引きこもり44歳/草むしり起業:生涯現役1
2015年2月24日 お仕事 転 職 も い い け ど い つ か は や っ ぱ り !!
十 人 十 色 の 『 起 業 家 図 鑑 』を宣伝文句にキャリアザインnet=http://careerzine.jp/article/detail/2411 で掲載されている下記の草むしり起業家のご紹介です
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引 き こ も り を 経 て 4 4 歳 、
『 草 む し り 』 で 起 業 生 涯 現 役 、
6 0 ~ 7 0 代 の ス タ ッ フ と 共 に 汗 を 流 す
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今回は、“草むしり”で起業した宮本成人さんのお話です。44歳で独立するまで、飲食業で店長を勤める等、転職経験は8回。30代後半には、引きこもり、うつ病も経験しました。「好きな仕事をして生きたい」、そう思った矢先に誘われた、草むしりのアルバイト。いい汗を流す清々しさ、きれいになった庭を見て喜ぶお客様の笑顔に、「これだ!」と天職を見付けました。
4 4 歳 、「 草 む し り 」 で 起 業
転 職 8 回 目 に 天 職 を つ か む
群馬県前橋市で“草むしり”を生業とする、その名も、株式会社草むしりの宮本成人さん。44歳で起業するまで、転職を8回経験した。
ある時、「草むしりのアルバイトをしてみないか?」と誘われたのをきっかけに、「太陽の下でカラダを使って汗を流し、『探していた仕事は、これだ!』と実感しました」
草むしりや植木の剪定等、庭の手入れを仕事とし、雨の日も風の日も、7時30分の始業から日が暮れるまで働く。同社で働く従業員は62歳から78歳までの7名、剪定業、建具職人等、さまざまな経験を活かしている。
「やる気があれば、年齢は関係ありません。始業は7時30分なのですが、皆さんはいつも6時前に出社。時間を気にして働くのでなく、自分がやりたいから来てくれる。人の役に立つことが“生きがい”なのかもしれません」
定年が60歳、または65歳と言われる昨今、70代になっても元気に働く姿には憧れる。宮本さんも「生涯現役、85歳まで働きたい」と刺激を受ける毎日だ。開業から6年が経ち、「商品は、僕たち自身」と断言。
「プロなので、庭をきれいにするのは当たり前。また、値段でお客様に選んでいただくつもりもないので、価格の安さは売りにしていません。『任せておけば安心』と思っていただける事を仕事の価値としたい」
飲 食 店 の フ ラ ン チ ャ イ ズ で 独 立 を 目 指 す が 、
3 7 歳 で は じ め て の 挫 折
宮本さんは1965年、長野市に生まれた。高校で山岳部、大学で日本拳法部に所属、4年次には日本拳法で全国チャンピオンになった。
「“憲法”部だと思って門をくぐったら、そこは“拳法”部(笑)。怖い先輩方に囲まれ、入部の判を押すしかなくて。体重が筋肉で10キロも増えるほど、先輩方にしごかれました」
卒業後は地元の企業に就職するが、「個性を発揮できず、馴染めない」と2年で退職。その後、カナダで日本拳法協会の海外指導員として2年間働いた。帰国後、地元長野へのオリンピック誘致に携わる。26歳の時、ケンタッキー・フライド・チキンのフランチャイズ店で働き始め、飲食業にやりがいを感じて「定年まで勤め上げよう」と決心。それから11年間、店長になった店は売上日本一を達成した。
「当時は若かったので、『自分の力で、良い成績を出せた。会社に勤めていなくても自分の力でやっていける』と思い、独立することにしました」
貯金を叩いて飲食フランチャイズの加盟金を支払い、研修にも通った。3月に会社を辞め、4月に準備、5月には開店するというつもりでいた。ところが、不動産屋を巡っても、物件が全然見つからない。
「実績や肩書きが何もなかったので、不動産屋さんが誰も相手にしてくれず、紹介してくれる物件はイマイチな所ばかり。気づけば、ゴールデンウィークを迎え、自分でも焦り、家族も『大丈夫なのか?』と。ある時、『もうできない』とギブアップ。それは、人生初めての大きな挫折でした」
その時、37歳。
「それまでは、努力すれば何でも自分の思うようにできたので、独立を決意した時も、上手くいくと信じ込んでいました。ところが初めて、自分で自分を諦めたんですね。それまで37年間積み上げてきた実績や経験が全部パーになって、無職になりました」
そして、実家に引きこもってしまうのだ。そこから宮本さんが立ち上がるまで、しばらく時間が必要だった。
引きこもりから再起、飲食店の店長になるもヤメグセがついていた
37歳で、実家に引きこもった宮本さん。
