100年の歳月を生涯現役で貫いた俳優
2015年2月10日 お仕事 1 0 0 年 の 歳 月 を
生 涯 現 役 と し て 生 き 抜 い た 俳 優
2月10日は、ロシア演劇・映画界の至宝ウラジーミル・ゼリヂンの100歳の誕生日だ。この記念すべき一世紀の歳月を彼は、すでに70年弱その舞台に立ってきたモスクワのロシア中央軍劇場の舞台で迎える。初演される演目の題名は「100年の歳月、あるいは時間とのダンス」で、彼の記念日のために特別に準備されたものだ。タイトルに「ダンス」が入っているのは決して偶然ではない。お芝居は、観客達を、ゼリヂンが一千回以上も演じたスペインの劇作家ロペ・デ・ヴィガの有名な喜劇「ダンス教師」を思い起こさせる。
ゼリヂンは、伝説の人、世紀の人と呼ばれるが、これは決して誇張ではない。彼は、帝政ロシアの時代1915年に生まれ、少年・青年時代は革命と内戦を経験、若くして第二次世界大戦に巻き込まれ、自ら銃を持って戦った。その後は、ソ連のあらゆる出来事の、更には新生ロシア誕生の生き証人となった。
そして21世紀になった今も、ゼリヂンは、舞台を下りることなく、現役の俳優であり続けている。彼は、そのエネルギーと芸術性によって、劇団全体、後進の俳優たちの模範となっている。
彼はその生涯において、たくさんの創造的成功と栄光に恵まれた。映画では60を越す主要な役柄をこなし、所属する軍劇場の舞台では50を超える役を演じた。1941年、彼は初めて映画「豚飼い女と羊飼い」に出演、大変な成功を収めた。彼が演じた、抑えきれない熱情を持ち、愛する女性のためなら何でもする覚悟がある羊飼いの青年は、ソ連中を魅了し、彼は一躍大スターとなった。 しかし、ゼリヂン自身が、最も気に入っている役柄は「ラマンチャの男」のドンキホーテだという。この芝居は、すでに何年も劇場の舞台で上演されているが、いつも多くの観客を集めている。
彼は「自分とドンキホーテの性格の間に、人間に対してや善良さ、同情、慈悲に関する理解において多くの共通点がある」と認めている。ドンキホーテの名言の中には「自分の魂以外、自分など何もないのだ。渡して残念に思うようなものすべては、歩んでゆく途上の重荷となるだろう」というものがある。これはまさに、伝説の名優ゼリヂンの生きる原則でもある。
ゼリヂン自身、これだけ長い歳月を、生き抜き、かつ芝居を続けていることについて、次のように話している―
「私は、大変長い年月を生きてきました。はっきり分かっているのは、もし神が私を生かしているのであれば、つまりこれは私がまだ、やるべき事をすべてし終わっていない、ということです。」
なお「生誕100周年に際して、あなたにとって最も素晴らしいプレゼントは何か?」との質問に対し、ゼリヂンは「100年もの命を頂けたこと、それ自体がかけがえのない贈り物です」と答えた。
ご参考URL= http://japanese.ruvr.ru/2015_02_10/282787678/
生 涯 現 役 と し て 生 き 抜 い た 俳 優
2月10日は、ロシア演劇・映画界の至宝ウラジーミル・ゼリヂンの100歳の誕生日だ。この記念すべき一世紀の歳月を彼は、すでに70年弱その舞台に立ってきたモスクワのロシア中央軍劇場の舞台で迎える。初演される演目の題名は「100年の歳月、あるいは時間とのダンス」で、彼の記念日のために特別に準備されたものだ。タイトルに「ダンス」が入っているのは決して偶然ではない。お芝居は、観客達を、ゼリヂンが一千回以上も演じたスペインの劇作家ロペ・デ・ヴィガの有名な喜劇「ダンス教師」を思い起こさせる。
ゼリヂンは、伝説の人、世紀の人と呼ばれるが、これは決して誇張ではない。彼は、帝政ロシアの時代1915年に生まれ、少年・青年時代は革命と内戦を経験、若くして第二次世界大戦に巻き込まれ、自ら銃を持って戦った。その後は、ソ連のあらゆる出来事の、更には新生ロシア誕生の生き証人となった。
そして21世紀になった今も、ゼリヂンは、舞台を下りることなく、現役の俳優であり続けている。彼は、そのエネルギーと芸術性によって、劇団全体、後進の俳優たちの模範となっている。
彼はその生涯において、たくさんの創造的成功と栄光に恵まれた。映画では60を越す主要な役柄をこなし、所属する軍劇場の舞台では50を超える役を演じた。1941年、彼は初めて映画「豚飼い女と羊飼い」に出演、大変な成功を収めた。彼が演じた、抑えきれない熱情を持ち、愛する女性のためなら何でもする覚悟がある羊飼いの青年は、ソ連中を魅了し、彼は一躍大スターとなった。 しかし、ゼリヂン自身が、最も気に入っている役柄は「ラマンチャの男」のドンキホーテだという。この芝居は、すでに何年も劇場の舞台で上演されているが、いつも多くの観客を集めている。
彼は「自分とドンキホーテの性格の間に、人間に対してや善良さ、同情、慈悲に関する理解において多くの共通点がある」と認めている。ドンキホーテの名言の中には「自分の魂以外、自分など何もないのだ。渡して残念に思うようなものすべては、歩んでゆく途上の重荷となるだろう」というものがある。これはまさに、伝説の名優ゼリヂンの生きる原則でもある。
ゼリヂン自身、これだけ長い歳月を、生き抜き、かつ芝居を続けていることについて、次のように話している―
「私は、大変長い年月を生きてきました。はっきり分かっているのは、もし神が私を生かしているのであれば、つまりこれは私がまだ、やるべき事をすべてし終わっていない、ということです。」
なお「生誕100周年に際して、あなたにとって最も素晴らしいプレゼントは何か?」との質問に対し、ゼリヂンは「100年もの命を頂けたこと、それ自体がかけがえのない贈り物です」と答えた。
ご参考URL= http://japanese.ruvr.ru/2015_02_10/282787678/