日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
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ご参考URL=http://www.data-max.co.jp/291123_ib1435_03/
   仕事の極意は傍(はた)を楽にすること
             8 0 代 現 役 の 社 会 貢 献


      8 0 代 か ら の 挑 戦       川邊事務所 川邊 康晴 会長

 長年地元・福岡で、中小企業経営における指南役として活躍され、80歳を超えた現在も精力的に第一線で活躍する川邊事務所会長の川邊康晴氏。川邊会長は、(株)西日本相互銀行(現・(株)西日本シティ銀行)に入行して以来、専務取締役、関連会社の代表取締役を歴任。定年後、現事務所を設立し、企業間をメインとしたビジネスマッチングやその支援、ネットワークづくりのサポート・アドバイザーとしての事業を構築している。事務所設立後16年になるが、川邊氏を訪ねる経営者は、今も多い。

  人脈は常にフレッシュに
 マッチングビジネスで最良の成果を得るためには、懐の深い人脈の構築が必須である。「その人脈も、年数が経過すると数が減少していきます」と川邊氏。人脈を維持するには、「新しい人々との出会いの機会を常に創出しメンテナンスしていくことです」という。

 「おかげさまでお客さまは福岡のみならず、全国から訪ねてきていただけております。訪問される経営者の方々のご相談は、人材関連・コストダウンおよび販路拡大などさまざまで、全国には有能な方々がいらっしゃるのに私を選んで来ていただきありがたいことです。よって私も真剣勝負です。当該の依頼をマッチングさせるには最低でも6カ月はかけます。自分自身でリサーチして思案して判断いたします。そして、私を訪ねてこられる方々に最善を尽くすためにも、常に人脈を広くフレッシュにしておきます。マッチングの仕事は、あとで責任が来ます。依頼主に紹介し、その後も良好な関係が続けられるようにすることが私の使命です。そのための人脈づくりも、常時行っておきます。5年、10年の間に各社の代表や体制は様変わりいたします。この人脈づくりをやっておくことで、どの時代も世代にも通じる事業をつくっていくことができます。これは、私の事業の生命線であり、その理念を、次の世代の方々に伝えていくことが使命です。私の財産は、know-howでなくknow-who=人を知っているということです」(川邊氏)。

  見えない資産を大切にする
 クライアントに喜んでいただき、役に立つ仕事を継続するために、川邊氏は「時代ごとの荒波を乗り切るため、変化に挑戦し続ける100年続く企業づくりを目指すことが大切です。毎日倒産する企業が出ておりますが、100年続いている企業は、適正な利益を生み出し続けております。それは、どの時代でもお客さまに支持されているということです。すなわち、お客さまに喜んでいただき、役に立つ仕事を築き上げているのです」と語る。定量の判断材料(貸借対照表や損益計算書)という“目に見える資産”と同等に、“目に見えない資産”に着目し増強していくことが大切であると力説する。

 川邊氏が唱える“目に見えない資産”とは、ナレッジ、リレーション、ブランドの3つの資産だ。

 ナレッジ資産とは、人的資産=人材である。「人を育てて、その企業の技術やサービス、ノウハウを向上させるために積極的に投資することです。技術やサービス、ノウハウを蓄積し常に進化させていくために、人材教育にお金と時間をかけることです。経営者は社員、アルバイトや非正規社員すべての人材を大切にして、“いつも会社のためにありがとう。あなたがいるから会社はやっていける”という風土をつくることが大事です。その企業風土が、モチベーションの向上につながり、お客さまの信頼を得る人材を育て、その会社、人材そしてお客さまに利益をもたらす好循環を生み出します」(川邊氏)。

 リレーション資産は、販売先、仕入先、金融機関、株主、地域社会などその企業のステークホルダーである。これらステークホルダーは、「すべてお客さま」という理念による企業活動を徹底し続けることを、経営者を筆頭に全社一丸で実践することが大切と説いている。

