「生涯現役社会」での公共と税 のあり方
2013年4月6日 お仕事 本日午後、中央学院大学教授・前消費者庁長官福嶋裕彦先生のご講演を拝聴した。テーマは「新時代の民と公共と税のあり方」だった。明確な人口減少社会と向き合う時代である以上、地域社会もその縮小に見合う工夫・努力が必要であることを力強く教えられた。
そのためには新たな成長事業を興せる民活の重要性、何よりも「箱モノ」政策一辺倒で数量を厖大化させた公共施設の更新問題が喫緊の課題となり、習志野市などは施設数を減らして質を高める方針を打ち出しているという。
前世紀右肩上がりの時代には、縦組織で指示命令に従順な官僚機構で運営できた社会も、超高齢パラダイムチェンジの発想転換ができない官僚組織の受身議論では否定意識に終始して、時代変化に適応できない。
新時代の社会を幸せにする民活は、民力の効果的連携を積極的に発想すべきで、地域の人たちが独自に工夫する分権主体の時代が到来している。その意味で我孫子市長時代に既得権の見直しを断行した成果が高く評価されている。
「『生涯現役社会』での公共と税のあり方」をテーマに考えるとき、市民自治の基本精神を根底にもつ「生涯現役社会づくり」には福嶋哲学に立脚した理論展開は不可欠であり、ご講演を拝聴しながら、第18回生涯現役フォーラムへのご尽力をぜひお願いしたいと確信した。
そこで、福嶋浩彦先生ご略歴と本日配布資料を以下ご紹介したい。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
【福嶋浩彦先生プロフィール】
1956年鳥取県生まれ。1983年我孫子市議会議員。1995年38歳で我孫子市長に当選、2007年1月迄連続3期12年務め、この間全国青年市長会会長、福祉自治体ユニット代表幹事等歴任。我孫子市補助金の市民審査、市職員採用での民間試験委員、常設型市民投票条例、コミュニティビジネスの育成、市民債による自然環境保全、提案型公共サービス民営化等、市民自治理念の自治体経営に取り組む。退任後は、中央学院大学社会システム研究所教授、東京財団上席研究員等。2010年8月第2代消費者庁長官就任。消費者安全法改正等に取り組む。2010年8月2年任期を終え、現在中央学院大学社会教授に復帰している。
著書に『市民自治の可能性~NPOと行政 我孫子市の試み』(ぎょうせい・2005年)、『公会計改革~ディスクロージャーが「見える行政」をつくる』(共著、日本経済新聞社版・2008年)等
【ご講演内容資料】
新 時 代 の 民 と 公 共 と 税 の あ り 方
◎ こ れ か ら 、 自 治 と 分 権 が 本 当 に 必要 に な る
歴史的に初めて人口減少社会を迎えている
人口が減り、一方で社会に物が溢れている中で、成長をすべての価値の基本においた発想は通用しない。右肩上がり前提の地域の仕組みを根本的に変える必要がある。
地域の経済やサービスを拡大するには、国の成長戦略に乗った方が有効な面もあった。
生活者の視点で質を高めながら、地域の仕組みをうまく小さくしていくには、地域の状況に応じて、自分たちの頭で考え、創意工夫し、自らの責任で地域の設計をしていくしかない。
◎ 「 住 民 が 決 め る 」 が 自 治 の 土 台
税の使い方をはじめとした政府の決定を、国では選挙で選ばれた代表者が行う。
自治体では代表者(首長・議会)だけでなく、いざとなったら住民自らが直接行う。
1)住民は、住民投票によって首長・議会を解任できる(リコール・解散)
2)住民は、条例案を提案できる。(条例の直接請求)
3)住民は、自治体の財務行為を納税者として追求する(住民監査請求・住民訴訟)
4)住民だけが特別法の制定に同意できる(特別法の住民請求)
5)首長・議会は、住民と対話したうえで意思決定する(住民参加)
6)住民は、首長・議会の意思を是正する(常設型住民投票)
◎ 受 益 と 負 担 が 住 民 に 見 え る こ と が 大 切
行政が何をしても何をしなくても住民の税負担は同じ ➜住民は当然、サービスの拡大を要求➜未来への増税となる。
1)自治体の税が変動し、受益と負担の関係が住民に見えることが大切
2)税などの条例へ住民の直接請求権は拡大し、受益と負担の自己決定を
3)自治体は借金が必要なら、自らの権限と責任で行わなければならない。
◎ 市 場 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ ・ 行 政 の 関 係 を 最 適 化 す る
従来の公共は、主権者の意思と離れた官が、一方的な決定権を持って公共を仕切り、自らの都合で民間(企業・NPO等)に下請けに出してきた。
1)行政の一方的な決定権を排除し、民間との対話を通して「コスト」より「質」で民間へ
2)「行政が出したいもの」ではなく「民間がやりたいもの」を民間へ
