【昨27日の総括記につづくNo.6】
〇 要 支 援 者 を 支 援 す る 人 の 支 援 を !
上原喜光: 全国介護者支援協議会会長
 私ども全国介護者支援協議会がこの2~3年力を入れてやっていることを4つばかりお話ししたいと思います。
 まず東日本大震災への対応をフォローすることで、今岩手県山田町、宮城県女川町の仮設住宅に入っている高齢者や障がい者の方々にタブレットを配りまして、そこで情報提供や見守りを行っています。
もう1つは、堀田先生がおっしゃられた地域包括ケアについて、石巻市と秋田市をピックアップしまして、厚生労働省と総務省と組みまして、「地域包括ケア医療介護連携」ということで、医療・介護関係者だけではなくて、介護する人、介護される人も巻き込んで、それらの人たちにタブレットを全戸に配布しまして、見守り、緊急連絡等を行うことを進めております。
 3つ目は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)について、イベントや、ラジオの放送等により社会の認知度を高めるための活動を行うと共に、ALSを患った人のコミュニケーション支援に取り組んでいます。特に、昨年12月18日には、ALS患者の藤田正裕氏と共に、田村憲久厚労相に会いまして、ALS患者用の意思伝達装置に対する公的助成を要請しました。
 4つ目は、常時取り組んでいる、障がい者も要介護者も含めて、介護する人のサポートをどうしたいいかということに取り組んでいます。今後は、介護する人の待遇改善についても重点的に取り組むことが求められていると認識しています。

〇 今 後 も 生 涯 現 役 社 実 現 の 向 け た 
                着 実 な 取 組 み を こ そ
東瀧邦次: ライフ・ベンチャー・クラブ代表
 以前高連協の人材活性化委員会を担当させていただきましたが、10年経過してその成果を申しあげますと、人材活性化については、ライフ・ベンチャー・クラブで担務しまして、日本生涯現役協議会を創ったことがあります。日本に生涯現役社会ができていっている状況について、私は年々高連協で発表していきたいと思っていますが、その嚆矢としまして昨年初の生涯現役サミットを催しましたことをご報告しておきます。

〇 そ れ ぞ れ の 団 体 の 活 動 の 中 に  
  「 高 齢 者 の 社 会 参 加 」 を ど う 色 濃 く 組 み 合 わ せ る か 。
和久井良一 :高連協参与
 高連協として、内閣府と協力・協調して行う活動に関わって参りました。その中に、最新の「高齢社会対策大綱」の中で「人生90年居場所と出番」という言葉が初めて出てきますが、高連協は、この言葉を大事にしていかなければならない。内閣府の中で見る高連協というのは、提言もするけれど実践もする団体だということです。別に評論をするという意味ではなくて、実践することが大事な位置づけだということです。そのような意味では、今日堀田共同代表がお話になられた地域支援事業の中で高齢者の社会参加ということを高連協に投げかけられましたね。どういう内容になってくるかはこれからのことですが、これを、今いろいろな団体の取組みを紹介されていますが、これらの内容をいかに組み合わせていくかということが高連協にとっても凄く大事なことだと思いますね。
 もう1つ、私が高連協とさわやか福祉財団でやってきたのは市民後見ですけれど、これも地域支援事業の延長を見ていくと、やはり成年後見が出てくる。今日ここにいる方は65歳以上の方が非常に多いと思うのですね。今日の新聞を見ると、10年後認知症が700万人になる。ということになると、ここにおられる方は5人に1人はそういう対象になる。あるいは地域支援事業の支援を受ける立場になるということを頭に入れておくと同時に、行動することが大事だと思います。だから、支えられる前に自分がそれを支える立場になることを高連協としても大事にして、そういう活動事例が団体に拘らず、いろいろな発表をする場になれば高連協の存在がより重要になると思います。

〇 そ の 他
  年齢不問の社会の実現などの発表があったが、割愛する。

〇 さ い ご に
司会者(鷹野義量理事)より、「本当ならば、両代表からご感想をいただくところですが、時間の関係でご割愛させていただきます」と述べたうえで、新年ディベートの締めの挨拶を吉田専務理事に指示。
吉田成良高連協専務理事 本日もまた、沢山のお話ご発言を伺いました。ここに参加された各位も個人として、あるいは団体として参考になるお話が殆どだったと思います。また、高連協としても取り組むべきことが沢山ありました。
  考えてみれば、高連協に関わって17年余り、何かとある問題の中から連合体としての課題をテーマに取り組んできたと思っております。高連協という体制上、できないことも沢山ありますが、何だかんだ言いながらも、お配りした資料のような活動を、高齢者のエゴではなく、「全ての世代のため」を掲げて展開してきたと思います。
 そして、今後とも高齢者(シニア)として、団体・組織として、共有する問題を高連協の課題テーマとして活動していくことが求められるでしょう。皆様ありがとうございました。    以 上 (玉木康平記)