「40歳定年」 国家戦略会議 提言を考える
2012年8月14日 お仕事 昨13 日経新聞朝刊2Pに、「 4 0 歳 定 年 」を唱える東大大学院教授、柳川範之氏が(旬の人時の人)で掲載されているのを注目された方も多いことと思う。柳川範之氏(49)は1963年の生まれ。大学入学資格検定(大検)合格を経て、88年に慶大経済学部の通信教育課程を卒業。93年、東大大学院博士課程修了、博士号取得。2011年から東大大学院教授。専門は制度の経済学者である。
以下も同紙によると、「国の長期ビジョン、フロンティア構想に盛り込まれた『40歳定年』の発案者だ。リストラの不安におびえながら同じ企業で働き続けることが幸せなのか。いったん退職して社会の変化に合わせて学び直し、自分をより生かせる仕事に就いた方が、企業にとっても自分自身にとってもプラスになると訴える。
発想の背景には、大学院時代に留学した米国での経験がある。子育てを終えて一段落した女性をはじめ、30代、40代が数多く学び、学び終えた後の仕事への意欲を熱く語っていた。日本に戻って、敷かれたレールを踏み外すことを極端に恐れる社会を目の当たりにしたとき『少し窮屈そうだな』と感じた。
経歴は異色だ。東大大学院教授だが、高校には通っていない。日本での生活が水に合わず、10代後半は銀行マンの父親の赴任先だったブラジルで過ごした。学校には入らず、小学生とサッカーなどをして過ごす日々。独学の末、大学入学資格検定(大検)に合格し、慶大の通信課程で経済学の面白さに目覚めた。
国も企業も模範解答のない難題に直面しているのがいまの時代。多様な働き方、生き方を認める社会にしなければ、国も個人も強くなり、輝くことはできない。自分と同じ人生を勧めはしないが、レールに縛られて力を発揮できない人が多いのは不幸なことだと感じている。」(経済部 石川潤)と紹介されている。
以上紹介された柳川氏からの「40歳定年」提言を国家戦略会議フロンティア部会が発表している趣旨をどう考えるかである。これは国民の側からみるとそれぞれの置かれた立場で様々な意見が出るだろうと思う。大別は賛成派と反対派、どちらでもない中間派だろうか。
日本人の平均寿命は男性79.44歳、女性85.90歳といわれるが、生涯をマラソンに例えると、その折返し点はやはり現状40歳である。その人生なかばで安定した正社員の被雇用権利を剥奪されるなんて論外だと憤る立場の人、そのあたりで新規一転の好条件付きなら転職や起業に踏み切りたい人では意見が別れる。
7/25当Blogでご紹介の報告書は、日本を「希望と誇りある国」にするために、2050年のあるべき姿を描くとともに、その前に立ちはだかる様々な課題を解決するための政策の方向性を示したものだと主張している。
再掲すると、雇用分野では人口減少社会で一定の経済規模を維持していくために、企業内人材の新陳代謝を促すような柔軟な雇用ルールの整備や「学び直し」の機会の充実、グローバル人材の育成など「人財戦略」を打ち立てる必要があると提言。有期を基本とした雇用や金銭解雇ルールの明確化を求めている。
企業の定年年齢を引き上げる方向にある現在の政策に対しては、一つの企業内に人材を固定化させ、企業組織の新陳代謝を阻害すると否定的な見解を示し、逆に定年年齢を引き下げる「40歳定年制」を打ち出した。入社20年前後の40歳は管理職になる社員が決まる時期で、「40歳定年制」はキャリアパスが複線化している現在の企業経営とも整合的だとしている。
一方で、労働市場の流動化が実現するまでは、転職を迫られる社員のリスクが大きいため、激変緩和措置として、企業に定年後1~2年程度の所得補償を義務づけ、雇用保険から再教育訓練給付を支給するなどの施策を示しているが、永年の日本雇用慣行を変革する「40歳定年」提言は、「生涯現役社会づくり」推進をめざす私たち生涯現役仲間の真剣に論議研究すべき課題であることは間違いない。
以下も同紙によると、「国の長期ビジョン、フロンティア構想に盛り込まれた『40歳定年』の発案者だ。リストラの不安におびえながら同じ企業で働き続けることが幸せなのか。いったん退職して社会の変化に合わせて学び直し、自分をより生かせる仕事に就いた方が、企業にとっても自分自身にとってもプラスになると訴える。
発想の背景には、大学院時代に留学した米国での経験がある。子育てを終えて一段落した女性をはじめ、30代、40代が数多く学び、学び終えた後の仕事への意欲を熱く語っていた。日本に戻って、敷かれたレールを踏み外すことを極端に恐れる社会を目の当たりにしたとき『少し窮屈そうだな』と感じた。
経歴は異色だ。東大大学院教授だが、高校には通っていない。日本での生活が水に合わず、10代後半は銀行マンの父親の赴任先だったブラジルで過ごした。学校には入らず、小学生とサッカーなどをして過ごす日々。独学の末、大学入学資格検定(大検)に合格し、慶大の通信課程で経済学の面白さに目覚めた。
国も企業も模範解答のない難題に直面しているのがいまの時代。多様な働き方、生き方を認める社会にしなければ、国も個人も強くなり、輝くことはできない。自分と同じ人生を勧めはしないが、レールに縛られて力を発揮できない人が多いのは不幸なことだと感じている。」(経済部 石川潤)と紹介されている。
以上紹介された柳川氏からの「40歳定年」提言を国家戦略会議フロンティア部会が発表している趣旨をどう考えるかである。これは国民の側からみるとそれぞれの置かれた立場で様々な意見が出るだろうと思う。大別は賛成派と反対派、どちらでもない中間派だろうか。
日本人の平均寿命は男性79.44歳、女性85.90歳といわれるが、生涯をマラソンに例えると、その折返し点はやはり現状40歳である。その人生なかばで安定した正社員の被雇用権利を剥奪されるなんて論外だと憤る立場の人、そのあたりで新規一転の好条件付きなら転職や起業に踏み切りたい人では意見が別れる。
7/25当Blogでご紹介の報告書は、日本を「希望と誇りある国」にするために、2050年のあるべき姿を描くとともに、その前に立ちはだかる様々な課題を解決するための政策の方向性を示したものだと主張している。
再掲すると、雇用分野では人口減少社会で一定の経済規模を維持していくために、企業内人材の新陳代謝を促すような柔軟な雇用ルールの整備や「学び直し」の機会の充実、グローバル人材の育成など「人財戦略」を打ち立てる必要があると提言。有期を基本とした雇用や金銭解雇ルールの明確化を求めている。
企業の定年年齢を引き上げる方向にある現在の政策に対しては、一つの企業内に人材を固定化させ、企業組織の新陳代謝を阻害すると否定的な見解を示し、逆に定年年齢を引き下げる「40歳定年制」を打ち出した。入社20年前後の40歳は管理職になる社員が決まる時期で、「40歳定年制」はキャリアパスが複線化している現在の企業経営とも整合的だとしている。
一方で、労働市場の流動化が実現するまでは、転職を迫られる社員のリスクが大きいため、激変緩和措置として、企業に定年後1~2年程度の所得補償を義務づけ、雇用保険から再教育訓練給付を支給するなどの施策を示しているが、永年の日本雇用慣行を変革する「40歳定年」提言は、「生涯現役社会づくり」推進をめざす私たち生涯現役仲間の真剣に論議研究すべき課題であることは間違いない。