先月19日付当Blog上でご紹介の、「 君はただ『会社』から言われたとおりに働き続けるのか ? 」著者ご関係者から、またも素晴らしい同著者のご直近著本:「2%のエース思考/あなたはいつまで『同期』の中に埋もれているのか?」を本日、わが家族を通して有難く頂戴しました。
  世界的デザイナー、コシノ三姉妹・長女ヒロコ氏の企業研修にも関わっておられると承れば、30年永続のわが「生涯現役塾」でもお招きしてみたいと、ご賢察の『生涯現役プロデューサー』仮登録の方々にはぜひご著書序文「はじめに」の部分をお読みいただきたく存じます。
  どうか著者・出版社ワニブックス様には、超少子高齢化対策への『生涯現役社会の実現をめざして』推進に役立てるための参考文献転載用として、何とぞご容赦賜わりたく願っています。
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【 2%のエース思考 / あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? 】    
     は   じ   め   に   (前)

  社内でエース(超一流の人材、次世代経営者候補)と呼ばれている人材がどのようなものであるか、どうも誤解があるように思えて仕方がない。

  長年に亘り多くの企業で、コンピテンシー(能力・適性)作りのためのインタビューや次世代リーダー研修、キャリア開発研修を行って来た。また、大学のゲスト講師として招いたりするなどを通じて、数万人の優秀な企業人たちと接して来た。その中には一定の割合で、紛いもなくエースだ、と唸るような人たちがいた。

  その割合は、50人に一人ほどだ。

  たとえば企業で50人の社員研修を行なうとその中に一人はエースがいる。というのが私の実感値だ。もちろん、統計的に提示できるわけではないが、標準偏差で言えば、+2σ(シグマ)以上の人は、2.275%であり、100人に二人程度というのはやはり自身の実感値と合っている。

  ちなみに、標準偏差とはあの受験でおなじみの偏差値を出すときに使うものだ。ある母集団の数値が正規分布しているときの標準偏差10の2倍の外側でプラスの方は、偏差値70以上ということになり、極めて優れていることを示している。

  私が接して来たのは、かって自身が所属していたNEC、マッキンゼー、ユニデン、アップルはもとより、たとえば、日立、東芝、富士通、パナソニック、SONYなどの電機メーカー、自動車メーカー、鉄道会社、航空会社、広告代理店、電力会社、ガス会社、ハウスメーカー、証券会社、保険会社、都市銀行、地方銀行など多業界の多職種に亘る。

  その結果分かったのは、エースと呼ばれる人の「基準」は、同じ業界のライバル会社同士であっても驚くほど共通している、ということ。そして、業種が変わっても、さらには職種が異なっても同様だ、ということだ。

  しかし、その「基準」は、世の中で語られている、また学生や多くの社員が描いているエース像とは、大きく異なることがかねてより気になっていた。

  一般的なエース像とは、上司から与えられた課題を器用に効率的にどんどんこなし、同期よりも入社早々から業績が高く、上司から高い評価を得ている、といったものだろう。主流部門を順調に出世して行くノウハウを蓄え、相手やコミュニティによって対応を巧みに使い分けるテクニックを持ち、プレゼンが上手で、社内の政治にも上手に乗り、オン・オフを切り替えるのが上手く、プライベートに仕事を持ち込まない。いわゆる従来のエリート社員像だ。

  しかし、それは今の時代に将来会社を担って立つエースの像とはかけ離れている。 つづく