「生涯現役社会」創造隊/草の根運動①
2013年5月12日 お仕事 郷里の瀬戸内海については、いつも子ども時代の様々な思い出がよみがえる。午前4時からのNHKラジオ深夜便で建築家の安藤忠雄氏の「瀬戸内オリーブ基金」はその意味で、自らこれまでの草の根活動に大いに目を覚ます刺激を与えられている。
口先だけで「生涯現役社会」を創造し隊という考えでは、賛同の輪が空理空論に終わり、本当の実りは得られない。そこで安藤氏の「私の履歴書/仕事をつくる」著書から“自然を愛する心を次代に~美しい風景復活へ植樹(瀬戸内)”の情熱を味わい、以下に転載でご紹介させていただく。
“日本人の美意識は、四季の変化に富んだ自然の風景のなかで培われてきた。恵まれた環境の中で育まれた、世界に例をみない繊細な感性、家族や地域社会、自然を愛する心は、次代を担う子どもたちに伝えていかなければならない。
西宮の浜近くに弟たちが暮らしていたこともあり、私は瀬戸内海に特別な思い入れがある。子どものころ、夏になるとよく鳴尾の浜に出かけた。遠くに淡路島の島影を望む、穏やかで美しい風景の中で、日が暮れるまで遊んだものだ。
江戸末期に日本を訪れたシーボルトは、日本人の民族性と風景を高く評価した。なかでも瀬戸内海の美しさについて絶賛したという。五百以上の緑あふれる島々が浮かぶ瀬戸内海は、当時から素晴らしい景観を誇っていた。
しかし、陸に近かったため、古くから築城など大規模普請を目的に砂利や石が採掘されてきた。20世紀後半になると、沿岸域の工業化により自然破壊が進み、工場排煙や排水による公害が発生、産業廃棄物の投棄などによって緑は失われ、はげ山となって無残な姿をさらすことになった。”
“豊島(てしま)の産廃問題で闘ってきた中坊公平さんと、後に文化庁長官となる河合隼雄さんたちと緑化活動「瀬戸内オリーブ基金」を始めたのは2000年だった。荒廃した島々に美しい自然の風景を取り戻すため、一口千円の寄付金を集め、はげ山を中心に植樹する活動だ。
山口県出身で、瀬戸内海を愛するファーストリテイリングの会長兼社長、柳井正さんも活動に賛同し、ユニクロ全店に募金箱を設置し、集まった同額を上乗せする、マッチング寄付を提案してくださった。また、全店の店舗スタッフから有志を募り、豊島での植林などボランティア活動にも取り組んでくださっている。” つづく
口先だけで「生涯現役社会」を創造し隊という考えでは、賛同の輪が空理空論に終わり、本当の実りは得られない。そこで安藤氏の「私の履歴書/仕事をつくる」著書から“自然を愛する心を次代に~美しい風景復活へ植樹(瀬戸内)”の情熱を味わい、以下に転載でご紹介させていただく。
“日本人の美意識は、四季の変化に富んだ自然の風景のなかで培われてきた。恵まれた環境の中で育まれた、世界に例をみない繊細な感性、家族や地域社会、自然を愛する心は、次代を担う子どもたちに伝えていかなければならない。
西宮の浜近くに弟たちが暮らしていたこともあり、私は瀬戸内海に特別な思い入れがある。子どものころ、夏になるとよく鳴尾の浜に出かけた。遠くに淡路島の島影を望む、穏やかで美しい風景の中で、日が暮れるまで遊んだものだ。
江戸末期に日本を訪れたシーボルトは、日本人の民族性と風景を高く評価した。なかでも瀬戸内海の美しさについて絶賛したという。五百以上の緑あふれる島々が浮かぶ瀬戸内海は、当時から素晴らしい景観を誇っていた。
しかし、陸に近かったため、古くから築城など大規模普請を目的に砂利や石が採掘されてきた。20世紀後半になると、沿岸域の工業化により自然破壊が進み、工場排煙や排水による公害が発生、産業廃棄物の投棄などによって緑は失われ、はげ山となって無残な姿をさらすことになった。”
“豊島(てしま)の産廃問題で闘ってきた中坊公平さんと、後に文化庁長官となる河合隼雄さんたちと緑化活動「瀬戸内オリーブ基金」を始めたのは2000年だった。荒廃した島々に美しい自然の風景を取り戻すため、一口千円の寄付金を集め、はげ山を中心に植樹する活動だ。
山口県出身で、瀬戸内海を愛するファーストリテイリングの会長兼社長、柳井正さんも活動に賛同し、ユニクロ全店に募金箱を設置し、集まった同額を上乗せする、マッチング寄付を提案してくださった。また、全店の店舗スタッフから有志を募り、豊島での植林などボランティア活動にも取り組んでくださっている。” つづく