生 涯 現 役 社 会 づ く り の 人 間 教 育 塾 に つ い て
                       多 摩 大 学   名誉教授
                        日本生涯現役推進協議会 理事
                              竹 村  之 宏

 Ⅰ. 目 的 ・ 超 高 齢 社 会 を 明 る く 元 気 に
  1)日本は今世界有数の超高齢社会を迎えて、健康問題、生き甲斐問題,医療費の高騰経済の活力低下、など悲観的な側面がクローズアップされています。
    しかし、考え方を変えれば、高齢化はプラスの側面もあります。例えば
   イ)年齢に関係なく,健康や生き方に対する関心が高くなる
   ロ)寿命の長さよりも健康寿命の伸びに注目が集まる
   ハ)人間社会の豊かさとは何かを考えるようになる
   ニ)日本の技術はエネルギーやロボットなどの分野で、高齢者でも出来る仕事の範囲の拡大に貢献し、高齢者への期待が髙まり、高齢者の生き甲斐にも通じる。
   ホ)高齢者が元気になることは若い世代に安心感を与える
  2)  以上のような明るい高齢社会を実現するためには、国や自治体の政策に期待すると同時に、高齢者はもちろんのこと、いま現役の人々も生涯現役の視点に立って人生観を確立し、学問へ関心の幅を広げることが大切です。

 Ⅱ. 人 間 教 育 塾 の テ ー マ
       ― 学 問 と 教 養 へ の 挑 戦 ―
  1)健康で心豊かな人生を送るための学問の方法を学ぶ
   イ)学問は人間性の基本
   ロ)学問によって創造性が養われる
   ハ)教養は学問によって得られる心の豊かさや物事に対する高い判断力
   ニ)教養は人間の器、大局観、人間的魅力、人生の楽しみ、伝統の尊重など
  2)現役時代の働き方(そのための発想と行動)
   イ)社縁を活用して人脈を拡大する
   ロ)現場での問題解決の経験をより多く持つ
   ハ)合理性やしきたりにとらわれない柔軟な思考法・発想法を身につける
   ニ)情報給与の高給取りになる

付記・高齢社会は決して悲観的でマイナス評価される社会ではありません。逆に日本は世界でも有数の豊かな国と考えてよいでしょう。日本の高齢化はそれなりに理由があります。それは、日本は生命を育む良い環境に恵まれている、安全で栄養価の高い食物が豊富、レベルの高い医療がある、世界トップクラスの経済力がある、等です。
  いたずらに悲観することなく、より高い自己成長を目指して頑張りましょう。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
【2015年7月29日午後4時開催:生涯現役人間教育塾】

 東 京 竹 村 塾

平成27年7月29日例会のテーマ

1 人事コンサルからみた日本の働く現場

 平成不況以来、日本の労働環境は大きく変わりました。それまでの日本型と言われる経営から競争原理中心になりました。そのことで日本人の働き方も複雑になりました。

 そこで、今回の特別講義では人事コンサルタントとして長年日本の働く現場を指導してこられた経験をお話して頂きます。

2 『無用の用』からの発想

 平成23年のノーベル物理学賞は『宇宙加速膨張説』です。このような宇宙論は我々の日常生活にはほとんど役に立たない。しかし、役に立たない研究になぜノーベル賞が与えられるのか。

 よく考えてみると、現代社会はあまりにも役に立つことに力を入れ過ぎているのではないか。しかし、先の研究のように、直ぐには役に立たないが、研究する事自体に価値があるものがあるのではないか。

 そこで、無用の用とはどういうことなのか考えてみたい。    明7/26日に つづく