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●●○ 国連人口基金東京事務所 [2014年11月19日発行] 
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○○○【UNFPA】 『世界人口白書2014』 発表
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国連人口基金事務局長ババトゥンデ・オショティメインからのメッセージ

  11月18日、国連人口基金は『世界人口白書2014 18億人の力 未来を変革する若者たち』を発表しました。
  いまだかつて、若者人口はこれほど多かったことはありません。
この若者人口により、経済的・社会的な進歩の可能性がこれほど大きくなることは二度とないでしょう。いかに若者のニーズや願望に応え、彼らが自身の権利を享受できるかが、私たちの将来をも決定づけます。
  各国が、人口の配当(人口ボーナス)を享受できるように若者に投資を行えば、彼らがいかに力強く未来を変革する存在となりうるか、という一つの事例を紹介しましょう。東アジアでは1960年代から若者の人的資源に投資したため、同地域に国内総生産(GDP)の6%上昇に貢献し、またいくつかの国では一人当たりの収入が4倍になりました。サハラ以南のアフリカ諸国が上記のような東アジアの経験に習い、その地域の状況に合わせて同様の投資を若者に対して行えば、自らの力で経済的奇跡を実現し、30年間は、毎年5000億米ドル相当の経済効果をもたらすことができるでしょう。
  今日、世界中の18億人の若者のうち10人に9人は開発途上国に暮らしており、それらの地域では、教育、健康や暴力にさらされない権利が侵されています。これらの若者の多くは、自らがリーダーとして、変革者として、起業家として、また未来を変える力を持つ存在としての可能性を一度も実現したことがないでしょう。

・ 5700万人という膨大な数の若者は、学校に通っていません。

・ HIV新規感染のおよそ7件に1件は、10歳から19歳の思春期の若者です。

・ 少女を含む、3人に1人以上の女性はパートナーからの暴力に苦しんでいます。

・ 毎分、27人の少女が結婚を強要され、自身もまだ子どもであるにもかかわらず、出産することになります。

  そして、この点を強調したいと思います。人口の4分の1が権利を十分に享受できない世界というのは、変革と進歩のための基礎をもたない世界と言えます。若者が子どもから成人へと安全で健康な状態で移行できたとしても、乏しい機会、経済の停滞、働きがいのある人間らしい仕事を確保できない政策などの要因により、労働市場への参入を妨げられてしまうでしょう。毎年、推定で1億2000万人の若者が労働市場に参入します。

  「世界人口白書 2014」によると、現在、世界の非雇用者の5人に2人は若者です。

  若者の可能性を実現するために、今、多くの若者が不平等、差別そして排除といった障壁を乗り越えようとしています。
  若い女性と思春期の少女は、少年に比べ、能力を向上させ、機会を活用し、そして権利を享受することに関してより多くの障壁に直面しています。貧しく、農村地域に住む少数民族たちは特に弱い立場に置かれており、人権を否定されたり、社会や経済活動に参加する機会が十分に与えられていません。
  「世界人口白書 2014」は、若者が地域社会や国家の発展に貢献するためには、彼らへの投資が喫緊の課題であることを述べています。若者への投資はまた、重要なサービス、特にセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスケアとその情報へアクセスするための障壁が取り除かれることも意味しています。このような基本的なサービスが無くては、若者はHIV感染から身を守ることもできませんし、妊娠を防ぐこともできませんし、自らの身体を自分で管理することができないのです。適切な投資により、若者はよりよい未来を形成する力を解き放つことができるでしょう。
  実際に「世界人口白書2014」は、若者、特に若い女性や思春期の少女の可能性への投資による成果が著しいことを示しています。開発途上の経済を促進させ、極度の貧困を撲滅することは、「ミレニアム開発目標2015年」を引き継ぐ新しい世代の開発目標の中心的な目標となるのです。
  国連人口基金の「世界人口白書 2014」は、若者の可能性を開花させるために適切な支援をすることにより、若者が、開発
を促進する生産性、イノベーション、そして創造性に富んだダイナミズムという点で、強靭な勢力となることを示しています。
  『世界人口白書2014 18億人の力 未来を変革する若者たち』の詳細については、
http://www.unfpa.or.jp/publications/index.php?eid=00042&showclosedentry=yes をご覧ください。
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