傘寿創業「生涯現役」/紀の川市谷池氏
2018年3月17日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
毎日新聞 2018年3月16日付地方版
ご参考URL=https://mainichi.jp/articles/20180316/ddl/k30/020/415000c
わかやま産業ビジネスコン
傘寿で創業「生涯現役」 紀の川の谷池さん、最優秀賞 開発のバリ取りブラシ、人気 /和歌山
80歳で創業し、独自開発した工具で業界の注目を集める男性が県内にいる。紀の川市貴志川町岸宮の谷池繁さん(82)。わかやま産業振興財団のビジネスプランコンテストで先月、最優秀賞を受賞し、大手メーカーの委託生産も始めた。「生涯現役がモットー。さらに改良して世間を驚かせたい」と意気込んでいる。【稲生陽】
開発したのは、鉄板のねじ穴などのバリ(金属加工で生じる出っ張り)を取り除く工業用バリ取りブラシ。よじった金属製ワイヤを軸に、ナイロン製の毛をロール状に取り付けた。ネジ穴に挿入して高速回転させ、バリを削り落とす。
バリ取りブラシの多くは手作業で製作されているが、効率化を目指して製造機械を昨年1月に完成させた。丈夫にするため軸となるワイヤの本数を増やし、回転させたままねじ穴に挿入できるよう工夫も凝らした。毛先を曲げることで、これまでバリ取り前に必要だったならしの工程を省くことも可能にした。
谷池さんは和歌山市出身で、中学卒業後の1950年から63年まで三菱電機和歌山工場に勤務した。その後は旋盤メーカーや工業用研磨ブラシメーカーなどで、80歳を目前に控えた2014年まで勤めた。いずれも当初は小さな町工場だったが、独自の技術や製品の開発を通じて国内外に販路を持つメーカーに成長を遂げたという。島精機製作所(和歌山市)を創業した島正博氏と親交もあり、仕事帰りに足を運んで多くの技術を学んだ。
退職後の15年に個人事業の「谷池企画」を創業し、手がけたのが今回のバリ取りブラシだった。発売すると国内外から問い合わせが殺到し、業界トップメーカーのOEM(相手先ブランドによる受託生産)も行っている。直売はしておらず、柄の長さ(5~30センチ)に応じて1本3200~4000円で工具業者を通じ、希望する工場に販売している。
谷池さんは、さらに細いブラシの開発も目指しており、「貧しくて進学がかなわなかった自分の取りえは努力すること。人の10倍努力すれば必ず結果につながる」と、ものづくりへのあくなき情熱を語った。
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
毎日新聞 2018年3月16日付地方版
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わかやま産業ビジネスコン
傘寿で創業「生涯現役」 紀の川の谷池さん、最優秀賞 開発のバリ取りブラシ、人気 /和歌山
80歳で創業し、独自開発した工具で業界の注目を集める男性が県内にいる。紀の川市貴志川町岸宮の谷池繁さん(82)。わかやま産業振興財団のビジネスプランコンテストで先月、最優秀賞を受賞し、大手メーカーの委託生産も始めた。「生涯現役がモットー。さらに改良して世間を驚かせたい」と意気込んでいる。【稲生陽】
開発したのは、鉄板のねじ穴などのバリ(金属加工で生じる出っ張り)を取り除く工業用バリ取りブラシ。よじった金属製ワイヤを軸に、ナイロン製の毛をロール状に取り付けた。ネジ穴に挿入して高速回転させ、バリを削り落とす。
バリ取りブラシの多くは手作業で製作されているが、効率化を目指して製造機械を昨年1月に完成させた。丈夫にするため軸となるワイヤの本数を増やし、回転させたままねじ穴に挿入できるよう工夫も凝らした。毛先を曲げることで、これまでバリ取り前に必要だったならしの工程を省くことも可能にした。
谷池さんは和歌山市出身で、中学卒業後の1950年から63年まで三菱電機和歌山工場に勤務した。その後は旋盤メーカーや工業用研磨ブラシメーカーなどで、80歳を目前に控えた2014年まで勤めた。いずれも当初は小さな町工場だったが、独自の技術や製品の開発を通じて国内外に販路を持つメーカーに成長を遂げたという。島精機製作所(和歌山市)を創業した島正博氏と親交もあり、仕事帰りに足を運んで多くの技術を学んだ。
退職後の15年に個人事業の「谷池企画」を創業し、手がけたのが今回のバリ取りブラシだった。発売すると国内外から問い合わせが殺到し、業界トップメーカーのOEM(相手先ブランドによる受託生産)も行っている。直売はしておらず、柄の長さ(5~30センチ)に応じて1本3200~4000円で工具業者を通じ、希望する工場に販売している。
谷池さんは、さらに細いブラシの開発も目指しており、「貧しくて進学がかなわなかった自分の取りえは努力すること。人の10倍努力すれば必ず結果につながる」と、ものづくりへのあくなき情熱を語った。