日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
         N P O 法 人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ
                        東  瀧    邦  次  様

  お世話になっております、リディラバの安部でございます。
平素は、格別のお引き立てにあずかり厚くお礼申し上げます。
  今後ともより一層のご愛顧を賜わりたく、 謹んでお願い申し上げます。

  さて、我々リディラバは「社会の無関心の打破」という理念を掲げ、あらゆる社会課題の現場を学ぶスタディツアーを運営し始めてからこの9月末で7周年を迎えます。
  もともとは東大のなかで有志の集まりとして始まったこの活動も、ここ数年で大きく変化してきました。
  600人を超えるボランティアメンバーとの活動期を経て、2年ほど前からは専門性と信頼性の向上を目指し有給スタッフの採用を開始。事業もスタディツアーを起点としつつ、教育旅行という形で学校、社会課題や地域課題の解決という文脈で国や自治体、社会課題を起点として事業開発を目指す志の高い企業など、理念の実現を進めていくために様々なパートナーの方々とお付き合いさせていただくようになりました。

   私自身も初めての体験が多くありました。
   社会人経験がないこともあり、ついこないだまで見積書の書き方も知らなかったのに人件費や日々出て行く多くのお金を見ながら苦悶し(笑)、採用した社員の家族のことまで考えるようにもなり、柄にもなく「経営者」という肩書きと向き合うことになっています。私が住み続けてきた事務所も、今年の初めに御茶ノ水のオフィスへ移り、初めて「職住同一」の環境を卒業しました。
  働くスタッフも10代20代30代だけでなく、50代60代のベテランの力も加わり一緒になって汗をかいています。子供を連れて事務所に出てくる姿もちょくちょく目にすることがあるような組織にもなってきて、それも個人的には刺激になっています。

  また、ご支援いただいている方々との関係も変わってきました。ボランティアの任意団体の時代は参加する人はみんなで同じように”時間”を差し出し、とにかくツアーの作り手や組織運営の人間として関与をしてもらっていました。しかしこれでは時間のある学生などしか関われない。またスタディツアーの企画運営のノウハウがどんどん高度になり専門性が高まっていくにつれて、ボランティアの方々にとって関わるのが難しくもなってきました。
  そうした中で、より幅広い世代や幅広い問題意識を持つ方々との関係を持つ形として「ラバーズ会員」という制度ができました。これはリディラバとともに社会への問題意識を共有し、継続的に社会を考えていける”コミュニティ”という位置付けで、立ち上げ当初にあった多くの人が関わる形への原点回帰を目指しつつ、リディラバを応援いただく方々との関係性をより良いものにしていく試みです。

   実は純粋な大口の寄付を申し出てくれる方がいたりということもあり、金銭的な意味ではそちらの方がメリットがあるかもと個人的にも組織的にも揺れた時期もありました。
  しかしやはりできる限り”リディラバと支援者個人”という形ではなく、「社会の無関心の打破」という理念の下にいろいろな形で関わる人が集まるコミュニティであってほしい、という活動当初の想いを大事にしたいということで今の形に落ち着きました。

  さて、少し話が長くなりましたが、今年もリディラバースデイという7周年記念の小規模な事業報告会を行います。今回は特にリディラバの各事業を知っていただく機会にしたいと思っています。ここ数年でリディラバの事業はツアー事業からメディア事業、教育旅行事業、地域協働事業、法人事業などと幅が随分と広がりました。
  こういった事業を通して各事業の成長の先にはどのような社会があるのか、何を問題意識として事業を進めているのか、といったことをご支援いただいている皆様にご報告する場となればと思っています。
  対象は上述したラバーズという会員が中心ですが、弊社の事業にご関心をお持ちいただけるようでしたら、あるいは様々な社会問題を可視化するようなスタディツアーづくりをご支援いただけるようでしたら是非、新しい社会への関わり方としてご検討いただければ幸いでございます。

  残暑見舞い及び弊社の7周年のご報告と日頃の感謝に替えて、ご連絡差し上げました、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。季節の変わり目でもあり体調を崩しやすい時期ですが、ご自愛ください。

                 2016年9月1日        安 部  敏 樹