中 日 ・ 小 笠 原  道 大  内 野 手
  「 生 涯 現 役 の つ も り だ っ た 。
            心  の  火  は  消  え   な  い 」

  セ、パ両リーグで最優秀選手(MVP)に輝いた中日の小笠原道大内野手(41)が17日、名古屋市内で記者会見し、柔和な笑みを浮かべながら現役引退を表明した。

「今シーズン限りで現役を引退することをご報告させていただきます」

 --現在の心境は

 「ホッとしたというか、この日が来たなという…。あらゆる思いが交錯してますけど、今はスッキリしています」

 --スッキリしたいう中には、どんな思いが

 「プロに入ってから、1年1年が勝負だと思ってやってきて、その積み重ねが19年になったのだと。自分ではよくやったなと思います」

 --やり切ったという思いも

 「気持ちの中では、生涯現役だと常に思ってやってきましたので、気持ちの火というか、野球に対しての情熱は消えないと思うんですけど、ただプレーヤーとしては、自分のイメージしたものと現実とのギャップが、出てきて、最後の数年間は引退という文字を頭の中に置きながらプレーしてきた。そろそろかなと思ったときに、そういうイメージが出てきたので、決断しました」

 --最終的に、決断されたのはいつごろか

 「FAでドラゴンズに来たときに、まずは1年と思っていたが、1年で結果を出して、今年スタートしたんですけど、けがとかで、2軍に行くときがあった場合、そこが引き際と、頭にあったので、それが7月末のプレーであったので、そこで、心の中では区切りとして、決断はしていましたけれど」

   --この打席でとか、この試合でとかいうのがあったのか

 「そういうことではなくて、しっかり走れなくなったというのが大きい。思い切ってプレーできない。けがをしても、常に全力でやってきた。けがをした中で、なかなか思い切りできない部分があったので、そっちの方のウエートが大きくて、決断したということです」

 --周囲には相談しましたか

 「家族には1年1年が勝負と言ってきましたし、でもそこに至るまでは、自分一人で毎日の葛藤の中で、報告させてもらいました」

 --家族の反応は?

 「もう少し見たかったというのもあると思うし、ただ予想もしていましたので、自分が決めたことということで、理解はしてもらいました」

 --首脳陣や選手には

 「監督には報告させていただきました」

 --監督は何と?

 「『ごくろうさま』のひと言に凝縮されていると思います」

 --小笠原選手のプロ野球人生を振り返って

 「ファイターズは、プロ野球選手をスタートさせてもらったチームですから、育ててもらったというか、その10年間の中で、先輩がいて、プロ野球の中のことを勉強させてもらったと思いますし、ジャイアンツの7年間は、10年勉強させてもらったことを発表というか、思い切りみんなに見せる7年間で、ドラゴンズの2年間はわがままを通してもらった2年間です。3球団とも感謝しています」

 --ここまでできた要因は

 「いろいろありますが、うまくなりたい、強くなりたいというのが、根底にはあったと思う。その中を走り抜けてきた19年間だったかなと」

 --若い選手へのメッセージは

 「スタイルはどうであれ、心の中では、泥臭くあってほしい。常に向上心を持って、突き進んでほしい。いつユニホームを脱ぐがわからないから、その1日一瞬を大事に過ごしてほしい」    つづく