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走って健康「生涯現役」 吉野川市の鈴木さん、とくしまマラソン7回目完走へ意欲 2015/3/21 14:22

 22日のとくしまマラソン2015(徳島陸協、徳島県、徳島市、徳島新聞社など主催)に、大病を克服したのを機に始めたマラソンで「生涯現役」を誓っている高齢者ランナーが出場する。吉野川市川島町学の鈴木光雄さん(79)で、とくしまマラソンは今回が7回目となる。「マラソンは生きる上での張り合い。今回も大いに楽しんで完走したい」と張り切っている。
 
 鈴木さんは徳島市職員だった50歳のときに胆石が悪化し、胆のうが破裂。激痛とともに意識を失った。血糖値も高く、51回目の誕生日だった7月3日、県立中央病院で4時間にわたる手術を受けた。
 
 スポーツに無縁だったが、退院時に担当医からこう告げられた。「このまま死んだらつまらんよ。長生きしたければ軽い運動を始めなさい」
 
 この言葉がきっかけとなり、毎日午前5時に起き、徳島市論田町の当時の自宅付近を歩き始めた。最初は1キロ。日を追って「次の電柱まで」と距離を伸ばし、10キロほどを歩くようになった。
 
 血糖値は下がり、体調も良くなった。楽しくなり、たまに走ってみると顔を切る風が心地良い。「先生の助言を守るためにも、生まれ変わったつもりで走ろう」と、60歳で退職後、実家の川島町に戻ってからはランニングを本格的に始めた。
 
 8年ほど続けた2004年、徳島大のマラソン講座に参加。3日に1度、約20キロを走る練習も積み重ね、国内外のフルマラソンに出場した。出場は20回以上になり、自己ベストは08年のニューヨークシティマラソンで出した4時間59分29秒。とくしまマラソンは過去6回エントリーし、いずれも完走した。
 
 80代の男女10人が参加する今大会で鈴木さんは11番目の高齢。「沿道の応援やおもてなしがこれだけ盛大な大会はなく、いつも楽しみにしている。走っているうちに人生を終えられたら幸せやな、と妻と話しとるんですわ」と笑顔で練習に向かった。