小説家山本一力氏「生きるとは生涯現役」
2014年11月15日 お仕事 SankeiBiz(2014.11.15 05:00) URL=http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/141115/cpd1411150500009-n1.htm に、【戦士の休息】 小説家・山本一力さん 「生きるとは生涯現役」・・・が下記のように本日掲載されましたので、ご参考までに転載してご紹介いたします。
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【戦士の休息】小説家・山本一力さん 生 き る と は 生 涯 現 役
「あかね空」で直木賞を受賞した小説家、山本一力氏は今月初め、テレビ番組のロケで、渓谷で有名な徳島県祖谷を訪れた。そこに住む老夫婦などの暮らしぶりに「生きるということの根幹を考えさせられた。衝撃だった」という。「生きるとは死ぬまで働くということに尽きる」としみじみ感じたからだ。生涯現役を決めている自分の生き方にも自信を深めた。
-- 祖 谷 で 感 心 し た こ と と は
「高低差400メートルの集落に行ったが、土地の人は日が昇ると起きて没すると眠り、暑さや寒さ、雨、雪も全て取り込んで生きている。食べものは山の急斜面に畑を耕し麦や野菜を育て、動物性タンパク質は猟でとる。道をつくったり屋根の茅をふいたりは住民全員でやる。誰もが役に立っているわけで、生きている限り現役となる。外部の人は秘境と呼ぶ自然環境だが、土地の人は当たり前ととらえて暮らしている」
-- 不 便 と は 感 じ な い わ け だ
「暮らしている人は穏やかで時間もゆっくりと流れている。病院がないので病気になると大変と都会の人は思うが、病気にならない暮らしをしており病院はいらない。生活習慣病とも無縁だ。山の上の老夫婦(夫71歳、妻66歳)は達者だ。私には高低差があり過ぎて住むには体がついていけない。人口(都会)の町で生きるしかない」
-- 都 会 人 に は 定 年 も あ る
「企業にとって、定年は新陳代謝のために仕方がない制度だが、人工的に勝手に決めた定めだ。しかし現役を退くから高齢者医療の問題も起きる。薬を飲まされ、飯を食って眠ることの繰り返しが生きることか。何かを自分でやり続けることが生きるということであり、日本の社会は勘違いしている。年寄りを粗大ごみ扱いして、社会との接点をなくそうとしている」
-- 勘 違 い と は
「祖谷の人たちにとって、現役を終わるということは棺(ひつぎ)に入ることだ。つまり生涯現役だ。それに対し都会では年寄りを“姥捨山”に集めたり、毎日が日曜日だったりする。パジャマ姿で平気でテレビに出たりするおやじもいる。見えがない。生きていく上で必要な見えを忘れている。社会との接点がないからだ。だから働く環境をつくることが必要だ。社会の役に立つと思えば、生きていると実感する。労働があってこその休息であり、そのための環境づくりが政治家の役目だ。生活保護など手厚い保障とは一線を画す」
-- 生 涯 現 役 と い う 考 え 方 に 賛 同 す る
「自分も死ぬまで現役と決めており、小説を書き続ける。そのために体を鍛えている。スロージョギングで毎日、3~4キロ走っており、心身ともリフレッシュできる。健康のために走るのであれば続かないが、楽しいから続けることができる」
-- 小 説 の ア イ デ ア も 浮 か ぶ
「アイデアは枯れない。アンテナを張っており、どんなことでも仕事の種にする。川縁を歩くだけでも感じるものはあり、アイデアが浮かぶ。そのために神経を研ぎすます。このようなとき生きていると実感する」
【 山本 一力(やまもと・いちりき)プロフィール】
東京都立世田谷工業高卒。通信機輸出会社、大手旅行会社、広告制作会社など転職を繰り返し、1997年「蒼龍」でデビュー、2002年「あかね空」で直木賞受賞。高知県出身。66歳。
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【戦士の休息】小説家・山本一力さん 生 き る と は 生 涯 現 役
「あかね空」で直木賞を受賞した小説家、山本一力氏は今月初め、テレビ番組のロケで、渓谷で有名な徳島県祖谷を訪れた。そこに住む老夫婦などの暮らしぶりに「生きるということの根幹を考えさせられた。衝撃だった」という。「生きるとは死ぬまで働くということに尽きる」としみじみ感じたからだ。生涯現役を決めている自分の生き方にも自信を深めた。
-- 祖 谷 で 感 心 し た こ と と は
「高低差400メートルの集落に行ったが、土地の人は日が昇ると起きて没すると眠り、暑さや寒さ、雨、雪も全て取り込んで生きている。食べものは山の急斜面に畑を耕し麦や野菜を育て、動物性タンパク質は猟でとる。道をつくったり屋根の茅をふいたりは住民全員でやる。誰もが役に立っているわけで、生きている限り現役となる。外部の人は秘境と呼ぶ自然環境だが、土地の人は当たり前ととらえて暮らしている」
-- 不 便 と は 感 じ な い わ け だ
「暮らしている人は穏やかで時間もゆっくりと流れている。病院がないので病気になると大変と都会の人は思うが、病気にならない暮らしをしており病院はいらない。生活習慣病とも無縁だ。山の上の老夫婦(夫71歳、妻66歳)は達者だ。私には高低差があり過ぎて住むには体がついていけない。人口(都会)の町で生きるしかない」
-- 都 会 人 に は 定 年 も あ る
「企業にとって、定年は新陳代謝のために仕方がない制度だが、人工的に勝手に決めた定めだ。しかし現役を退くから高齢者医療の問題も起きる。薬を飲まされ、飯を食って眠ることの繰り返しが生きることか。何かを自分でやり続けることが生きるということであり、日本の社会は勘違いしている。年寄りを粗大ごみ扱いして、社会との接点をなくそうとしている」
-- 勘 違 い と は
「祖谷の人たちにとって、現役を終わるということは棺(ひつぎ)に入ることだ。つまり生涯現役だ。それに対し都会では年寄りを“姥捨山”に集めたり、毎日が日曜日だったりする。パジャマ姿で平気でテレビに出たりするおやじもいる。見えがない。生きていく上で必要な見えを忘れている。社会との接点がないからだ。だから働く環境をつくることが必要だ。社会の役に立つと思えば、生きていると実感する。労働があってこその休息であり、そのための環境づくりが政治家の役目だ。生活保護など手厚い保障とは一線を画す」
-- 生 涯 現 役 と い う 考 え 方 に 賛 同 す る
「自分も死ぬまで現役と決めており、小説を書き続ける。そのために体を鍛えている。スロージョギングで毎日、3~4キロ走っており、心身ともリフレッシュできる。健康のために走るのであれば続かないが、楽しいから続けることができる」
-- 小 説 の ア イ デ ア も 浮 か ぶ
「アイデアは枯れない。アンテナを張っており、どんなことでも仕事の種にする。川縁を歩くだけでも感じるものはあり、アイデアが浮かぶ。そのために神経を研ぎすます。このようなとき生きていると実感する」
【 山本 一力(やまもと・いちりき)プロフィール】
東京都立世田谷工業高卒。通信機輸出会社、大手旅行会社、広告制作会社など転職を繰り返し、1997年「蒼龍」でデビュー、2002年「あかね空」で直木賞受賞。高知県出身。66歳。