高連協新年集会:討論会議事メモ紹介①
2014年2月19日 お仕事 私たちのNPO法人 ライフ・ベンチャー・クラブが創設にも協力し、理事団体会員のとして参画している高齢社会NGO連携協議会(略称:高連協/Janca 前身は1998年10月発足の高齢者年NGO連絡協議会)の本年新年集会(討論会)議事メモが届けられましたので、ご参考までに下記転載(1/19&20両日付当Blog上)ご紹介します。
ご意見・ご感想いただける方はご遠慮なく東瀧迄お申し越しくださるようお願いします。
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2014(平成26)年 高 連 協 新 年 集 会(討論会)議 事メモ (要約)
投稿日: 2014年2月19日 作成者: janca
□ 日 時: 2014(平成26)年1月27日(月)13:30~15:30
□ 場 所: 内幸町プレスセンター9F日本記者クラブ宴会場
□ 参加者: 69名(男56名、女13名)
□ 討論内容:「われわれシニア、高連協の課題」(2013年度の総会と同じ)
□ 集 会 ( 討 論 会 ) 議 事 メ モ
◇ 挨 拶 樋 口 恵 子 共 同 代 表
◍ 2012年の2つの「変」とその後の動き
皆さん、明けましておめでとう。
去年の高連協の新年の集いの挨拶では2012年はいい動きがあったので、私たちはそれに乗ってしっかりやっていこうということを述べた。
2012年には、2つの大きな政策変更がなされた。私はこれらをそれぞれ「高齢者の変」、「女性の変」と呼んでいる。
「女性の変」は「働くなでしこ大作戦」で、「高齢者の変」は「高齢社会対策大綱」の改定である。この大綱では、「65歳以上の人が支えられる側から支える側へ」、「希望する人は誰でもがいくつになっても働ける社会へ」などと改定され、私は大いに力を得た。
女と年寄の両方に頑張れと言うのだから、私は、2012年の暮れはとても嬉しかった。
それから1年が経過し、女性のほうはそれなりに進んだが、高齢者のほうは、「高年齢者雇用安定法」が改正され、65歳まで雇用する制度導入を義務づける動きはあったが、高齢者が主体となって行動を起超すとか、社会を創っていこうとかいう提案は、私の知る限り女性の活躍に関しての動きと比べると、ほとんどない。その理由は、女性活躍モデルは国際的前例がいやというほどあるからである。
◍ 2014年はいまだかってない高齢者モデルにわれわれで挑戦!
ところが、残念ながら、世界で高齢者が本当に活躍している社会は少なく、モデルがない。むしろ、日本のほうが高齢者の労働力率が高い。日本には勤労を尊ぶ精神がある。しかし、他の先進国が変わりつつある気配が既に見えている。
外国のモデルがあって何かすることがうまいのが日本なのだが、それがないから面白いではないか。2014年、世界一の長寿国で、高齢化率が最も高い日本は自らがモデルになるよりしようがない。世界中の高齢者が活躍する、高齢者が働く、そのロールモデルに私たち自身がなっていくより他はない。だから、2014年は政府がしてくれるのを待つのではなくて、私たちが提案して実践しよう。これが私の提案である。
◇ 討 論 会
〇 司会による高連協の活動状況報告と討論会の趣旨・進め方説明
吉田成良(専務理事) これからの討論会に、樋口代表から大提案を頂いた。高連協総会で集まる時にも必ず参加者からの提案を頂き、討論する。そこで出された課題について高連協は活動している。そして、この討論会にも関わって、本年度総会において会員各位からいただいた諸件については月例役員会ならびに、高連協のオピニオン会員の高連協談話室(たまり場)でその実現に向けた議論をして進めていることを報告しておきたい。
その提案の1つ、「高齢社会月間」、あるいは「高齢社会期間」等を設けてそこに幅広く高齢社会に関わるイベントを糾合していくという提案は、現在既に、敬老の日を中心にした9月、就労を主とする10月(労働月間)、文化の日前後の生涯学習等があり、様々にスローガンを掲げて催しがなされており、この案を実現するのは難しい。そのため、高連協としては「高齢社会の認識」普及のためのスローガンやミッションを提示し、各イベントに付説してもらう。また、そのスローガン、ミッションを謳うピンバッジの普及で全ての世代のための高齢社会を社会に訴求していく方向で検討している。
