日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  で 
                ご  支  援  く  だ  さ  る   会  員  皆  様


  本日付け日経新聞夕刊「あすへの話題」欄に、アサヒグループホールディングス会長:泉谷直木氏が「何でも三段活用表」の効能法を熱心に力説しておられるのに興味を覚えましたので、下記にご紹介します。
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 【 み る ・ き く ・ お も う 】

  「少年老い易く学なり難し、一寸の光陰軽んずべからず」とは朱子の言葉である。寸暇を惜しんで常に勉強していなければ、すぐに年をとってしまうぞとの学問の勧めである。若いころは思い出すことはなかったが、30代で管理職になった頃からこの言葉が自分への警句として重くのしかかるようになった。自分の人生の先行きを考えるようになったからだ。しかし仕事は忙しくゆっくりと勉強をしている時間ははなかった。それでも何とかしなければと工夫して編み出したのが「何でも三段活用法」だ。日常的に無意識に行ている行動に意味を持たせ、自分磨きに挑戦していくことにした。

  例えば、目に見えている「見る」から意図をもって「視る」に、そして全体像をとらえる「観る」に視座を上げていく。耳に聞こえている「聞く」から相手に尋ねることを含めた「訊く」に、そして聞いた内容を理解してそれに応える「聴く」へと論点を高めていく。単に思い浮かべるだけの「思う」から大切なものとして気にかける「想う」に、さらに実現することを強く願う「念う」へと意欲を引き上げていく。この勉強法のおかげで50代、60代と馬齢を重ねてきたが、若い時代の意欲を失わずに人生を送ってこられた。

  またこの勉強法は多方面に活用できた。上司と部下とのコミュニケーション、企業としてのマーケティング論、戦略論、そして組織運営にも活かすことができた。物事の解にはその課題にしか解決できない「個別解」と原理原則を押さえることで、すべての課題解決に対応できる「普遍解」がある。先行きに夢が描けない若者がいると聞くが、「何でも三段活用法」で「普遍解」をつかむ方法を試してみてはいかがだろうか。

【泉谷 直木(いずみや なおき)氏:略歴:代表取締役会長 兼 CEO。昭和47年4月当社入社 、平成12年3月当社執行役員グループ経営戦略本部長 、平成12年10月当社執行役員戦略企画本部長 、平成13年9月当社執行役員首都圏本部副本部長兼東京支社長 、平成15年3月当社取締役
平成16年3月当社常務取締役 、平成18年3月当社常務取締役兼常務執行役員酒類本部長 、平成21年3月当社専務取締役兼専務執行役員 、平成22年3月当社代表取締役社長 、平成26年3月当社代表取締役社長兼CEO 、平成28年3月当社代表取締役会長兼CEO (現在に至る) 】