日本が未曾有の大災害に見舞われ、改めて「社会のために何ができるか」が問われる時代になりました。そんな中「事業によって世の中に役に立つ」ことに果敢に挑戦し、「社会的課題の解決」と「社会システムの変革」を目指す未来の社会起業家たちが、理想の社会に向かって走り出します。
  「ソーシャルビジネスグランプリ2013夏」9名のファイナリストの熱い活動の応援に皆様もご一緒に加わりませんか?
  なお、「ソーシャルビジネスグランプリ2013夏」当日は審査委員長の社会起業家フォーラム 代表 田 坂 広 志 氏の下記 基調講演が予定されています。
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社 会 起 業 家 と し て の 働 き 方
   「 7  つ  の  ス  タ  イ  ル 」 と は
       その3 共感 -多くの人々との「共感」と「協働」を生み出す-

田 坂  広 志(たさか ひろし)   社会起業大学 名誉学長
多摩大学大学院 教授
社会起業家フォーラム 代表
シンクタンク・ソフィアバンク 代表

  これからの時代には、誰にでも「社会起業家」としての働き方ができるようになります。
  なぜなら、これまでの「社会起業家」の定義は少し狭い定義だったからです。

  すなわち、これまでの「社会起業家」という言葉の「社会」とは、「営利」を目的とせず「社会貢献」を目的にするという意味に使われており、その表現の背後には「営利」対「社会貢献」という二項対立的な発想がありました。
  また、これまでの「社会起業家」という言葉の「起業家」とは、「起業能力」を用いて「新しい企業」や「新しい事業」を起こす人という意味で使われており、その表現の背後にはかなり高度な「起業能力」や「経営能力」が想定されていました。
  しかし、これからの時代には、こうした定義は必ずしも適切ではありません。「社会」や「起業家」という意味が変化を考えるならば、これからの時代における「社会起業意家」の定義は、むしろ、次のような定義へと広がっていくべきでしょう。
   「社会貢献」や「社会変革」の志を持ち、「現在の事業の革新」や「新しい事業の創造」を通じて、「良き社会」を実現しようと考え、働く人々。

  この「社会起業家」の新しい定義が意味するものは、2つです。
  1つは、たとえ「営利企業」に属して働いていても、「社会貢献」を目指して仕事に取り組むならば、それは「社会起業家」としての働き方であるということ。
  もう1つは、たとえ「新しい事業」を起こさなくとも、現在の事業や日々の仕事に「革新」を起すことができるならば、それは「社会起業家」としての働き方であるということ。
  そして、この「社会起業家」の新しい定義にもとづくならば、これからの時代には、社会的な立場を問わず、また、職業的な分野を問わず、誰もが「社会起業家」としての働き方を目指すことができるのです。
  そう考えるならば、この「社会起業家」の新しい定義とは、これからの時代の「社会起業家」の新しいビジョンに他なりません。これから我が国においては、このビジョンに基づき、「社会起業家」の働き方の新たなスタイルが生まれてくるでしょう。

  そこで、新たなスタイルとは何か。それは、 7 つ の ス タ イ ル です。
社 会 起 業 家 と し て の 働 き 方 「7つのスタイル」
その1 立志 -「良き社会」を実現しようとの「志」と「使命感」を持つ-
その2 成長 -自分自身の「自己変革」と「人間成長」を目指す-
その3 共感 -多くの人々との「共感」と「協働」を生み出す-
その4 革新 -「現在の事業の革新」や「新しい事業の創造」を行う-
その5 創発 -事業の革新や創造を通じて「社会の創発」を促す-
その6 信念 -生涯にわたって「社会変革の歩み」を続ける-
その7 伝承 -次の世代に「志」と「使命感」を伝えていく-

  ソーシャルビジネスグランプリの基調講演は、回数を重ねながら、これから働き方はどう変わるのかをご来場者の皆様と考え、誰もが社会起業家となる時代を共に創っていきたいと考えています。
  今回のソーシャルビジネスグランプリ2013夏では、「その3 共感 -多くの人々との「共感」と「協働」を生み出す-」にフォーカスして私たちの新しい生き方・働き方についてお話します。