もう1つの、昨今は戦争に対するあまりにも無知、無神経な社会状況に対して、高齢者が警鐘を鳴らすため、戦中・戦後の悲惨な時期の経験を綴った作文を『頑張って生きよう!ご同輩』増補改訂版として今年度末に出版する。このことは月々の役員会議事録でご了承のとおりである。
では、今から皆さんから「高連協の課題」についての問題提起と討議を始めたい。
○ 参加者から出された高連協が取り組むべき主な課題
岡本憲之(高連協理事) わが国では、今後健康維持や病気の予防は医療費や介護費の削減につながるので、ヘルスケア活動への参加促進政策等により保険制度の持続可能性を高める改革が必要である。一般に健康維持に効果があると言われている社会参加の一つの、就労の促進は間接的にヘルスケア活動への参加を促していると考えられる。また、直接的にヘルスケア活動の参加を促す取組事例もいくつか報告されている。
この健康づくり活動には誰もがそれに参加したくなるインセンティブが必要であり、収入と健康が同時に手に入る高齢者の就労促進はある意味では参加したくなるヘルスケア活動と言える。その他でも活動に参加する度にポイントが貯まり、そのポイントに応じて健康保険料が割り引かれるヘルスケアポイント制度の導入なども検討してはどうかと思う。
社会参加絡みのヘルスケア活動の普及は高齢者の社会参加と老人医療費削減の同時達成にもつながり、前向きな社会保障改革と言えるよう。1人でも多くの高齢者に参加してもらうためにそのようなインセンティブを与える制度の導入を本日提言させていただいた。
原野哲也(江戸川区福祉部長) 江戸川区は、熟年者(江戸川区では高齢者を熟年者と呼ぶ)の皆様のヘルスケアにつながるいろいろな取り組みを行っているが、その中で私どもはなかなかヘルスケア活動に参加しない男性たちを引っ張り出すことに一番苦労している。
江戸川区では、男性と女性が手をつないで行う社交ダンスを簡単にしたような「リズム運動」、さまざまな趣味を教える「くすのきカルチャー教室」、シルバー人材センター活動の中の、ちょっとした小1時間で済むようなサービスを行う「シルバーお助け隊」の活動、高齢者の方々に地域デビューしてもらい、ボランティア活動をやってもらうきっかけづくりのための江戸川区「総合人生大学」、放課後熟年者が子どもと交流することによって、自身一層若返る一方、子どもも高齢者の知恵を学ぶ「すくすくスクール」等のヘルスケアにつながるいろいろな角度の取組みを行っている。
またこれから増える団塊世代の高齢者のいろいろな能力やエネルギーをうまく社会に還元すれば、地域を動かすエンジンになるのではないかと思っている。
西山 真(高連協オピニオン会員) 高連協には市町村あるいは区レベルを対象として提言をして頂きたいと思う。私の毎日の生活は町内会、自治会、地域での防犯パトロール、環境ボランティアとしての特定地域での草取り等全く地域の生活に密着したもので、このような活動のメンバーはスタート当初のころの人員が横這いか漸減しており、この傾向はどこも同じだと思う。
日経新聞の産業地域研究所の「全国市区高齢化対応度調査」によれば、「社会参加」分野で高齢化対応度が高いポイントをもらっていたものは生涯学習関係分野の講座であった。この講座も、当初から計画的に修了した人たちがグループをつくって地域活動で地域デビューして、ボランティア活動に移っていく、そういう戦略を持つ市区の評価は高かった。
もう一つ、ボランティア活動のインセンティブとして、将来自分が支えられる側になったときに有効な対価となるポイント制である。高連協は、そういうポイント制度の導入を具体的に検討し、施策として打ちだし、提言していくことが非常に大事ではないかと思う。
また、2011年~2012年に堀田代表が行った山手線の各駅で朝出勤途上のサラリーマンにボランティア活動を直接呼びかける名刺両面作戦や、東日本大震災被災地への義援金募集のような活動は高連協が行う分野ではないかと思う。そういうことを検討・実施して高連協のミッションを社会にアピールしていくことを提言させて頂きたい。
上原義光(高連協理事) 地域コミュニティに入って失敗することがないように、失敗しない方法やコミュニティの中の所作等の基本的なことを事前に研修するよう提言したいと思う。このようにベースを固めれば地域コミュニティに円滑に入っていくことができ、その中での自分の立ち位置も取り組むべき活動も決まってくると思う。
