ヘルスケア産業の最前線 2016
 健 康 寿 命 延 伸 事 業 、
   2 0 1 6 年 度 は 「 生 涯 現 役 社 会 」 な ど が 対 象 に

  経済産業省は2016年3月14日に開催した「ヘルスケア産業の最前線2016」の第2部として、「平成27年度 健康寿命延伸産業創出推進事業成果報告会」を開催した。同事業は2014年度からの3カ年事業として実施されているもの。2013年12月に設置された「次世代ヘルスケア産業協議会」のアクションプランや日本再興戦略を踏まえて、その構想を具体化するヘルスケアビジネスの創出を目的としており、国からの委託を受けた企業・団体がそれぞれのビジネスモデルを検証する。

2015年度の委託事業では、国家的課題へのアプローチとなるヘルスケア創出支援が6件、地域に根差したヘルスケアビジネスの創出支援が21件採用された。

 今回の成果報告会では、前者の国家的課題へのアプローチとして「健康経営に貢献するオフィス環境の事業調査(イトーキ、かっこ内は代表団体、以下同)」「成果報酬型ソーシャルインパクトボンド構築推進事業(公文教育研究会)」が登壇。イトーキの事業はオフィス環境が健康経営に与える影響、公文教育研究会の事業はシニア世代向けの脳トレーニング「脳の健康教室」が認知症予防に役立つかを検証し、事業成果に応じて行政が投資家にリターンを支払う「ソーシャルインパクトボンド」による事業モデルの可能性を報告した。

 後者の地域に根差した創出支援からは、「市民との共創による松本ヘルス・ラボ構築事業(特定非営利活動法人SCOP)」「ながさき介護周辺サービス創出推進事業(くまもと健康支援研究所)」「オムニアプローチによる中小企業家族ぐるみ健康増進プロジェクト(サンキュードラッグ)」「『プチ湯治とヘルスケア』四万せんか(公益財団法人群馬県観光物産国際協会)」が登壇。それぞれ事業の背景と成果目標、事業概要、実際に得られた成果、今後の事業展開を報告した。

 最終年度となる2016年度の同事業の主な対象は、「現役世代を中心とした地域ぐるみでの健康予防の取り組み」「引退後の高齢者に対する『生涯現役社会』構築に向けた取り組み」。2016年4月下旬~5月中旬に委託事業を公募する。