日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  活 動 で 
                ご  支  援  く  だ  さ  る   会  員  皆  様


  標記のテーマについて、本日付け日経夕刊「あすへの話題」欄に東京大学の西成 活裕 教授が話題提供されていた。そこで、ハタと気づいたことがあったので、標記のテーマー「オープンとクローズ 」とは意味が異なることではあるが、関係者皆様に一度お伝えしたいと思うことがある。

  それは「オープンとクローズ」を言わずもがな察知いていただきたい暗黙了解の事柄も存在するのではないか、ということである。原則は明瞭にオープン内容を表示する方がベターなことだ・・・とは思うけれども、いずれ推察してもらえるのだから、そっとクローズにしておく方が波風を立てずに済むということもあるだろうというようなケースだろうか。
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【日経新聞6/21夕刊:オープンとクローズ】

  人は誰でも他人に知られたくない秘密を持っている。つまり自分の中にオープンにしている部分とクローズな部分があるのだ。この割合は人によって違うが、コミュニケーションを円滑に進めるためにはオープンな部分を多くした方がよいのは当然だろう。少なくとも私はそういう人の方が信頼できるし、お互いの誤解が少なくなってとても話しやすい。

  オープンの割合が高い人は、人と会う機会も増えていくだろう。そうなると本人も気づかなかった自分を他人から教わることもあり、さらに自らの可能性が広がっていく。これは心理学で「ジョハリの窓」として知られた議論であり、対人関係において自己を公開していくことはとても重要なのだ。しかし現実ではそのようにできないことも多い。自己の保身のためというのが主な理由と考えられるが、可能性より安全性を優先してしまうのが普通だろう。

  企業も同じで、オープンとクローズを両方もっている。そして近年は経営の透明性の観点からオープン化が進められている。私が注目しているのは各企業が保持する様々なデーターのオープン化で、それらがお互い結びつくと社会的に大きな利益をもたらす。例えば現在貨物輸送の約9割を担うトラックの積載量は、残念ながら50%以下だという。それは、満タンに積んで届けに行き、カラの状態で帰ってくるから、と考えると分かりやすい。そこで、帰りの空きトラックに他社の荷物をタイミングよく積めば、物流効果は全体で大きく向上する。データーのオープン化とそのマッチングは、各企業に自分たちも気づかなかった大きな可能性をもたらすことになるだろう。