石橋鍈子(NPO法人リブ&リブ代表) 一昨年に世代間交流ホームシェア事業のNPOリブ&リブを立ち上げた。ホームシェア事業は、大都市に住む独居高齢者と大都市に地方から就学のために出てきている大学生とが一緒に住み、同等の立場で支え合うものである。この仕組みでは、日中は各々が自由に行動し、週に何日かの夕~夜の時間帯を共に過ごすということで、適当な距離を持った絆が一緒に住むうちにできる。健康寿命を延ばせる、学生は経済メリットを得られるなど双方にとって一杯メリットがあるものだから、これからの住まい方の選択肢の1つとして広く普及させていきたい。
堀内正範(高連協オピニオン会員) 「高齢社会対策」について私どもは意識も活動ももっと強くしていく時期に来ていると思う。私たちが特に地域にどのように参加していけばいいかを考える上でも、私たちが暮らす場が見えてこないと駄目なのではないかと思っている。
上田研二(高連協理事) 身体障がい者雇用の問題は非常に難しい。身体障がい者の方は非常に苦しんでおられる。川崎市高津区久地に日本理化学工業川崎工場がありますが、ダストレスチョークとかキットパス(固形マーカー)等をつくっており、この会社は従業員77人中57人が知的障がい者である。先日見学させていただいたが、障がい者の方々は非常に明るく働いておられる。もしこの働く場がなければ施設に入って早死にするそうだ。
そういう意味では、高齢者ばかりでなくて、女性や身体障がい者の方にもこれから目を向けないといけないと思っている。
水野嘉女(高連協参与) 昨年の11月まで約5年ばかり高齢者のための無料職業紹介所(みなと*しごと55)の所長をやっていた。そこに相談にみえる方たちはかなりの方が国民年金だけ、あるいは年金がなくってまだ60歳にならないうちに病気等で仕事を止めざるを得なかった人たちで、実際には生活保護を受けたくない、自分はまだ体力があるし仕事がしたいのだけれど、なかなか仕事が見つからない、ハローワークにずっと行っていたけれど全然見つけられず、最後に私たちのところへ見えた方たちだった。
そういう方たちが最低家賃を払って食べて行けるだけのお金を稼げるような仕事を考えていただきたいと思う。そういう方たちが生活保護に行かなくても暮らしていけるような仕事づくりを高連協のほうでも積極的に提案していただけたら嬉しいと思う。社会保障制度の見直し等を含めて。生活保護を受けなくても暮らしていけるような社会になれば安心して暮らせるかなと思う。 つづく
ご意見・ご感想いただける方はご遠慮なく東瀧迄お申し越しくださるようお願いします。
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2014(平成26)年 高 連 協 新 年 集 会(討論会)議 事メモ (要約)
投稿日: 2014年2月19日 作成者: janca
□ 日 時: 2014(平成26)年1月27日(月)13:30~15:30
□ 場 所: 内幸町プレスセンター9F日本記者クラブ宴会場
□ 参加者: 69名(男56名、女13名)
□ 討論内容:「われわれシニア、高連協の課題」(2013年度の総会と同じ)
□ 集 会 ( 討 論 会 ) 議 事 メ モ
◇ 挨 拶 樋 口 恵 子 共 同 代 表
◍ 2012年の2つの「変」とその後の動き
皆さん、明けましておめでとう。
去年の高連協の新年の集いの挨拶では2012年はいい動きがあったので、私たちはそれに乗ってしっかりやっていこうということを述べた。
2012年には、2つの大きな政策変更がなされた。私はこれらをそれぞれ「高齢者の変」、「女性の変」と呼んでいる。
「女性の変」は「働くなでしこ大作戦」で、「高齢者の変」は「高齢社会対策大綱」の改定である。この大綱では、「65歳以上の人が支えられる側から支える側へ」、「希望する人は誰でもがいくつになっても働ける社会へ」などと改定され、私は大いに力を得た。
女と年寄の両方に頑張れと言うのだから、私は、2012年の暮れはとても嬉しかった。
それから1年が経過し、女性のほうはそれなりに進んだが、高齢者のほうは、「高年齢者雇用安定法」が改正され、65歳まで雇用する制度導入を義務づける動きはあったが、高齢者が主体となって行動を起超すとか、社会を創っていこうとかいう提案は、私の知る限り女性の活躍に関しての動きと比べると、ほとんどない。その理由は、女性活躍モデルは国際的前例がいやというほどあるからである。
◍ 2014年はいまだかってない高齢者モデルにわれわれで挑戦!