3)「質」を測る物差しも行政が一方的に決めず、民間から提案
主権者の意思に基づく行政が、民間と真摯に対話し、合意した適切な役割分担と連携により地域を創っていく。
そのためには新たな成長事業を興せる民活の重要性、何よりも「箱モノ」政策一辺倒で数量を厖大化させた公共施設の更新問題が喫緊の課題となり、習志野市などは施設数を減らして質を高める方針を打ち出しているという。
前世紀右肩上がりの時代には、縦組織で指示命令に従順な官僚機構で運営できた社会も、超高齢パラダイムチェンジの発想転換ができない官僚組織の受身議論では否定意識に終始して、時代変化に適応できない。
新時代の社会を幸せにする民活は、民力の効果的連携を積極的に発想すべきで、地域の人たちが独自に工夫する分権主体の時代が到来している。その意味で我孫子市長時代に既得権の見直しを断行した成果が高く評価されている。
「『生涯現役社会』での公共と税のあり方」をテーマに考えるとき、市民自治の基本精神を根底にもつ「生涯現役社会づくり」には福嶋哲学に立脚した理論展開は不可欠であり、ご講演を拝聴しながら、第18回生涯現役フォーラムへのご尽力をぜひお願いしたいと確信した。
そこで、福嶋浩彦先生ご略歴と本日配布資料を以下ご紹介したい。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
【福嶋浩彦先生プロフィール】
1956年鳥取県生まれ。1983年我孫子市議会議員。1995年38歳で我孫子市長に当選、2007年1月迄連続3期12年務め、この間全国青年市長会会長、福祉自治体ユニット代表幹事等歴任。我孫子市補助金の市民審査、市職員採用での民間試験委員、常設型市民投票条例、コミュニティビジネスの育成、市民債による自然環境保全、提案型公共サービス民営化等、市民自治理念の自治体経営に取り組む。退任後は、中央学院大学社会システム研究所教授、東京財団上席研究員等。2010年8月第2代消費者庁長官就任。消費者安全法改正等に取り組む。2010年8月2年任期を終え、現在中央学院大学社会教授に復帰している。
著書に『市民自治の可能性~NPOと行政 我孫子市の試み』(ぎょうせい・2005年)、『公会計改革~ディスクロージャーが「見える行政」をつくる』(共著、日本経済新聞社版・2008年)等
【ご講演内容資料】
新 時 代 の 民 と 公 共 と 税 の あ り 方
◎ こ れ か ら 、 自 治 と 分 権 が 本 当 に 必要 に な る
歴史的に初めて人口減少社会を迎えている
人口が減り、一方で社会に物が溢れている中で、成長をすべての価値の基本においた発想は通用しない。右肩上がり前提の地域の仕組みを根本的に変える必要がある。
地域の経済やサービスを拡大するには、国の成長戦略に乗った方が有効な面もあった。
生活者の視点で質を高めながら、地域の仕組みをうまく小さくしていくには、地域の状況に応じて、自分たちの頭で考え、創意工夫し、自らの責任で地域の設計をしていくしかない。
◎ 「 住 民 が 決 め る 」 が 自 治 の 土 台
税の使い方をはじめとした政府の決定を、国では選挙で選ばれた代表者が行う。
自治体では代表者(首長・議会)だけでなく、いざとなったら住民自らが直接行う。
1)住民は、住民投票によって首長・議会を解任できる(リコール・解散)
2)住民は、条例案を提案できる。(条例の直接請求)
3)住民は、自治体の財務行為を納税者として追求する(住民監査請求・住民訴訟)
4)住民だけが特別法の制定に同意できる(特別法の住民請求)
5)首長・議会は、住民と対話したうえで意思決定する(住民参加)
6)住民は、首長・議会の意思を是正する(常設型住民投票)
◎ 受 益 と 負 担 が 住 民 に 見 え る こ と が 大 切
行政が何をしても何をしなくても住民の税負担は同じ ➜住民は当然、サービスの拡大を要求➜未来への増税となる。
1)自治体の税が変動し、受益と負担の関係が住民に見えることが大切
2)税などの条例へ住民の直接請求権は拡大し、受益と負担の自己決定を
3)自治体は借金が必要なら、自らの権限と責任で行わなければならない。
◎ 市 場 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ ・ 行 政 の 関 係 を 最 適 化 す る
従来の公共は、主権者の意思と離れた官が、一方的な決定権を持って公共を仕切り、自らの都合で民間(企業・NPO等)に下請けに出してきた。
1)行政の一方的な決定権を排除し、民間との対話を通して「コスト」より「質」で民間へ
2)「行政が出したいもの」ではなく「民間がやりたいもの」を民間へ
3)「質」を測る物差しも行政が一方的に決めず、民間から提案
主権者の意思に基づく行政が、民間と真摯に対話し、合意した適切な役割分担と連携により地域を創っていく。