日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  で 
                ご  支  援  く  だ  さ  る   会  員  皆  様


 本5月24日付の日本経済新聞朝刊「大機小機」欄で、茶柱氏が「しなやかな会社」日本企業を「し・な・や・か・な・会社」として掲載していることを五月理事会の席上で紹介した。

 宮沢賢治の詩、雨ニモマケズ、風ニモマケズ。日本企業は近年、まことに打たれ強くなった・・・と。

 2014年度は、日本経済がマイナス成長に沈むなか、法人企業統計の企業収益は増益と、粘り腰を見せた。マイナス成長下の増益は戦後初といい、日本企業が海外で本格的にもうける節目の年となった。

 2017年3月期、今度は上場企業の決算が減収なのに、最高益になった。減収・最高益は少なくとも今世紀初。ニッポン株式会社は損益分岐点を下げ、ぐっと低重心になった。

 強さの根底にある経営の視点は何だろう。稼ぐ会社の5つのパターンを、筆者は「し・な・や・か・な会社」論として唱えている。

 しなやかの「し」は、消費者目線の「し」である。いいものさえ作れば売れるはず、ではなく、お客が欲しいものを作る。マーケット・インへの発想転換は簡単なようで難しい。海外で成功している国内食品メーカーの徹底した現地化は、良いお手本になる。

 「な」は、なくてはならない会社の「な」だ。分野を絞って圧倒的シェアをとる。あるいは、この商品やサービスを使えばあなたの人生が豊かになりますよと、お客に物語を伝える。こういう会社は価格競争に巻き込まれにくい。

 「や」は役割分担。異分野が溶け合い、技術革新が猛スピードで進む時代に、なんでも自前主義は到底通じない。他社と組み、魅力的な事業プラットフォームを世に問い、さらに仲間を増やしていけるか。内にこもったら負け、と思う。

 「か」は環境変化に合わせた変わり身の術で、最後が、長~く愛しての「な」。部品やアフターケア、IoTでお客を囲い込む会社の強さは長続きする。

 5つの経営の視点のうち、今、一番大事だと感じるのが「や」である。日本企業の研究開発費は、対国内総生産(GDP)比で米独より多いのに、利益や生産性の向上につながりにくく、惜しい。オープン・イノベーションの発想で、他社と上手に手を組むのが苦手なせいだろう。

 生前、禅や日本庭園を愛したスティーブ・ジョブズ。異文化を貪欲に吸収し、新しいものを生み出そうとする姿勢は、今も共感を呼ぶ。それは、低重心になったニッポン株式会社が次に高く跳ぶためのヒントでもある。(茶柱)

 以上から学ぶべきものは何か?・・・これがわが日本生涯現役推進協議会の面々が、謙虚に己が名称に恥じない「しなやかな日本生涯現役推進協議会」や否やを自己評価する時、自ら襟を正してどうゆう日々の言動で成果を示せるか、それが実績として社会から評価されてこそ一歩でも本物に近づくことである。