ところが、残念ながら、世界で高齢者が本当に活躍している社会は少なく、モデルがない。むしろ、日本のほうが高齢者の労働力率が高い。日本には勤労を尊ぶ精神がある。しかし、他の先進国が変わりつつある気配が既に見えている。
外国のモデルがあって何かすることがうまいのが日本なのだが、それがないから面白いではないか。2014年、世界一の長寿国で、高齢化率が最も高い日本は自らがモデルになるよりしようがない。世界中の高齢者が活躍する、高齢者が働く、そのロールモデルに私たち自身がなっていくより他はない。だから、2014年は政府がしてくれるのを待つのではなくて、私たちが提案して実践しよう。これが私の提案である。
◇ 討 論 会
〇 司会による高連協の活動状況報告と討論会の趣旨・進め方説明
吉田成良(専務理事) これからの討論会に、樋口代表から大提案を頂いた。高連協総会で集まる時にも必ず参加者からの提案を頂き、討論する。そこで出された課題について高連協は活動している。そして、この討論会にも関わって、本年度総会において会員各位からいただいた諸件については月例役員会ならびに、高連協のオピニオン会員の高連協談話室(たまり場)でその実現に向けた議論をして進めていることを報告しておきたい。
その提案の1つ、「高齢社会月間」、あるいは「高齢社会期間」等を設けてそこに幅広く高齢社会に関わるイベントを糾合していくという提案は、現在既に、敬老の日を中心にした9月、就労を主とする10月(労働月間)、文化の日前後の生涯学習等があり、様々にスローガンを掲げて催しがなされており、この案を実現するのは難しい。そのため、高連協としては「高齢社会の認識」普及のためのスローガンやミッションを提示し、各イベントに付説してもらう。また、そのスローガン、ミッションを謳うピンバッジの普及で全ての世代のための高齢社会を社会に訴求していく方向で検討している。
もう1つの、昨今は戦争に対するあまりにも無知、無神経な社会状況に対して、高齢者が警鐘を鳴らすため、戦中・戦後の悲惨な時期の経験を綴った作文を『頑張って生きよう!ご同輩』増補改訂版として今年度末に出版する。このことは月々の役員会議事録でご了承のとおりである。
では、今から皆さんから「高連協の課題」についての問題提起と討議を始めたい。
○ 参加者から出された高連協が取り組むべき主な課題
岡本憲之(高連協理事) わが国では、今後健康維持や病気の予防は医療費や介護費の削減につながるので、ヘルスケア活動への参加促進政策等により保険制度の持続可能性を高める改革が必要である。一般に健康維持に効果があると言われている社会参加の一つの、就労の促進は間接的にヘルスケア活動への参加を促していると考えられる。また、直接的にヘルスケア活動の参加を促す取組事例もいくつか報告されている。
この健康づくり活動には誰もがそれに参加したくなるインセンティブが必要であり、収入と健康が同時に手に入る高齢者の就労促進はある意味では参加したくなるヘルスケア活動と言える。その他でも活動に参加する度にポイントが貯まり、そのポイントに応じて健康保険料が割り引かれるヘルスケアポイント制度の導入なども検討してはどうかと思う。
社会参加絡みのヘルスケア活動の普及は高齢者の社会参加と老人医療費削減の同時達成にもつながり、前向きな社会保障改革と言えるよう。1人でも多くの高齢者に参加してもらうためにそのようなインセンティブを与える制度の導入を本日提言させていただいた。
原野哲也(江戸川区福祉部長) 江戸川区は、熟年者(江戸川区では高齢者を熟年者と呼ぶ)の皆様のヘルスケアにつながるいろいろな取り組みを行っているが、その中で私どもはなかなかヘルスケア活動に参加しない男性たちを引っ張り出すことに一番苦労している。
江戸川区では、男性と女性が手をつないで行う社交ダンスを簡単にしたような「リズム運動」、さまざまな趣味を教える「くすのきカルチャー教室」、シルバー人材センター活動の中の、ちょっとした小1時間で済むようなサービスを行う「シルバーお助け隊」の活動、高齢者の方々に地域デビューしてもらい、ボランティア活動をやってもらうきっかけづくりのための江戸川区「総合人生大学」、放課後熟年者が子どもと交流することによって、自身一層若返る一方、子どもも高齢者の知恵を学ぶ「すくすくスクール」等のヘルスケアにつながるいろいろな角度の取組みを行っている。
