【 2%のエース思考 / あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? 】
    
     は   じ   め   に  (後)

  そして、もう一つ分かったこと。それは、一流企業だけでなく、中小企業やベンチャーにも同じ割合でエースがいるということだ。

  彼らは一流大学を出ている訳ではない。特別な資格を持っている訳でもない。しかし、間違いなくエースなのだ。これは、私が長年いわゆる一流企業と言われるところだけではなく、中小企業、ベンチャーのコンサルティング、社外取締役、社外監査役などを通じて経営支援をして来て気づいたことだ。ある集団が形成されるその中で2%程度のエースが出現する。逆に言えば、一流大学を出て一流企業に入社したはずなのに、その中でエースとなるのはやはり2%程度だということだ。

  本書ではそうしたエースたちの、考え方、行動の仕方の「基準」を明らかにしたい。特に20代~30代のこれからエースを目指す一人でも多くの人に、正しい方向に向かって、正しい努力をしてほしいという思いで本書を著した。

  もちろん40代、50代の人であっても必ずこの本の中から得られるものはあると思う。

  この本の副題は「あなたはいつまで『同期』の中に埋もれているのか?」と投げかけている。それは、まずそのまま会社の同期をさしている。

  新入社員として一斉にスタートした同期だが、毎年どんどんその差がついていく。あなたは、その先頭を走るのか。それとも「その他大勢」の中に埋もれてしまうのか? お互いに傷を舐め合ってこれからの長い会社生活を過ごしていくのか? という問いかけだ。

  そして、もう一つ、この同期は大学時代、高校時代のクラス部活など、あなたが持っているさまざまな「同期」を意味している。会社に同期がいない、あるいは少ない場合はこちらの方がピンとくるだろう。

  それらの同期はあなたの友達、盟友であると同時に、あなたのライバルであるはずだ。彼らの動向は離れていても気になるだろう。

  彼らは、皆それぞれの世界で頑張っていると思うが、社会に出て年数が経つほど、同期の集まりには世の中で活躍していない人間はだんだんと足が遠のく。

  一方、同期会に出てくる中でも、その他大勢と異なりピカピカに光っている人がいる。その光っている人の割合は、一企業におけるエースの割合と同じ、やはり50人に一人ぐらいだということだ。

  そして、その2%に入れるか入れないかは、学生時代の成績や、卒業した大学などとは必ずしも関係がないことにあなたも気づいているだろう。

  トップ2%とは決して受験の偏差値70以上のことではない。それよりも、もっと重要な「基準」があるのだ。それを皆さんにお伝えしたい。