自立や自由があってこそ「生涯現役」だ!!
2012年8月10日 お仕事 本朝の日経新聞「大機小機」欄で“若者にも高齢者にも厳しいドイツ”一礫氏の記事が目に付いた。それがなぜ『生涯現役』と関係するのか・・・・・を生涯現役仲間とご一緒に考えてみたいと思う。以下その記事を直接ご紹介したい。
このほどドイツの大学や福祉施設を訪ねた。ハイデルベルクやマンハイム、かつてシーボルトが学んだヴュルツブルク大学でカリキュラムの一部を説明してもらったが、いずれも、学生を徹底的に鍛えるスタンスに変わりはない。筆者がかつて暮らした英国でもそうだったが、幼稚園から生活の基本動作をたたきこむ。大学に限らず、この国の教育は厳格だ。
ただし、若者に厳しいだけではない。そんな一端を、独南部アウクスブルクの街中にある福祉地区「フッガーライ」で垣間見ることができる。
フッガーライは富豪ヤコブ・フッガーが1521年に建てて寄進した、世界最古の現役の福祉住宅である。やむを得ない事情で貧困に陥った市民のためにつくられた。現在140戸あり、家賃は年間わずか0.88ユーロ、100円にも満たない。入居者の何人かと話をしたが、みな高齢者だ。
印象的なのはここでのルールだ。食事は原則、集会場に出向いて取る。足が不自由でも、つえをついたり車椅子に乗ったりして、食堂まで行く。寝たきり老人はどうするのか尋ねたが、そういう表現そのものが無いという。「頑張って動くか完全な病人かのいずれかだけだ。はっきりした病人には、病人としての対応をする」のだという。
人間としての暮らしの基本は「自立」であり、可能な限り自分で動く。それが本人のためであるばかりでなく、経済、社会全体のためでもあるという考え方である。
ドイツは若者にも高齢者にも厳しい。日本とは反対のようだ。文化大国であるだけでなく、欧州連合(EU)経済の中で独り勝ち続ける、ドイツ経済の強さの根源を垣間見た気がした。
振り返ってわが国では社会保障と税の一体改革の議論が大詰めを迎えている。わが国では、経済が毎年3%くらい伸びないと、国内総生産(GDP)に対する医療費比率は上昇せざるを得ないだろう。主因は高齢化に伴う医療費の増加だ。今のままでは医療費の抑制にも限界がある。高齢化社会を考えるうえでは、できるなら、自立型を基本に置いた社会に持ち込んでいきたいものである。
維新以来、日本は欧米諸国から多くの事を学んできた。本格的な高齢化社会に当たり、社会福祉先進国のドイツから学ぶべきことも、まだあるのではないか。(一礫)…… と。
私たち『生涯現役社会』づくりを目標に真摯な推進を志す者たちが、このドイツの福祉地区「フッガーライ」の一端から、何を学びえるかを考えてみたい。確かに「自立」の部分は理解できるが、それでは「自由」の部分はどうか。
『生涯現役社会』を選ぶ「自由」をどう捉えるべきかの岐路にあるのではないか。閉塞感の充満する超高齢社会日本は、いまその選択肢に増税を甘んじて受けた北欧型高福祉社会なのか、「小さな政府」を選んで自主的な自立主義の国民の精神構造をめざすか・・・・・その「自由」を本気で行動に移すのが『生涯現役プロデューサー』の役目であろうと考えるが、諸兄姉のご意見をうかがいたい。
このほどドイツの大学や福祉施設を訪ねた。ハイデルベルクやマンハイム、かつてシーボルトが学んだヴュルツブルク大学でカリキュラムの一部を説明してもらったが、いずれも、学生を徹底的に鍛えるスタンスに変わりはない。筆者がかつて暮らした英国でもそうだったが、幼稚園から生活の基本動作をたたきこむ。大学に限らず、この国の教育は厳格だ。
ただし、若者に厳しいだけではない。そんな一端を、独南部アウクスブルクの街中にある福祉地区「フッガーライ」で垣間見ることができる。
フッガーライは富豪ヤコブ・フッガーが1521年に建てて寄進した、世界最古の現役の福祉住宅である。やむを得ない事情で貧困に陥った市民のためにつくられた。現在140戸あり、家賃は年間わずか0.88ユーロ、100円にも満たない。入居者の何人かと話をしたが、みな高齢者だ。
印象的なのはここでのルールだ。食事は原則、集会場に出向いて取る。足が不自由でも、つえをついたり車椅子に乗ったりして、食堂まで行く。寝たきり老人はどうするのか尋ねたが、そういう表現そのものが無いという。「頑張って動くか完全な病人かのいずれかだけだ。はっきりした病人には、病人としての対応をする」のだという。
人間としての暮らしの基本は「自立」であり、可能な限り自分で動く。それが本人のためであるばかりでなく、経済、社会全体のためでもあるという考え方である。
ドイツは若者にも高齢者にも厳しい。日本とは反対のようだ。文化大国であるだけでなく、欧州連合(EU)経済の中で独り勝ち続ける、ドイツ経済の強さの根源を垣間見た気がした。
振り返ってわが国では社会保障と税の一体改革の議論が大詰めを迎えている。わが国では、経済が毎年3%くらい伸びないと、国内総生産(GDP)に対する医療費比率は上昇せざるを得ないだろう。主因は高齢化に伴う医療費の増加だ。今のままでは医療費の抑制にも限界がある。高齢化社会を考えるうえでは、できるなら、自立型を基本に置いた社会に持ち込んでいきたいものである。
維新以来、日本は欧米諸国から多くの事を学んできた。本格的な高齢化社会に当たり、社会福祉先進国のドイツから学ぶべきことも、まだあるのではないか。(一礫)…… と。
私たち『生涯現役社会』づくりを目標に真摯な推進を志す者たちが、このドイツの福祉地区「フッガーライ」の一端から、何を学びえるかを考えてみたい。確かに「自立」の部分は理解できるが、それでは「自由」の部分はどうか。
『生涯現役社会』を選ぶ「自由」をどう捉えるべきかの岐路にあるのではないか。閉塞感の充満する超高齢社会日本は、いまその選択肢に増税を甘んじて受けた北欧型高福祉社会なのか、「小さな政府」を選んで自主的な自立主義の国民の精神構造をめざすか・・・・・その「自由」を本気で行動に移すのが『生涯現役プロデューサー』の役目であろうと考えるが、諸兄姉のご意見をうかがいたい。