Altarna誌:森氏/社長は演説より対話を!!
2013年11月2日 お仕事C S R の 観 点 か ら 見 た 、 阪 急 阪 神 ホ テ ル ズ 事 件 の 教 訓 -
- 社 長 は 「 演 説 」 よ り も 「 対 話 」 が 大 事
東 瀧 邦 次 さ ま
オ ル タ ナ 編 集 長 森 摂
【ご参考URL=http://www.alterna.co.jp/11863】
いつもお世話になっております。
阪急阪神ホテルズの「食材偽装」問題は、出崎弘社長がきょう、11月1日付けで辞任する事態に至りました。
同社がホームページ上で47品目の食材がメニュー表示と違っていたことを報告したのが22日。その時点では、社長が辞任するとは、同社内でだれも想像していなかったのではないでしょうか。(オルタナ編集長 森 摂)
最大のポイントは、記者会見での答え方を間違ったことです。「一部食材で調理担当者がメニュー表記と違うことに気付いていた」というそれまでの見解を「そのような報告はない」と突然撤回し、会見は大荒れになりました。
ホテル業界全体がその余波を受け、別のあるホテルは「メニューにあったフレッシュミルクは、紙パックの市販品でした」とお詫びしました。
あるパーソナリティは、ラジオ番組で「フレッシュミルクといっても、レストランの厨房に牛がいるとは思ってませんよ」と笑っていました。
このような「珍騒動」は毎年のように起こります。その最大の原因は、企業の経営陣、特に社長の感覚と、社会の感覚のズレにあるようです。
例外も多いだろうが、特に企業規模が大きいほど、社長と社会の感覚は乖離している感がある。「ヒト・モノ・カネ」のマネージメントには強いが、それと同じくらい大事な「社会」感覚が意外にない。
社内外で演説やスピーチ、説教をすることは得意だが、人の話を聞くことは得意ではない。特に「カリスマ経営者」と言われる社長、任期を重ねる社長ほど、そうした自縛に陥る危険性が高い。
立派な演説が、たとえ間違っていても、正してくれる人はいない。業績が順調であれば、社外から批判されることもない。
社会と対話をしないから、感覚がズレる。社会がどう反応するか、分からなくなる。だから、こうした「珍騒動」が毎年のように起こる。これはリスクマネージメントや、ガバナンス以前の問題だ。
CSRで最も重要なプロセスが、社会との「対話」だ。その対象は、従業員、消費者、地域、行政など幅広い。社長は本来、その先頭に立つべきだろう。
日本の上場企業の社長約3500人の中で、いったい何人がNPO(特定非営利活動)法人のスタッフや市民と直接「対話」をしたことがあるだろうか。
小誌で何度も取り上げているが、コンプライアンスの原義は、「相手を慮る」こと。法令遵守さえすれば良いという感覚では、同じような不祥事は何度でも起こる。
大企業の社長さんたちには、社員10人ほどの小さな造園会社、石井造園(横浜市)の石井直樹社長の至言を送りたい。
「ウチは法令遵守以前に、『後でバレてカッコ悪いこと』はやらない。社員たちにはそう教えています」
石井社長は、毎日のように地域の人たちと冗談を言い合いながら、地域づくりに奔走している。 【ご参考URL=http://www.alterna.co.jp/11863】
- 社 長 は 「 演 説 」 よ り も 「 対 話 」 が 大 事
東 瀧 邦 次 さ ま
オ ル タ ナ 編 集 長 森 摂
【ご参考URL=http://www.alterna.co.jp/11863】
いつもお世話になっております。
阪急阪神ホテルズの「食材偽装」問題は、出崎弘社長がきょう、11月1日付けで辞任する事態に至りました。
同社がホームページ上で47品目の食材がメニュー表示と違っていたことを報告したのが22日。その時点では、社長が辞任するとは、同社内でだれも想像していなかったのではないでしょうか。(オルタナ編集長 森 摂)
最大のポイントは、記者会見での答え方を間違ったことです。「一部食材で調理担当者がメニュー表記と違うことに気付いていた」というそれまでの見解を「そのような報告はない」と突然撤回し、会見は大荒れになりました。
ホテル業界全体がその余波を受け、別のあるホテルは「メニューにあったフレッシュミルクは、紙パックの市販品でした」とお詫びしました。
あるパーソナリティは、ラジオ番組で「フレッシュミルクといっても、レストランの厨房に牛がいるとは思ってませんよ」と笑っていました。
このような「珍騒動」は毎年のように起こります。その最大の原因は、企業の経営陣、特に社長の感覚と、社会の感覚のズレにあるようです。
例外も多いだろうが、特に企業規模が大きいほど、社長と社会の感覚は乖離している感がある。「ヒト・モノ・カネ」のマネージメントには強いが、それと同じくらい大事な「社会」感覚が意外にない。
社内外で演説やスピーチ、説教をすることは得意だが、人の話を聞くことは得意ではない。特に「カリスマ経営者」と言われる社長、任期を重ねる社長ほど、そうした自縛に陥る危険性が高い。
立派な演説が、たとえ間違っていても、正してくれる人はいない。業績が順調であれば、社外から批判されることもない。
社会と対話をしないから、感覚がズレる。社会がどう反応するか、分からなくなる。だから、こうした「珍騒動」が毎年のように起こる。これはリスクマネージメントや、ガバナンス以前の問題だ。
CSRで最も重要なプロセスが、社会との「対話」だ。その対象は、従業員、消費者、地域、行政など幅広い。社長は本来、その先頭に立つべきだろう。
日本の上場企業の社長約3500人の中で、いったい何人がNPO(特定非営利活動)法人のスタッフや市民と直接「対話」をしたことがあるだろうか。
小誌で何度も取り上げているが、コンプライアンスの原義は、「相手を慮る」こと。法令遵守さえすれば良いという感覚では、同じような不祥事は何度でも起こる。
大企業の社長さんたちには、社員10人ほどの小さな造園会社、石井造園(横浜市)の石井直樹社長の至言を送りたい。
「ウチは法令遵守以前に、『後でバレてカッコ悪いこと』はやらない。社員たちにはそう教えています」
石井社長は、毎日のように地域の人たちと冗談を言い合いながら、地域づくりに奔走している。 【ご参考URL=http://www.alterna.co.jp/11863】