「財政破綻」を『生涯現役社会』で解決(続)
2014年1月12日 お仕事「 財 政 破 綻 」 は 実 際 に ど う い う こ と な の か【続】
夕 張 市 長 鈴 木 直 道(1) (3/3ページ) 2014/1/7 6:30 記事保存
税金をあげれば当然消費は冷え込みます。2010年に発覚したギリシャ危機のときも議論になったように、確かに緊縮財政は必要です。一方でそれだけでは解決しません。
「財政再生団体」になった夕張は負担を増やされ、サービスも削減されたうえに、市民は18年間、ただ借金を返すために暮らしていくことになりました。もちろんこれは北海道や国とも協議し、夕張が同意して決めて、実行していることです。
しかし、私はそのことに大変な恐怖を覚えました。全市民が借金を返すためだけに働き続けるということのむなしさを、だれも何も考えていないんじゃないか、と正直思ったんです。
■ 課 題 先 進 国 の 課 題 先 進 地
読者の皆さんはひとごとのように思うかもしれません。しかし、今でこそ1兆円の基金を持つ東京都も、私が就職した1999年度に前年度決算で1068億円の赤字を出していました。地方財政健全化法は約1700あるすべての自治体に適用されます。自分の住んでいる自治体が破綻すれば、皆さんにもさまざまな不便が降りかかります。ところが実感としてとらえることは難しく、破綻したとき、夕張に住んでいる多くの市民も、ニュースで知ったような状況だったんです。
去年、私はダボス会議の開催で知られる世界経済フォーラムが選ぶ『ヤング・グローバル・リーダーズ』に選んでいただきました。
「日本は世界でも類をみない課題先進国です。高齢化の問題、東日本大震災以後の原発の廃炉問題です。そういうことを考えると日本は世界が注目すべき課題がたくさんあります。その課題先進国のなかの課題先進地が夕張です。そこが今後どうなっていくのか、非常に注目しているのです」
私が選ばれた理由を尋ねたとき、スイスの事務局の人はそう答えました。受賞といっても決してもろ手をあげて喜ぶことではなかったかもしれませんが、私が日々考えていることを案外、世界の人たちも考えていると分かりました。
世界の長寿国である、つまり高齢化率も高い日本のなかで、夕張はもっとも高齢化率が高い地域のひとつです。日本には国と地方をあわせて1000兆円を超える借金があり、なかでも夕張は唯一の再生団体でかつ、財政規模に比してこれだけの赤字を作り破綻した例をみない自治体です。つまり、夕張が抱えている課題は日本の抱えている課題にそっくり重なるんです。
今後連載のなかで、私が夕張で取り組んできたことを紹介していきます。
たとえば、炭鉱住宅をそのまま受け継いだ老朽化した公営住宅や、市街地から遠く離れた地域に住む人々を、将来的に国道、道道沿線の便利な場所に集団移転してもらう「住宅再編事業」があります。
行政サービスの効率化だけでなく、お年寄りの孤立を避け、ケアが行き届くようにするための大切な事業ですが、何十年も住み慣れた場所を離れてほしいと説得することはとてもつらいことでした。
それでもみんなが夕張に住み続け、次の世代に夕張をつなぐために必要なのです、という思いは住民のみなさんと膝をつきあわせて何度も話すなかで伝わり、今はほぼ100%の同意をいただくことができました。
皆さんも高齢化率、人口減少、財政難という共通した課題を考えるのなら、これを一地方自治体の問題として考えるのではなくて、逆にこのケースを乗り越えたらいろんなことに対応できるモデルとなるだろう、と考えてみてはいかがでしょうか。少なくとも前向きに話し合っていくほうが有意義だ。私はそう考えています。
「 僕 た ち は ど う 働 く か 」 で は 読 者 の 皆 様 の コ メ ン ト を 募 集 し て い ま す 。 コ メ ン ト は こちらの投稿フォーム か ら お 寄 せ く だ さ い 。
【投稿フォームは下記URLをクリックしてください】
https://esf.nikkei.co.jp/r/form.asp?c=86f4d4ffee154c03c3ab5e7c65e4b5501000103384 】
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さてそれでは『生涯現役プロデューサー』に仮登録、またはこれから仮登録をご検討いただける方々にお願いです。どうか標記の夕張市「財政破綻」を私たちは『生涯現役社会』づくりでどう解決していくか、前向きな脳力開発で積極的にご投稿いただけませんか!!