またこれから増える団塊世代の高齢者のいろいろな能力やエネルギーをうまく社会に還元すれば、地域を動かすエンジンになるのではないかと思っている。
西山 真(高連協オピニオン会員) 高連協には市町村あるいは区レベルを対象として提言をして頂きたいと思う。私の毎日の生活は町内会、自治会、地域での防犯パトロール、環境ボランティアとしての特定地域での草取り等全く地域の生活に密着したもので、このような活動のメンバーはスタート当初のころの人員が横這いか漸減しており、この傾向はどこも同じだと思う。
日経新聞の産業地域研究所の「全国市区高齢化対応度調査」によれば、「社会参加」分野で高齢化対応度が高いポイントをもらっていたものは生涯学習関係分野の講座であった。この講座も、当初から計画的に修了した人たちがグループをつくって地域活動で地域デビューして、ボランティア活動に移っていく、そういう戦略を持つ市区の評価は高かった。
もう一つ、ボランティア活動のインセンティブとして、将来自分が支えられる側になったときに有効な対価となるポイント制である。高連協は、そういうポイント制度の導入を具体的に検討し、施策として打ちだし、提言していくことが非常に大事ではないかと思う。
また、2011年~2012年に堀田代表が行った山手線の各駅で朝出勤途上のサラリーマンにボランティア活動を直接呼びかける名刺両面作戦や、東日本大震災被災地への義援金募集のような活動は高連協が行う分野ではないかと思う。そういうことを検討・実施して高連協のミッションを社会にアピールしていくことを提言させて頂きたい。
上原義光(高連協理事) 地域コミュニティに入って失敗することがないように、失敗しない方法やコミュニティの中の所作等の基本的なことを事前に研修するよう提言したいと思う。このようにベースを固めれば地域コミュニティに円滑に入っていくことができ、その中での自分の立ち位置も取り組むべき活動も決まってくると思う。
石橋鍈子(NPO法人リブ&リブ代表) 一昨年に世代間交流ホームシェア事業のNPOリブ&リブを立ち上げた。ホームシェア事業は、大都市に住む独居高齢者と大都市に地方から就学のために出てきている大学生とが一緒に住み、同等の立場で支え合うものである。この仕組みでは、日中は各々が自由に行動し、週に何日かの夕~夜の時間帯を共に過ごすということで、適当な距離を持った絆が一緒に住むうちにできる。健康寿命を延ばせる、学生は経済メリットを得られるなど双方にとって一杯メリットがあるものだから、これからの住まい方の選択肢の1つとして広く普及させていきたい。
堀内正範(高連協オピニオン会員) 「高齢社会対策」について私どもは意識も活動ももっと強くしていく時期に来ていると思う。私たちが特に地域にどのように参加していけばいいかを考える上でも、私たちが暮らす場が見えてこないと駄目なのではないかと思っている。
上田研二(高連協理事) 身体障がい者雇用の問題は非常に難しい。身体障がい者の方は非常に苦しんでおられる。川崎市高津区久地に日本理化学工業川崎工場がありますが、ダストレスチョークとかキットパス(固形マーカー)等をつくっており、この会社は従業員77人中57人が知的障がい者である。先日見学させていただいたが、障がい者の方々は非常に明るく働いておられる。もしこの働く場がなければ施設に入って早死にするそうだ。
そういう意味では、高齢者ばかりでなくて、女性や身体障がい者の方にもこれから目を向けないといけないと思っている。
水野嘉女(高連協参与) 昨年の11月まで約5年ばかり高齢者のための無料職業紹介所(みなと*しごと55)の所長をやっていた。そこに相談にみえる方たちはかなりの方が国民年金だけ、あるいは年金がなくってまだ60歳にならないうちに病気等で仕事を止めざるを得なかった人たちで、実際には生活保護を受けたくない、自分はまだ体力があるし仕事がしたいのだけれど、なかなか仕事が見つからない、ハローワークにずっと行っていたけれど全然見つけられず、最後に私たちのところへ見えた方たちだった。
そういう方たちが最低家賃を払って食べて行けるだけのお金を稼げるような仕事を考えていただきたいと思う。そういう方たちが生活保護に行かなくても暮らしていけるような仕事づくりを高連協のほうでも積極的に提案していただけたら嬉しいと思う。社会保障制度の見直し等を含めて。生活保護を受けなくても暮らしていけるような社会になれば安心して暮らせるかなと思う。 つづく