昨日付当Blogでご紹介の佐橋女史主宰「オパールネットワーク」直近会報No.159号に、オパール大阪例会での講演者/浅野初子女史による「アクティブシニアの元気談~95歳の山ガール・浅野初子さん~」が掲載されていましたので、下記に転載ご紹介させていただきます。
  人生16年も先駆者として勇敢なモデル像を近寄りがたい後姿で示していただける女傑の元気談には、出席者一同大いにファイトとエネルギーを与えられたことだと存じます。
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【 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア の 元 気 談 】
     9 5 歳 の 山 ガ ー ル : 浅 野  初 子 さ ん 

  浅野初子さんは、大正8年(1919年)生まれの95歳、いまも現役で山登りとスキーを楽しむアクティブシニアです。
◇  山 へ の き っ か け
  大阪府女専で、山好きの先生に出会い、17歳の夏休みに、初めて北アルプスを横断しました。ガイドさんのすぐ後ろを歩き、足元の花の名前を次々に訊いて教えてもらい、山歩きがうれしくてたまらなくなりました。
  女專卒業後、昭和15年(1940年)に教職に就き、山はエーデルワイス(女性のクラブ)に入会し、昭和19年、会がなくなるまで在会、一緒に山登りした男性たちはみな戦争に行き、親からは山へ行くなと言われました。
◇  山 で の 遭 難
  昭和19年5月、自分一人で六甲山の岩壁にトライ。てっぺんの岩に手がかかりかけたところで20メートルほど落下。30分ほど気を失っていました。危ない時につかもうとたらしておいたザイル、手指も足指も効かないなか必死で回収し、何度も転びながらやっとの思いで駅に着いたが口がきけない。傷だらけの顔をスカーフで頬冠りして電車に乗っていたら、こんな時局にスカーフなどととがめられたが、傷だらけのすごい顔に驚き、離れていきました。
  頭を打って脳震盪を起こしたので、本は読んでもすぐ忘れ、口はきけず、買い物の計算はできず、途方に暮れました。夏休みに白馬の山小屋で一ヶ月間居候してボーっとしていたら元に戻り、9月から学校へ復職することができました。それでも山が好きです。
◇  山 は 天 国 み た い
  山では、花はきれい、ややこしい人間関係はなく、天国みたいに思えました。
  山へ行けなくなるから結婚しないつもりが31歳で結婚。33歳で教師を辞めました。
  昭和48年に、PTAを卒業した女性たちに呼びかけて山登りの会「でんでん虫」を結成。
  自分より若い友だちを作っておくのはいいものです。世の中が若い友だちから入ってきます。若いといっても、彼女たちは70代半ば。
  20人以上いた「でんでん虫」の仲間も今は7人。毎週1回山行きを楽しんでいます。
  76歳までは、3,000メートル級の山へ登っていました。
  登山の回数は、2,000回にはなるでしょう。
◇  パ ー ト ナ ー の 老 々 介 護
  5歳年下の人と結婚したとき、しめしめ私の方が介護してもらえると思っていましたが、4年前、二人で六甲山登山中、夫は谷側へ突然倒れ、とっさに夫のリュックをつかみ、一緒に20メートルほど斜面を落下。ヘリコプターで病院へ運ばれ、夫は脛骨骨折で3ヶ月半入院。自分でトイレに行くので危ないからベットに縛りつけられ、車椅子生活になりました。
  私は家事も介護も自分でこなす毎日、最近来てくれたヘルパーさんは、なんでも一人でできるので驚いています。
◇  山 登 り の 恵 み
  山のお蔭で歩くのが苦にならず、バスを待つ時間が嫌で30分くらいなら歩きます。歩いているといろんなものが見えます。
  体力を維持するために山へ行っているのではなく、行きたくて山へ出かけています。
  5年前に心臓冠動脈の狭窄が見つかりステント手術を受けました。再発予防のため一生飲むようにいわれた血液サラサラ薬をやめたが、山歩きのお蔭で健康を維持しています。
  食事は、好きなものを食べているだけ。肉も魚も嫌いで野菜が好き、甘いものも好き。
  歯が丈夫で、手入れもしないのに、92歳で32本あり、歯科医師会から表彰されました。
◇  読 む の が 好 き 、 書 く の が 好 き 、 メ ー ル も 好 き
  毎晩寝る前に本を読み、午後11時ごろ寝て、午前3時には目が覚めて、また本を読みます。朝日新聞の「ひととき」欄には、45歳の時から投稿を続けています。
  パソコンと出会ったのは60歳の頃。
  今は毎日若人近い友人とメールのやり取りをしています。
【オパール大阪の例会より・・・・・浅野さんは、背筋がしゃんと伸び、声にも張りがあります。元気の秘訣は好奇心だとのことです】