人はそれぞれ生まれつき育った環境の生き方がある。商売人の子は何となく親の後姿から独立タイプで育ち、組織型適応のサラリーマンタイプには馴染みにくいといわれる。だからサラリーマン人生から転身独立して成功できる確率は、30年前の右肩上がり経済環境下でも3年以上継続する起業家の成功率は3%程度といわれていたから、「生涯現役」をライフワークにするのもそう気楽ではなかった。

  まずは25年間のサラリーマン稼業で身に付けた「寄らば大樹の陰」的な処世術を、私自身はキッパリと廃棄することに専念。そのために心得るべきはサラリーマン感覚の垢落としを最優先に安易な組織頼り依存心を捨てて、自助・自立主義の「生涯現役」活動をテーマにする仲間との研究成果をライフワークにすることとした。

  何といってもこれからは超高齢社会。年齢別人口構成も過去のピラミッド型から逆転する逆ピラミッドに近い団塊世代層の上部が膨らんだ円筒型になってきた。この上部膨張円筒型人口構成を現在EU欧州諸国で問題化している移民政策でわが国が解決できるのなら問題はない。単一民族で過去にブラジル移民政策の海外移民実績はあっても、東南アジアなどの国内移民政策は国民感情上同意は難しかろう。

  ならば「最大の超高齢社会対策は何か」に提言できる 民・産・学・官 のアイデアを真剣に公募してでも世論の同意を得られる解決策を具体化するのが急務だと思うが、未だ国民を巻き込む御輿らしい姿は見えてこない。私たちが強調する『生涯現役社会づくり』をめざす元気シニア84%の出番づくり「生涯現役」ライフワークの幸せを立証できる事例存在感が、余りにも極小活動だからである。

  しかし何よりも最大の幸運は、「生涯現役社会づくり」の必然的時流として今後も20~30年間止むことなくわが国民に決断を促す順風となり、吹き荒れるのは火を見るよりも明らかだ。すでに一部の官僚筋から「エイジレス社会」の必要性を訴え始めているのを耳にしているが、残念ながら日本国民に「エイジレス社会」と「生涯現役社会」とが全く同一語意に受け取られるとは限らない。

  国際通用語としての「エイジレス」はマスコミ評論用語には通用するかもしれないが、こと日本の超高齢社会での元気シニアパワーが“現”に“役立つ”社会貢献活動として立ち上がってほしいならば、日本人固有のDNAに訴え得る「生涯現役社会」が表すSocial Active Service 的語意も含まれてないと意味がない。

  その能動的な「生涯現役社会づくり」を志して、私たち『生涯現役プロデューサー』登録者の忍耐強い仲間たちがたとえ現状は未だ地道な小集団でも、全員持味を活かすライフワークで取組みつつあるわが国の超高齢時代21世紀は、夢と希望に満ちた世界に誇れる国民主導の「生涯現役社会づくり」構築に堂々とつながると確信している。 (つづく)