 ブランド資産は、企業の社会的な信頼性を示し、長年培ってきた伝統の重みを象徴する“のれん”で、無形の経済的な価値と定義づけている。ステークホルダーからの評価と信頼度が高く、法令違反など一切なく、その企業のスタッフの評判も良好であるなど、企業の規模の大小など関係なく、その会社の名前だけで信頼される価値である。ブランド資産は、不祥事の発生や、商品やサービスの品質の劣化で一気に失われる。

 これら3つの資産は、数字など定量として示されず、市場や社会、そして自社内の人々が評価する定性的な性質を有する。そして、すべてにおいて、人がキーファクターとなる。目に見えない資産を大切にして増強していくには、「傍を楽にすること」を礎に事業を構築することが肝要だ。そして目に見えない資産を生かした人と人とのつながりで派生する、企業間のアライアンスによる経済活動で、時流に沿いお客さまのウォンツに応えた喜ばれる商品やサービスがつくられ、高付加価値の事業が展開され続ける。それが100年続く企業であり、どの時代でも喜ばれる企業となることの尊さを川邊氏は、世に伝え発信している。

   損得勘定抜きの付き合い
 80歳を超えても、現役の経営者として社会に貢献し続ける川邊氏。今も、人と人とのつながりを大切にした人脈づくりを楽しまれている。「聴くことを一番大切にしている」という信念と姿勢こそが、川邊氏を訪れる人々が絶えない最大の要因であろう。また、慕う人々が増え続けることは、川邊氏が80歳を超えても若々しく、現役経営者として成果を出し続けていることにつながっている。

 川邊氏を囲む『川邊会』という経営者が集う会がある。福岡を中心に九州各地から東京そして全国各地、さらには中国・北京、大連から各々の強みをもった経営者が川邊氏の元に集って、話を聞きながら交流する場である。この場に集う経営者も『傍楽』の志向で、人々が喜び役に立つ事業を行い、いいものを広めて世の中に貢献したという企業のリーダーたちである。売上規模や業種などそれぞれ違っても、全員が経営者である。それぞれ企業経営において、孤独と戦いながら人には言えない苦労や、将来への不安を抱えながら夢を持ち続けて変化と挑戦を続けているという本音の話をすることで、お互いが活性化して、新たな力の源となっていく場だ。9年前に4名でスタートした同会は、現在40から70代の経営者50名が集う所帯に発展している。これも川邊氏が引き寄せた良縁によって生まれた会であろう。

 地元の経済団体や地域の各種会合などからの講演を含めた集う場への招待は常時ある。80歳を超えて川邊氏のように先頭に立って経営を行い、人や企業とのマッチングのために自ら活動する人は、稀有な存在であろう。なぜ川邊氏はそれができるのか。3年前と今回取材を行い、川邊氏は自然体で仕事をつくり、そして私心がなく人々と会い、経営者同士の縁を創造している。心の底から、傍(はた)を楽にするために日々活動することに対して、自身が喜びをもって行っているからである。目先の利益だけに走ることなく、未来や将来像を視野に入れながら、人々が喜び、企業は繁栄し、皆が幸せになれるかを具現化することにまい進している。その志向が、川邊氏に集う経営者に伝承していき、川邊イズムによる経営を行う企業が増えて、それぞれの強みを生かしたアライアンス事業によって、本当の共存共栄の経済社会がつくり上げられ、好循環の世の中になることが期待される。

 『一日一会』という言葉を掲げている川邊氏。「一度も会ったことのない初めての経営者と必ず最低一日1人と会うことを実践しております」という。今後も、次々と新たな人脈そして企業間のマッチングによる良縁により、新しい経営チャネルが出現する。生涯現役の経営者として川邊氏はこれからも、傍(はた)を楽にするビジネスの構築を成し遂げ続けることが期待される。【河原 清明】

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代 表:川邊 康晴
所在地:福岡市中央区大名2-4-19
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