WEDGE誌:6月号「50代からのリスタート」
2014年6月9日 お仕事 私たち日本生涯現役推進協議会グループ仲間から提供される資料のうちで、「50代こそリセットのススメ」を標題とするWEDGE誌6月号の中で “ 会社の「濡れ落ち葉」を防ぐために頼もしいシニアへの意識改革 ”(日本マンパワー片山繁
載取締役)のご意見をご参考までに皆様方に以下転載でお伝えしたいと存じます。
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会 社 の 「 濡 れ 落 ち 葉 」 を 防 ぐ た め に
頼 も し い シ ニ ア へ の 意 識 改 革
日本マンパワー取締役 片 山 繁 載
(人事コンサルタント・キャリアカウンセラー)
現在50代の人が社会人となった当時の日本企業では、見事な年功序列が成り立っていた。年齢とともに役職が上がり、それが個人の働く意欲を刺激し、企業の生産性を高めていた。誰もが一生懸命、働いていれば「暗黙の雇用契約」が定年まで続くと信じていた。しかし、企業の競争環境は熾烈を極め、経営の「戦時」と「平時」は、おおよそ10年のサイクルで繰り返されるようになった。定年後も働き続ける人が増え、職業キャリアは長期化しているが、同じ働き方が30年も40年も維持されることはない。
ところが、50代の多くは、入社当時からの日本型雇用の考え方が見に染み付いている。企業経営が個人主体の成果主義にシフトしてしまったのに、まだ、価値観をラグビー型の集団主義の「組織美」にも止める人は多い。
50代は、役職定年・退職勧奨などのキャリアショックに見舞われる。期待される人材としての扱いが低下する中で、改めて仕事人としての自分の位置を固めておくことが肝心だ。固め方の共通軸は3点。
① 会社と自分との関係を見直し、自立した「仕事の請負人」という意識を持つこと。
② 役職定年などで役割が低下しても仕事の中に面白さを見つけ、組織貢献につながることにチャレンジすること。
③ 30余年のキャリアの強みを、経理、法務、営業、企画などの経験分野で専門性を磨き上げ、組織内の「ビジネスプロ」として仕事に自在活用すること。
これらを意識し、「会社の濡れ落ち葉」にならぬよう、役割が低下しても目前の仕事に情熱を注ぎ、年下の上司もうまく立て、後輩たちのよき仕事人のモデルになるよう、頼もしいシニアの働き振りを見せる必要がある。
ある大手百貨店では、40代以上のミドル・シニア層を対象に、改めて売り場で活躍できる心構えや能力・スキルアップ、貢献目標意識を目的にしたキャリアデザイン研修を実施してきた。提唱された人材モデルは「売り場の仕事マニアになろう」だった。自分の得意分野で一つの専門性を持ち、現場を支える頼もしいシニアになれ、ということだ。
論語では、昔は40歳が「不惑の年」とされた。働く期間が延びた現在は、まさに50歳が「不惑の年」だろう。これまでの役割に幕を下ろすこの年代は、セカンドキャリアが始まる年代でもある。職業人生の最終章を美しく飾るには、その手前の10年間、つまり50代の目標の持ち方と頑張り方が決め手となる。
載取締役)のご意見をご参考までに皆様方に以下転載でお伝えしたいと存じます。
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会 社 の 「 濡 れ 落 ち 葉 」 を 防 ぐ た め に
頼 も し い シ ニ ア へ の 意 識 改 革
日本マンパワー取締役 片 山 繁 載
(人事コンサルタント・キャリアカウンセラー)
現在50代の人が社会人となった当時の日本企業では、見事な年功序列が成り立っていた。年齢とともに役職が上がり、それが個人の働く意欲を刺激し、企業の生産性を高めていた。誰もが一生懸命、働いていれば「暗黙の雇用契約」が定年まで続くと信じていた。しかし、企業の競争環境は熾烈を極め、経営の「戦時」と「平時」は、おおよそ10年のサイクルで繰り返されるようになった。定年後も働き続ける人が増え、職業キャリアは長期化しているが、同じ働き方が30年も40年も維持されることはない。
ところが、50代の多くは、入社当時からの日本型雇用の考え方が見に染み付いている。企業経営が個人主体の成果主義にシフトしてしまったのに、まだ、価値観をラグビー型の集団主義の「組織美」にも止める人は多い。
50代は、役職定年・退職勧奨などのキャリアショックに見舞われる。期待される人材としての扱いが低下する中で、改めて仕事人としての自分の位置を固めておくことが肝心だ。固め方の共通軸は3点。
① 会社と自分との関係を見直し、自立した「仕事の請負人」という意識を持つこと。
② 役職定年などで役割が低下しても仕事の中に面白さを見つけ、組織貢献につながることにチャレンジすること。
③ 30余年のキャリアの強みを、経理、法務、営業、企画などの経験分野で専門性を磨き上げ、組織内の「ビジネスプロ」として仕事に自在活用すること。
これらを意識し、「会社の濡れ落ち葉」にならぬよう、役割が低下しても目前の仕事に情熱を注ぎ、年下の上司もうまく立て、後輩たちのよき仕事人のモデルになるよう、頼もしいシニアの働き振りを見せる必要がある。
ある大手百貨店では、40代以上のミドル・シニア層を対象に、改めて売り場で活躍できる心構えや能力・スキルアップ、貢献目標意識を目的にしたキャリアデザイン研修を実施してきた。提唱された人材モデルは「売り場の仕事マニアになろう」だった。自分の得意分野で一つの専門性を持ち、現場を支える頼もしいシニアになれ、ということだ。
論語では、昔は40歳が「不惑の年」とされた。働く期間が延びた現在は、まさに50歳が「不惑の年」だろう。これまでの役割に幕を下ろすこの年代は、セカンドキャリアが始まる年代でもある。職業人生の最終章を美しく飾るには、その手前の10年間、つまり50代の目標の持ち方と頑張り方が決め手となる。