J.I.メールニュースNo.621 2013.9.19 紹介
2013年9月19日 お仕事 J.I.メールニュースは、発行:構想日本、発行責任者:加藤秀樹【メール連絡先:info@kosonippon.org / 構想日本URL:http://www.kosonippon.org/ 】から連絡いただいている日本生涯現役推進協議会リンク先です。 ご参考までにNPO法人 よかっぺいばらき 理事長 奥田 夏樹氏ご掲載の原稿を転載紹介いたします。
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「 実 は 『 使 え る 』 博 士
~ 自 活 力 教 育 で 未 活 用 人 材 を 活 か し
持 続 可 能 で 強 靭 な 社 会 を 作 り た い ~ 」
NPO法人 よかっぺいばらき 理事長
奧 田 夏 樹 (おくだ なつき)
Profile: 茨城県立土浦第一高、九州大学理学部生物学科、東北大学大学院理学研究科生物学専攻修了。博士(理学)。第1種銃猟・わな猟免許。国会議員政策担当秘書資格。西表島での生態学研究を通じ、自然と人間、人と人の絆を大切にできる持続可能な社会を志すようになり、学位取得後は専門の深化ではなく、学際化と実践を目指す。WEB新聞編集者、政治家秘書、政党公認候補等を経て現在、その日暮らし。尊敬する人:河井継之助、吉田松陰。
【 NPO法人 よかっぺいばらき URL:http://yokappe.eco.coocan.jp/ 】
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近年増えているという高学歴ワーキングプアからワークを取ったような立場ですが、その日暮らしの貧乏暮らしの中から、専門を活かした社会事業で、地方でもそこそこ安心して暮らせる例を作りたいと試行錯誤しています。 農・食・絆をキーワードに、里山の自然環境保全や環境教育、自然体験を付加価値とした農による耕作放棄地再生、ローカルエコビジネス起業支援等の事業を行っています。
ところで「博士は使えない」と会社組織は敬遠することがあると聞きます。 しかし生物学(生態学)が専門の博士(理学)持ちの私の経験でいえば、博士ほど専門性と何でも屋としての能力を兼ね備えた人材は、あまりいないと思います。 つまり研究手順としては、
・文献を読み、あるいは現場を歩き、また先生や仲間と議論する中から取り組むべき研究テーマを見出す。
・テーマのなかから、今進めるべき、あるいは進めやすい課題を設定し、調査地、調査方法、実験計画等のデザインを考え、実施の手配をする。
・調査、実験を実施しデータを収集する。 実験機器の使い方、野外調査の現場へ行くための地図の読み方等は事前にトレーニングする。
・データを分析する。 分析に必要な統計学を学び、分析ソフトウェアを使いこなすことも必要。
・データを取捨選択しストーリーを組み立て、報告書を書く。パソコンソフト全般に習熟する必要がある。 また学会等でのプレゼンテーションも行う。
この一連の作業が、自然に一通りできるようになるはずなのです。専門分野によって違いもあるでしょうが、学位論文完成というプロジェクトのマネージメントをする必要があるので、自然とジェネラリスト能力はつくはずなのです。 にもかかわらず「使えない」という評価が多いのは、潜在力としては持っていても、専門へのこだわりが強すぎる人、研究活動周辺の作業を単なる面倒事と嫌う人が多く、力を発揮できないのかもしれません。
日本はこれまで卒業後の受け皿がないままに大学院の定員をいたずらに増やしてきました。 その結果として現在の高学歴ワーキングプアがあります。 この問題の一番残念な点は、報酬が低いことよりも、人材を活かす場が作れていないということです。
多くの大学院生は、高い報酬がほしいからではなく、知的好奇心や自分の力を伸ばし活かしたいために研究をしています。自発性があり、高い専門性を備えたジェネラリスト人材として、大学や研究機関以外でも力を発揮できるような人材育成の仕組みが必要と思います。
そのためにできることは多種あるでしょうが、当法人では、学びあいと助け合いから自活力を伸ばす「ローカルエコビジネス勉強会」等の活動を行っています。高学歴人材だけでなく、まじめで標準以上の能力があるのに安定した雇用から外れてしまった人々、ニート、障害者、定年退職後に本格的な社会事業を行うこ とを希望している高齢者等が対象です。
対象が広い理由は個人の自活力を高めること、社会事業の拡大について社会的要請があると考えるからです。 学校を出て正社員を定年まで勤め上げ、充分な年金を得て老後を過ごすモデルはすでに崩壊しています。既存の組織に合わせる教育ではなく、自活力を育むことで、特に地方で、組織に依存しない、経済的に も精神的にも自立した人材を育てることが目的です。 グローバル化の良い面とは付き合いつつ、ローカルなお金、エネルギー、物質循環系の中で自立した暮らしが可能になれば、地域社会は強靭(強くて柔軟)になるでしょう。