ご提案事項はぜひともE-mailで結構ですので、日本生涯現役推進協議会事務局にもCCかBCCでご送付いただけると、『生涯現役プロデュ-サー』仮登録の皆様にも告知して、皆様方のご意見・ご提言等をなるべく多くいただけるよう働きかけます。
『生涯現役社会づくり』国民運動は決して机上の空論を描くものではありません。具体的な私たち生涯現役実践家の一人ひとりの付加価値を産む『点/個人の生涯現役実践活動』が『線/家庭・近隣の生涯現役仲間活動』から『面/地域社会から行政地域を超える国・海外』まで拡大発展できる可能性を秘めていることを絶体に忘れないでくださるようお願いします。
夕 張 市 長 鈴 木 直 道(1) (3/3ページ) 2014/1/7 6:30 記事保存
税金をあげれば当然消費は冷え込みます。2010年に発覚したギリシャ危機のときも議論になったように、確かに緊縮財政は必要です。一方でそれだけでは解決しません。
「財政再生団体」になった夕張は負担を増やされ、サービスも削減されたうえに、市民は18年間、ただ借金を返すために暮らしていくことになりました。もちろんこれは北海道や国とも協議し、夕張が同意して決めて、実行していることです。
しかし、私はそのことに大変な恐怖を覚えました。全市民が借金を返すためだけに働き続けるということのむなしさを、だれも何も考えていないんじゃないか、と正直思ったんです。
■ 課 題 先 進 国 の 課 題 先 進 地
読者の皆さんはひとごとのように思うかもしれません。しかし、今でこそ1兆円の基金を持つ東京都も、私が就職した1999年度に前年度決算で1068億円の赤字を出していました。地方財政健全化法は約1700あるすべての自治体に適用されます。自分の住んでいる自治体が破綻すれば、皆さんにもさまざまな不便が降りかかります。ところが実感としてとらえることは難しく、破綻したとき、夕張に住んでいる多くの市民も、ニュースで知ったような状況だったんです。
去年、私はダボス会議の開催で知られる世界経済フォーラムが選ぶ『ヤング・グローバル・リーダーズ』に選んでいただきました。
「日本は世界でも類をみない課題先進国です。高齢化の問題、東日本大震災以後の原発の廃炉問題です。そういうことを考えると日本は世界が注目すべき課題がたくさんあります。その課題先進国のなかの課題先進地が夕張です。そこが今後どうなっていくのか、非常に注目しているのです」
私が選ばれた理由を尋ねたとき、スイスの事務局の人はそう答えました。受賞といっても決してもろ手をあげて喜ぶことではなかったかもしれませんが、私が日々考えていることを案外、世界の人たちも考えていると分かりました。
世界の長寿国である、つまり高齢化率も高い日本のなかで、夕張はもっとも高齢化率が高い地域のひとつです。日本には国と地方をあわせて1000兆円を超える借金があり、なかでも夕張は唯一の再生団体でかつ、財政規模に比してこれだけの赤字を作り破綻した例をみない自治体です。つまり、夕張が抱えている課題は日本の抱えている課題にそっくり重なるんです。
今後連載のなかで、私が夕張で取り組んできたことを紹介していきます。
たとえば、炭鉱住宅をそのまま受け継いだ老朽化した公営住宅や、市街地から遠く離れた地域に住む人々を、将来的に国道、道道沿線の便利な場所に集団移転してもらう「住宅再編事業」があります。
行政サービスの効率化だけでなく、お年寄りの孤立を避け、ケアが行き届くようにするための大切な事業ですが、何十年も住み慣れた場所を離れてほしいと説得することはとてもつらいことでした。
それでもみんなが夕張に住み続け、次の世代に夕張をつなぐために必要なのです、という思いは住民のみなさんと膝をつきあわせて何度も話すなかで伝わり、今はほぼ100%の同意をいただくことができました。
皆さんも高齢化率、人口減少、財政難という共通した課題を考えるのなら、これを一地方自治体の問題として考えるのではなくて、逆にこのケースを乗り越えたらいろんなことに対応できるモデルとなるだろう、と考えてみてはいかがでしょうか。少なくとも前向きに話し合っていくほうが有意義だ。私はそう考えています。
「 僕 た ち は ど う 働 く か 」 で は 読 者 の 皆 様 の コ メ ン ト を 募 集 し て い ま す 。 コ メ ン ト は こちらの投稿フォーム か ら お 寄 せ く だ さ い 。
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さてそれでは『生涯現役プロデューサー』に仮登録、またはこれから仮登録をご検討いただける方々にお願いです。どうか標記の夕張市「財政破綻」を私たちは『生涯現役社会』づくりでどう解決していくか、前向きな脳力開発で積極的にご投稿いただけませんか!!
ご提案事項はぜひともE-mailで結構ですので、日本生涯現役推進協議会事務局にもCCかBCCでご送付いただけると、『生涯現役プロデュ-サー』仮登録の皆様にも告知して、皆様方のご意見・ご提言等をなるべく多くいただけるよう働きかけます。
『生涯現役社会づくり』国民運動は決して机上の空論を描くものではありません。具体的な私たち生涯現役実践家の一人ひとりの付加価値を産む『点/個人の生涯現役実践活動』が『線/家庭・近隣の生涯現役仲間活動』から『面/地域社会から行政地域を超える国・海外』まで拡大発展できる可能性を秘めていることを絶体に忘れないでくださるようお願いします。