日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  活 動 で 
                ご  支  援  く  だ  さ  る   会  員  皆  様


  先週月曜20日付Blogで、生涯現役時代に本気で備えるべき時代到来を覚悟すべきときが、やっと高齢社会最先頭を走る日本人たちに自覚いただけたご紹介の続編を転載します。さぁ!はたしてまともに其の現実社会に人生自立への決心・覚悟の備えが、私たち自身にできているかどうか・・・換言すれば、私たちの実力が問われることでもあるとお伝えしました。
  そこで今回続編も、第一生命経済研究所:北村上席主任研究女史による生活意識調査書などにも十分ご留意の上、皆様の積極的なご意見交換など推進し、月例生涯現役シリーズ塾での研鑽レベル向上に邁進する覚悟をして欲しいと願います。
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【ライフデザイン】「生涯現役社会」の人生設計(下)
                第一生命経済研究所 上席主任研究員 北村安樹子

 「人生100年時代」ともいわれる今日、人生後半期へ向けての準備は人生設計の重要なテーマだ。2015年時点で高齢期に向けた準備状況を“項目数”でみると、末子が中学生までは男性の項目数が女性を上回るが、高校生以降は逆転して女性が男性を上回っている。

 つまり、女性は子育てが一段落すると老後を視野に入れた準備行動を急ピッチで進めるのに対し、男性は子供の成長とともに、女性に比べて準備の遅れが目立つようになる。
 
 一方、わが国では若者の非婚・晩婚化に加え、結婚したカップルの晩産化も進んでいる。この変化が高齢期への準備のペースにも影響する可能性がある。以前は女性の多くが結婚して母親となり、祖母となった。女性は子供をもつことによって、子供の成長段階に自身の人生設計のペースを大きく規定されることが避けられなかった。

 しかし、今後は子育てにとらわれない人生を歩む女性が増える。また、晩産化で子育てのピークが後ずれする女性や、男性と同じように働き続ける女性も多くなる。つまり従来は、男性では仕事上の「定年」、女性では「子供の成長」が人生後半期の人生設計を考える大きな節目となったが、女性のライフコースの多様化は、これらの常識を大きく変えるのではないか。

 振り返れば、時代の変化はいつも女性が先取りしてきた。男性のように定年にとらわれる必要のない女性は、子育てのピーク終了に合わせて、人生後半期に向けて新たな行動を起こしてきたのだろう。女性は以前から生涯現役の人生設計を先取りしてきたのだ。

 今後は誰もが、定年にとらわれずにできるだけ長く働き続けること、健康に過ごせる期間をできるだけ長くすることを意識して人生設計を行っていかなければならない時代が来る。結婚を選択しなかった女性や、子育てのピークが後ずれした女性は、今後どのようなペースで自身の長い人生後半期に向けたアクションを起こしていくのだろうか。(連載おわり)