日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
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知見メール251号「 『既存のものの見方を変える』ヒント」

上海に赴任してすぐに、上海領事館のHPにあるメールマガジンに登録しました。何かあった時に、外務省からの情報を得るためです。

このメルマガで、今年になってから「ゴルゴ13」の漫画による、安全対策マニュアルが案内されています。

狙いは、情報やノウハウが少ない、中堅・中小企業の海外安全対策の
強化だそうです。

現在、第7話。
PDFで漫画を読むことができ、その解説を外務省の局長さんがしている動画が、YouTubeにアップされています。
私は、元々「ゴルゴ13」を愛読書にしていましたので、結構面白く読めます。実物は、以下のURLからご覧いただけます。
http://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html

外務省も頑張っていますね。

さて、今回は、私が先日、ランチを食べに行きました、ユニークな食堂をご紹介させていただきます。

未来食堂という店名です。
いろいろな面白い仕組みがあります。(以下、未来食堂のHPより)

「あつらえ」
未来食堂では、通常の定食でお出しする小鉢をあつらえることが出来ます。壁に記載している材料から選んだり、「温かいものが食べたい」「ちょっと喉が痛い」「今日は良いことがあった」などの、気分や体調に合わせたあつらえも可能です。
(あつらえ一点につき 400円。食材は2つまでお選び頂けます)

「ただめし」
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。
未来食堂には、50分のお手伝いで一食もらえる"まかない"制度があります。ただめし券は、"まかない"をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった一食です。

「まかない」
50分のお手伝いで一食さし上げます。一緒に働いて、本当のまかないを食べてみませんか?

「さしいれ」
カウンターに置いてある飲み物を自由に飲むことが出来ます。未来食堂では飲み物の持ち込みが出来、そのかわり持ち込んだ半分を頂きます。カウンターに置いてある飲み物は誰かからの頂き物です。自由にお飲み下さい。

如何ですか?どれも、聞いたことがないものばかりです。

また、未来食堂のHPには、事業計画書原本と月次決算を速報/確報に分け公開されています。月次の数字が公開されている飲食店など聞いたことがありません。

ちなみに、3月の月次決算速報値に関するサマリーは以下のように書かれています。

「2017年3月実績は売上高が1019千円、売上総利益が777千円となりました。2月末のメディア出演(テレビ東京様「ガイアの夜明け」)に伴う客足増の影響が大きくプラスに影響しました。
店主が出産間近ということでオペレーションの簡略化を図り、当月14日より通常の定食を休止し500円定食を開始いたしました。こちらはマイナス影響が懸念されておりましたが、お客様一人あたり売上の減少は当初予想より少なく、売上高は1000千円を超える水準になりました。売上高原価率は引き続き貸切などの件数が多く、24%と比較的低位を維持してございます。」

売上と原価を明示しています。ある意味、あり得ないです。

こんなユニークなお店を経営しているのは、小林せかいさん。(本名です)

せかいさんは、東工大理学部数学科卒後、日本IBM&クックパッドで計6年間エンジニアとして勤務されました。
退職後、サイゼリヤ/大戸屋/オリジン弁当/老舗仕出屋など様々な厨房で修行を積み、未来食堂を開業されます。この開業までの出来事もブログにアップされています。

詳細は、以下のお店のHPをご確認ください。http://miraishokudo.com/

尚、せかいさんは現在、産休中で5月29日までお店はお休みです。

本を4冊出されているので、これらを読むとせかいさんの考え方を知ることができると思います。

個人的にお薦めは、「やりたいことがある人は未来食堂に来てください」(祥伝社)です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4396615981

この本の冒頭で、せかいさんは、「未来食堂のあり方に驚く方も多いのですが、でも一つひとつはそこまで奇をてらったものではなく『既存のものの見方を変えただけ』にすぎない」と仰っています。

そして、『既存のものの見方を変える』ヒントとして「誰も得しない『当たり前』を見つける」としています。

東瀧さんの会社、業界で、誰も得しない『当たり前』はないでしょうか?