アベノミクスと雇用:「会社解雇は簡単」Ⅲ
2013年11月6日 お仕事 ■ 弱 い 立 場 、 結 局 解 雇
「ロックアウト」は広がりつつある。
外資系金融大手のステート・ストリート信託銀行で働いていた女性(44)は今年1月、人事担当者にいきなり「離職合意書」を渡された。1週間以内にサインして送り返すよう求められ、締め出された。
サインを拒むと、「解雇を選択することになる」という。困って労組に入り、会社側と交渉した。解雇は見送られ、代わりに福岡への転勤を命じられた。
そこでは、退職に追い込む「追い出し部屋」のような仕打ちを受けた。自分だけ業務日誌を毎日書かされる。それを必ず上司はみて、「覚えるのが遅い」「理解していない」と「ダメ出し」を繰り返す。
「ちゃんとやれているのに……」。3カ月ほどでうつ病になって休職した。
1カ月後、会社の指示で指定病院に行くと「復帰可能」と診断され、復職を迫られた。だが、体調は悪い。休みを申し入れると解雇された。撤回を求め、女性は訴訟を起こした。これについて、ステート・ストリート信託銀は「係争中なので、コメントできない」としている。
会社の圧力に耐えようとしても、社員の力は弱い。
「もっともらしい理由をつければ、いくらでも解雇できる。今は『ブラック企業』が問題となっているのだから、働く人を守るのが政府の役目。でないと、安心して働けない」 (吉田拓史)
「ロックアウト」は広がりつつある。
外資系金融大手のステート・ストリート信託銀行で働いていた女性(44)は今年1月、人事担当者にいきなり「離職合意書」を渡された。1週間以内にサインして送り返すよう求められ、締め出された。
サインを拒むと、「解雇を選択することになる」という。困って労組に入り、会社側と交渉した。解雇は見送られ、代わりに福岡への転勤を命じられた。
そこでは、退職に追い込む「追い出し部屋」のような仕打ちを受けた。自分だけ業務日誌を毎日書かされる。それを必ず上司はみて、「覚えるのが遅い」「理解していない」と「ダメ出し」を繰り返す。
「ちゃんとやれているのに……」。3カ月ほどでうつ病になって休職した。
1カ月後、会社の指示で指定病院に行くと「復帰可能」と診断され、復職を迫られた。だが、体調は悪い。休みを申し入れると解雇された。撤回を求め、女性は訴訟を起こした。これについて、ステート・ストリート信託銀は「係争中なので、コメントできない」としている。
会社の圧力に耐えようとしても、社員の力は弱い。
「もっともらしい理由をつければ、いくらでも解雇できる。今は『ブラック企業』が問題となっているのだから、働く人を守るのが政府の役目。でないと、安心して働けない」 (吉田拓史)