「過呼吸になるし、家の外に出ることも億劫になっちゃって。人の顔を見るのが怖いんですよ、今で言う“引きこもり”状態。37~38歳といえば、周りは仕事に行っているじゃないですか。でも、自分は家の中で閉じこもったまま、何もやることもなく、会社を辞めたことを後悔するばかりで……」
約半年間、引きこもる日々が続いた後、徐々にハローワークに通えるようになり、飲食チェーンの求人に応募。そして店長経験を買われ、新店長として約1年間働いた。次に別の店を任されることになり、群馬県高崎市に引越した。
「朝から晩まで長時間、必死に働きました。社長からは『近い将来、独立して店をやってみないか』とまで言われていました」
43歳で退職し、次に勤めた会社は35日間で辞めた。「しょっちゅう会社を辞めていたので、『イヤになると辞める』クセが付いていましたね」
その帰りに公園に立ち寄り、芝生に寝転んで青空を見上げると、「好きな仕事を、自分で始めよう」と思い至った。友人から「草むしりのアルバイトをしないか」という電話がかかってきたのは、そんな時だった。
体を使って働くのは気持ちいい 「草むしり.com」を独立開業
忘れもしない43歳、2008年11月、気持ちを新たにアルバイト先へ出掛けた。仕事は、個人宅の草むしりや剪定。
「今まで屋内の仕事が多かったので、外で働くだけでもすごく気持ちがよかった。ちょうど秋で紅葉もきれいで、カラダを使って、いい汗を流しました。お客様が、きれいになったお庭を見て喜び、お茶まで出してくれて帰りに報酬をくださる、こんなにいい仕事はないと思いました」
そして、草むしりを生業にすることを決めた。2009年、ひとり起業で「草むしり.com」を立ち上げる。
「最初は、周囲に『こんなことが仕事になるのか?』とあざ笑われ、僕自身も『草むしりの仕事はあるだろうか』と半信半疑だったのですが、いざ始めてみると、すごく需要がありました」
初めて草むしりの依頼が舞い込んだ時、まだ道具もトラックもなかった。後日届いたアンケートに、「二度と利用したくない」と書かれたこともあった。大きなショックを受けた宮本さんは、机の前にそのアンケートを貼り、「これを笑い話に出来るくらいに頑張ろう」と奮起。
「実家が農家だったので、小さい頃から草むしりには慣れていましたが、実はとても奥が深かった。やはり上手く草むしりをするには、それなりの技術がいりました」
その頃に入社した20歳以上年上の竹内義男さんと現場で作業を積み重ね、独自のノウハウを確立していった。 つづく
十 人 十 色 の 『 起 業 家 図 鑑 』を宣伝文句にキャリアザインnet=http://careerzine.jp/article/detail/2411 で掲載されている下記の草むしり起業家のご紹介です
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引 き こ も り を 経 て 4 4 歳 、
『 草 む し り 』 で 起 業 生 涯 現 役 、
6 0 ~ 7 0 代 の ス タ ッ フ と 共 に 汗 を 流 す
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今回は、“草むしり”で起業した宮本成人さんのお話です。44歳で独立するまで、飲食業で店長を勤める等、転職経験は8回。30代後半には、引きこもり、うつ病も経験しました。「好きな仕事をして生きたい」、そう思った矢先に誘われた、草むしりのアルバイト。いい汗を流す清々しさ、きれいになった庭を見て喜ぶお客様の笑顔に、「これだ!」と天職を見付けました。
4 4 歳 、「 草 む し り 」 で 起 業
転 職 8 回 目 に 天 職 を つ か む
群馬県前橋市で“草むしり”を生業とする、その名も、株式会社草むしりの宮本成人さん。44歳で起業するまで、転職を8回経験した。
ある時、「草むしりのアルバイトをしてみないか?」と誘われたのをきっかけに、「太陽の下でカラダを使って汗を流し、『探していた仕事は、これだ!』と実感しました」
草むしりや植木の剪定等、庭の手入れを仕事とし、雨の日も風の日も、7時30分の始業から日が暮れるまで働く。同社で働く従業員は62歳から78歳までの7名、剪定業、建具職人等、さまざまな経験を活かしている。
「やる気があれば、年齢は関係ありません。始業は7時30分なのですが、皆さんはいつも6時前に出社。時間を気にして働くのでなく、自分がやりたいから来てくれる。人の役に立つことが“生きがい”なのかもしれません」
定年が60歳、または65歳と言われる昨今、70代になっても元気に働く姿には憧れる。宮本さんも「生涯現役、85歳まで働きたい」と刺激を受ける毎日だ。開業から6年が経ち、「商品は、僕たち自身」と断言。
