沖縄Times:生涯現役で/職人比嘉利信氏
2015年6月12日 お仕事 沖縄版・時計修理業界の人生達人として、沖縄タイムス2015年6月10日・時の記念日付で下記URLで掲載【https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=119234】の、生涯現役/人生達人:比嘉利信氏を転載ご紹介します。
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【 2 0 1 5 年 6 月 1 0 日 1 5 : 1 0 社会・くらし 注目 】
思 い 出 刻 む 時 計 大 切 に
「 生 涯 現 役 で 」 職 人 比 嘉 さ ん
今から約45年前、時計の修理技術を競う全国大会で日本一になった比嘉利信さん(72)。今も一級時計修理技能士として、那覇市壺屋で「比嘉時計めがね店」を営み、針の止まった時計をよみがえらせている。
6月10日は「時の記念日」。携帯電話の普及で腕時計の必要性が薄れ、安価なデジタル時計が使い捨てされる中、比嘉さんは「時計は思い出を刻むもの。もっと時計を大切にしてほしい」と話す。(吉川毅)
比嘉さんは高校卒業後の1962年、那覇市の時計専門店に入社し、時計修理の技を磨いた。当時、「時の記念日」になると、国際通り沿いにあった店舗前に10人ほどの職人が並び、通りを行き交う人々の時計を正確な時間に調整し、不具合の修理を無料で行っていたという。
「当時は、職人の数も足りなかった。時計もよく売れ華やかな時代だった。今は、職人も減り、多くの時計店も倒産してしまった」
時計の世界に入って50年余り。本土復帰前年の71年、壺屋に自分の店を構え、これまでに数え切れないほどの時計を修理してきた。
「時計のおかげで私の人生がある。私を頼って北部から修理を依頼する人がいる。 生 涯 現 役 で や り 続 け た い」
修理は個人依頼が主だ。卒業式のお祝いや記念日にプレゼントされた時計、親子3世代で使っている時計、そして親の形見として持ち続けている時計。それぞれの思い出が詰まっている。
取材した9日は、5件の修理依頼があった。小さな拡大ルーペを右目に当て、何種類ものピンセットやドライバーなどを使い神経を集中させる。修理にかかる時間は、最短で1週間。部品調達などで最長3カ月かかることもある。
比嘉さんは「年季の入った自動巻きや手巻きの場合、修理しても、秒針がずれたままで正確な時間を刻めないこともある。何でも急ぐ世の中で、その針を眺める時間も大切かもしれないと思う」と笑った。
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【 2 0 1 5 年 6 月 1 0 日 1 5 : 1 0 社会・くらし 注目 】
思 い 出 刻 む 時 計 大 切 に
「 生 涯 現 役 で 」 職 人 比 嘉 さ ん
今から約45年前、時計の修理技術を競う全国大会で日本一になった比嘉利信さん(72)。今も一級時計修理技能士として、那覇市壺屋で「比嘉時計めがね店」を営み、針の止まった時計をよみがえらせている。
6月10日は「時の記念日」。携帯電話の普及で腕時計の必要性が薄れ、安価なデジタル時計が使い捨てされる中、比嘉さんは「時計は思い出を刻むもの。もっと時計を大切にしてほしい」と話す。(吉川毅)
比嘉さんは高校卒業後の1962年、那覇市の時計専門店に入社し、時計修理の技を磨いた。当時、「時の記念日」になると、国際通り沿いにあった店舗前に10人ほどの職人が並び、通りを行き交う人々の時計を正確な時間に調整し、不具合の修理を無料で行っていたという。
「当時は、職人の数も足りなかった。時計もよく売れ華やかな時代だった。今は、職人も減り、多くの時計店も倒産してしまった」
時計の世界に入って50年余り。本土復帰前年の71年、壺屋に自分の店を構え、これまでに数え切れないほどの時計を修理してきた。
「時計のおかげで私の人生がある。私を頼って北部から修理を依頼する人がいる。 生 涯 現 役 で や り 続 け た い」
修理は個人依頼が主だ。卒業式のお祝いや記念日にプレゼントされた時計、親子3世代で使っている時計、そして親の形見として持ち続けている時計。それぞれの思い出が詰まっている。
取材した9日は、5件の修理依頼があった。小さな拡大ルーペを右目に当て、何種類ものピンセットやドライバーなどを使い神経を集中させる。修理にかかる時間は、最短で1週間。部品調達などで最長3カ月かかることもある。
比嘉さんは「年季の入った自動巻きや手巻きの場合、修理しても、秒針がずれたままで正確な時間を刻めないこともある。何でも急ぐ世の中で、その針を眺める時間も大切かもしれないと思う」と笑った。