今の活動を持続可能な社会を拓く自立した人材を地域で育てる「いばらき松下村塾」に育てるのが目標です。お力添え、ご参加を、お願いいたします。
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「 実 は 『 使 え る 』 博 士
~ 自 活 力 教 育 で 未 活 用 人 材 を 活 か し
持 続 可 能 で 強 靭 な 社 会 を 作 り た い ~ 」
NPO法人 よかっぺいばらき 理事長
奧 田 夏 樹 (おくだ なつき)
Profile: 茨城県立土浦第一高、九州大学理学部生物学科、東北大学大学院理学研究科生物学専攻修了。博士(理学)。第1種銃猟・わな猟免許。国会議員政策担当秘書資格。西表島での生態学研究を通じ、自然と人間、人と人の絆を大切にできる持続可能な社会を志すようになり、学位取得後は専門の深化ではなく、学際化と実践を目指す。WEB新聞編集者、政治家秘書、政党公認候補等を経て現在、その日暮らし。尊敬する人:河井継之助、吉田松陰。
【 NPO法人 よかっぺいばらき URL:http://yokappe.eco.coocan.jp/ 】
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近年増えているという高学歴ワーキングプアからワークを取ったような立場ですが、その日暮らしの貧乏暮らしの中から、専門を活かした社会事業で、地方でもそこそこ安心して暮らせる例を作りたいと試行錯誤しています。 農・食・絆をキーワードに、里山の自然環境保全や環境教育、自然体験を付加価値とした農による耕作放棄地再生、ローカルエコビジネス起業支援等の事業を行っています。
ところで「博士は使えない」と会社組織は敬遠することがあると聞きます。 しかし生物学(生態学)が専門の博士(理学)持ちの私の経験でいえば、博士ほど専門性と何でも屋としての能力を兼ね備えた人材は、あまりいないと思います。 つまり研究手順としては、
・文献を読み、あるいは現場を歩き、また先生や仲間と議論する中から取り組むべき研究テーマを見出す。
・テーマのなかから、今進めるべき、あるいは進めやすい課題を設定し、調査地、調査方法、実験計画等のデザインを考え、実施の手配をする。
・調査、実験を実施しデータを収集する。 実験機器の使い方、野外調査の現場へ行くための地図の読み方等は事前にトレーニングする。
・データを分析する。 分析に必要な統計学を学び、分析ソフトウェアを使いこなすことも必要。
・データを取捨選択しストーリーを組み立て、報告書を書く。パソコンソフト全般に習熟する必要がある。 また学会等でのプレゼンテーションも行う。
この一連の作業が、自然に一通りできるようになるはずなのです。専門分野によって違いもあるでしょうが、学位論文完成というプロジェクトのマネージメントをする必要があるので、自然とジェネラリスト能力はつくはずなのです。 にもかかわらず「使えない」という評価が多いのは、潜在力としては持っていても、専門へのこだわりが強すぎる人、研究活動周辺の作業を単なる面倒事と嫌う人が多く、力を発揮できないのかもしれません。
日本はこれまで卒業後の受け皿がないままに大学院の定員をいたずらに増やしてきました。 その結果として現在の高学歴ワーキングプアがあります。 この問題の一番残念な点は、報酬が低いことよりも、人材を活かす場が作れていないということです。
多くの大学院生は、高い報酬がほしいからではなく、知的好奇心や自分の力を伸ばし活かしたいために研究をしています。自発性があり、高い専門性を備えたジェネラリスト人材として、大学や研究機関以外でも力を発揮できるような人材育成の仕組みが必要と思います。
そのためにできることは多種あるでしょうが、当法人では、学びあいと助け合いから自活力を伸ばす「ローカルエコビジネス勉強会」等の活動を行っています。高学歴人材だけでなく、まじめで標準以上の能力があるのに安定した雇用から外れてしまった人々、ニート、障害者、定年退職後に本格的な社会事業を行うこ とを希望している高齢者等が対象です。
対象が広い理由は個人の自活力を高めること、社会事業の拡大について社会的要請があると考えるからです。 学校を出て正社員を定年まで勤め上げ、充分な年金を得て老後を過ごすモデルはすでに崩壊しています。既存の組織に合わせる教育ではなく、自活力を育むことで、特に地方で、組織に依存しない、経済的に も精神的にも自立した人材を育てることが目的です。 グローバル化の良い面とは付き合いつつ、ローカルなお金、エネルギー、物質循環系の中で自立した暮らしが可能になれば、地域社会は強靭(強くて柔軟)になるでしょう。
今の活動を持続可能な社会を拓く自立した人材を地域で育てる「いばらき松下村塾」に育てるのが目標です。お力添え、ご参加を、お願いいたします。