「チャレンジ永続人生こそ生涯現役の真髄」をこれまで述べてきたのは、「あなたや私の生涯現役」を一人でも多くの人たちとご一緒に考えて、どう行動に移すのが効果的か。それは『あなたも・私も力を合わせて日本を元気に!』する国民運動にしたいからである。これまで27年もグループ活動を実践しているが、見える効果を発揮していないではないか、と冷笑する人もいるだろう。

  しかし幸いなことに、私たちには27年間たとえ短期間でも水面下で会員活動を維持していただいた方や、僅か一回でも313回累積の『生涯現役塾』や15回開催の『生涯現役情報交流フォーラム』に参加でご協力くださった方々がいる。それ以上に有難いのは、無料奉仕での講師役を務めてくださったり、塾やフォーラムの運営だけでなく、各種研究会や団体運営に年間何度も相当なご奉仕をいただいている方々など本当に数えきれない。

  それら幾多の人たちの参加・尽力をいただけているから、恵まれた場所に拠点も得て、いま「あなたと日本を元気に!」するためのどの団体にもない『生涯現役社会づくり支援ネットワーク』構想に取り組む段階に到達しているのである。残念ながらこれまで『生涯現役塾』や『生涯現役フォーラム』に参加されても、「あなたの生涯現役は何か」を会得できなかった方も、チャレンジの真意を次の発想で容易に決断できると思う。

  それは、誰もこの世にある限り、自分の大切な一瞬一瞬に生きている充実感、幸せな存在が最も大事であることは間違いない。それには、自分が信頼できる価値観の確立が肝要である。いまの日本に欠けているのは、経済繁栄時代に軽視されていた国民としての自律心である。戦後教育の問題点に原因を探るだけではなく、毅然と自立した価値観に立つ国民が増えれば、自然と地域の自治活動や国の自主独立施策は、それを実行できる公僕を選ぶことで実現していける筈だ。

  これから住民の正当な選択次第だが、そのための実例が一部地域では、既に実現可能性の傾向も見え始めた。それが国のレベルに展開されるとどう活かされるかが今後注意点だとしても、注目に値することだろう。健常な高齢者がこのような時代の新しい変遷にも馬耳東風と無関心で、自分も国にも元気を及ぼす「生涯現役」精神で汗を流す気力を出さなくては、自ら貴重な人的資源を埋蔵しながらあの世行きを選んだようなものだ。

  かっては、このように“私たち生涯現役グループ”への参加ご協力をぜひにとお願いすることはなかった。しかし、国民生活に最大の影響を及ぼす生産年齢人口減が、今年の団塊世代の
65歳定年到来から始まる。この団塊世代層への「生涯現役社会づくり」への支援を得るためにどうするかをチャレンジ課題にするのも一法だろう。その世代の最も理解・協力度の高い公募の人たちで「生涯現役社会づくり支援ネットワーク」推進をさせたい。本年度のシリーズ『生涯現役塾』運営はこの趣旨を基本方針に、「生涯現役社会づくり」前進を図りたい。  以上