「プロなので、庭をきれいにするのは当たり前。また、値段でお客様に選んでいただくつもりもないので、価格の安さは売りにしていません。『任せておけば安心』と思っていただける事を仕事の価値としたい」
飲 食 店 の フ ラ ン チ ャ イ ズ で 独 立 を 目 指 す が 、
3 7 歳 で は じ め て の 挫 折
宮本さんは1965年、長野市に生まれた。高校で山岳部、大学で日本拳法部に所属、4年次には日本拳法で全国チャンピオンになった。
「“憲法”部だと思って門をくぐったら、そこは“拳法”部(笑)。怖い先輩方に囲まれ、入部の判を押すしかなくて。体重が筋肉で10キロも増えるほど、先輩方にしごかれました」
卒業後は地元の企業に就職するが、「個性を発揮できず、馴染めない」と2年で退職。その後、カナダで日本拳法協会の海外指導員として2年間働いた。帰国後、地元長野へのオリンピック誘致に携わる。26歳の時、ケンタッキー・フライド・チキンのフランチャイズ店で働き始め、飲食業にやりがいを感じて「定年まで勤め上げよう」と決心。それから11年間、店長になった店は売上日本一を達成した。
「当時は若かったので、『自分の力で、良い成績を出せた。会社に勤めていなくても自分の力でやっていける』と思い、独立することにしました」
貯金を叩いて飲食フランチャイズの加盟金を支払い、研修にも通った。3月に会社を辞め、4月に準備、5月には開店するというつもりでいた。ところが、不動産屋を巡っても、物件が全然見つからない。
「実績や肩書きが何もなかったので、不動産屋さんが誰も相手にしてくれず、紹介してくれる物件はイマイチな所ばかり。気づけば、ゴールデンウィークを迎え、自分でも焦り、家族も『大丈夫なのか?』と。ある時、『もうできない』とギブアップ。それは、人生初めての大きな挫折でした」
その時、37歳。
「それまでは、努力すれば何でも自分の思うようにできたので、独立を決意した時も、上手くいくと信じ込んでいました。ところが初めて、自分で自分を諦めたんですね。それまで37年間積み上げてきた実績や経験が全部パーになって、無職になりました」
そして、実家に引きこもってしまうのだ。そこから宮本さんが立ち上がるまで、しばらく時間が必要だった。
引きこもりから再起、飲食店の店長になるもヤメグセがついていた
37歳で、実家に引きこもった宮本さん。
「過呼吸になるし、家の外に出ることも億劫になっちゃって。人の顔を見るのが怖いんですよ、今で言う“引きこもり”状態。37~38歳といえば、周りは仕事に行っているじゃないですか。でも、自分は家の中で閉じこもったまま、何もやることもなく、会社を辞めたことを後悔するばかりで……」
約半年間、引きこもる日々が続いた後、徐々にハローワークに通えるようになり、飲食チェーンの求人に応募。そして店長経験を買われ、新店長として約1年間働いた。次に別の店を任されることになり、群馬県高崎市に引越した。
「朝から晩まで長時間、必死に働きました。社長からは『近い将来、独立して店をやってみないか』とまで言われていました」
43歳で退職し、次に勤めた会社は35日間で辞めた。「しょっちゅう会社を辞めていたので、『イヤになると辞める』クセが付いていましたね」
その帰りに公園に立ち寄り、芝生に寝転んで青空を見上げると、「好きな仕事を、自分で始めよう」と思い至った。友人から「草むしりのアルバイトをしないか」という電話がかかってきたのは、そんな時だった。
体を使って働くのは気持ちいい 「草むしり.com」を独立開業
忘れもしない43歳、2008年11月、気持ちを新たにアルバイト先へ出掛けた。仕事は、個人宅の草むしりや剪定。
「今まで屋内の仕事が多かったので、外で働くだけでもすごく気持ちがよかった。ちょうど秋で紅葉もきれいで、カラダを使って、いい汗を流しました。お客様が、きれいになったお庭を見て喜び、お茶まで出してくれて帰りに報酬をくださる、こんなにいい仕事はないと思いました」
そして、草むしりを生業にすることを決めた。2009年、ひとり起業で「草むしり.com」を立ち上げる。
「最初は、周囲に『こんなことが仕事になるのか?』とあざ笑われ、僕自身も『草むしりの仕事はあるだろうか』と半信半疑だったのですが、いざ始めてみると、すごく需要がありました」
初めて草むしりの依頼が舞い込んだ時、まだ道具もトラックもなかった。後日届いたアンケートに、「二度と利用したくない」と書かれたこともあった。大きなショックを受けた宮本さんは、机の前にそのアンケートを貼り、「これを笑い話に出来るくらいに頑張ろう」と奮起。
「実家が農家だったので、小さい頃から草むしりには慣れていましたが、実はとても奥が深かった。やはり上手く草むしりをするには、それなりの技術がいりました」
その頃に入社した20歳以上年上の竹内義男さんと現場で作業を積み重ね、独自のノウハウを確立していった。 つづく