日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  活 動 で 
                ご  支  援  く  だ  さ  る   会  員  皆  様


    【 一 生 働 く ! 】  自 分 自 身 へ の 挑 戦・・・
                   経 験 は 新 た な 分 野 で も 生 き る


 ★ 生 き が い 編

 生涯現役を実践中の男女7人が集まって開催された夕刊フジ主催の「シニア懇談会」では、現代のシニアが直面するさまざまな問題やテーマも浮き彫りになった。今回は、「新たな仕事への挑戦」について紹介する。

 ■ 障がい者施設からDVシェルターへ

 精神障がい者施設に長年勤務していた藤田ナオヨさん(65)は、60歳の時に同施設を退職。誘われた別の仕事に再就職した。

 「そのままパートで勤務も可能でしたが、施設の理事長が代替わりして、私のような古株はもう要らないかなと思っていました。ちょうどその時、DV(ドメスティック・バイオレンス)シェルターをやっている人から『手伝ってほしい』と言われたのです。シェルターでは、DV被害者の心のケアも必要で、精神障がいや知的障がいの施設での経験が役に立つからと言われ、そこで5年間働きました」

 シェルターは、DVに遭った被害者を加害者である配偶者などから隔離し保護することが目的の施設。DV被害者の社会復帰を支援するほか、警察や行政、弁護士などが絡む事柄も多く、サポート範囲は全方位になる。また現在では外国人のDV被害者も多く、言葉の問題などサポートの難しさが増しているという。

 ■ 資格取得にチャレンジ

 藤田さんは昨年から、DVシェルターを運営している日翔レジデンシャル(東京都品川区、後藤正樹社長)の新事業「障がい児童向けの放課後等デイサービス」の立ち上げに関わっている。

 同サービスは、障がいのある就学児童(小・中・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通う、療育機能・居場所機能を備えた福祉サービス。「障がい児の学童保育」とも呼ばれる。

 新事業の立ち上げに対し、藤田さんはこう話す。

 「神奈川県への申請の際に、児童発達支援管理責任者(通称・児発管)が必要とのことで、私に声が掛かったんです。児発管は資格が必要なので、いま取得に向けて頑張っています。取得プログラムの半分が終了し、あとは実地試験のみ。今までの経験も生かして子供と関わることができる事業なので、楽しみでもあります」

 「子供たちとの関わりが増える職場は体力勝負でもある」と言う藤田さんは、体力維持にも積極的だ。

 長年培った経験だけでなく、より幅広い知識やスキルを取得して社会に貢献し続ける。新たな仕事への挑戦は、自分自身への挑戦ともいえる。藤田さんの挑戦はこれからも続く。(「オレンジ世代」取材班)