「 百 の 議 論 」 よ り 「 一 の 実 行 」 が 
      今 後 を 左 右 す る ー 「 I o T 経 営 」 時 代 と は

 IoT(Internet of Things)は、これからの20年でどこまで企業を変えるのだろうか。

 ヒントがある。IoTは、インターネット並みの変化を新たに生み出すとも言われる。これまでにインターネットが引き起こしてきた変化を考えることだ。

 今から20年ほど前の1990年代後半、一気に普及したインターネットは世界を変えた。破壊的な変革は今も続いている。

 これからの20年の主役になるだろうIoTは、通信機能を持ったセンサーによって、人間には不可能だったデータの収集を可能にする。人間が簡単には行けない場所、あるいは24時間×365日のデータの測定が、IoTなら可能になる。

 20年前と違うことがほかにもある。コンピューターの心臓ともいうべき、CPUの性能向上だ。CPUの性能は18カ月で2倍になると言われる。20年が過ぎればざっと1万倍の能力向上が実現している。

 IoTを抜きにはあり得なかった社会の変化、新たなビジネスモデルが登場するはずだ。今、日本のどこかで起業に取り組んでいる無名の若者が、世界を動かす人物になるかもしれない。

 ただ、IoT時代にはリスクも増大する。IoTを用いた大量のデバイスが乗っ取られる可能性は否定できない。標的型攻撃、情報漏洩、システム障害といった既存のリスクも、技術の進化によってより悪質で巧妙なものに変わりつつある。リスクを恐れては前進できないが、無視するのは愚かだ。リスクマネジメントの重要性は高まる。

 20年前、インターネットに将来をかけた企業は世界を変えた。まさに今、IoTで世界を変えられるかどうか、全ての企業だけでなく、あなたも試されている。
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          I o T 経 営 時 代 の 新 た な チ ャ ン ス と リ ス ク
         http://mkt.nikkeibp.co.jp/sympo/160622/

  全てのモノがインターネットにつながる「IoT時代」は、生産性向上、顧客満足度向上をはじめ高齢化社会対応などさまざまな企業と社会の問題を解決します。大量に集積されたデータが大きな価値を生み、経済や私たちの生活を変革する原動力となります。まさに「課題先進国」から「課題解決先進国」への強力なキーテクノロジーになります。

  IoTをはじめ、AIやビッグデータといった既存概念を超越した技術の登場によって、世界はデジタル・ディスラプション(破壊的創造)の時代に突入しました。企業経営者は新たな製品やサービス、パートナーシップを創造して、革新的なビジネスモデルを創出することが求められます。そのためには、キーテクノロジーを駆使するデジタル・トランスフォーメーションを経営基盤とすることが必要不可欠です。また一方で、想定外の新たなリスクが生まれることとなり、サイバーセキュリティが経営の大前提となります。

  日経ビジネスでは、この「IoT経営時代」を捉え、Security、IoT、FinTech、AIをテーマに、各分野の第一人者と編集長が緊急提言するシリーズ・シンポジウムを開催します。第1回は4つのテーマをまとめた総論を6月に行い、7月以降に各テーマを掘り下げた専門シンポジウムを経営層、事業責任者、ビジネスキーパーソンに向けた5回連続企画です。どうぞ、この機会にご参加ください。