとは自分でも不思議なくらい、スムーズに流れていくものだ。ちょうど、加速された“ 雪ダルマ ”のように。

  ニューヨークの証券取引所には“ 株式投資家への忠告(Notice) ” があって、①イザというとき生活に困らない現金を用意しておくこと、②家族のために生命保険にしっかり入っておくこと、③きちんとした住宅計画があること、などの注意書きがあることを証券マン時代に学んだが、これが財力開発のベースでもある。

  まず、預貯金や保険の備えがあることは、財力開発のスタートであり、ライフ・ベンチャーをはじめる脳力開発の“ エンジン ”でもある。

  そして、知力と財力は、脳力開発の“ 両輪 ”であり、生き甲斐の“ トルク(伝力装置) ”なのである。

  こうした私のベンチャー論と財力開発法を理解する賛同者には、まずたとえ一万円からでもバカバカしいと思わず、実験投資のシミュレーションを行ってもらいたいと思う。お互いにアイディアをもちより、発想法を積み重ね、実地訓練をアドバイスした上で、ともに財力開発の“ 大海 ”へ漕ぎ出したいからである・・・。   つづく