日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
    NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  活 動  
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 超高齢化変革期の現代日本に「生涯現役促進地域連携事業」で社会活力化を期待する行政施策に対し、シニア就業率向上の助成金活用が昨年来最大3年間の施策進行中である。それに対応した、私ども日本生涯現役推進協議会の民間主導『生涯現役社会プラットフォーム』拡充方式での中小人財ビジネス主体の起業型施策展開が着々と進展しつつある。
 それはあたかも昨日付日経紙「風見鶏・負けに不思議の負け」と題して、如何に政党勢力の選挙民地盤バックグラウンドを有効に拡充させるかと、対比検討に健闘出来るかというに似たところがある。そこで地域住民の参画度を、より向上させる方策採用に、如何なる生涯現役立志策に基づく地盤確立具体策が林立できるか・・・下記の風見鶏記事との関連性を考慮するのも一考ではあるまいか。
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2017/12/10付日本経済新聞 朝刊
      風見鶏   負 け に 不 思 議 の 負 け な し

 いま外相の自民党の河野太郎氏に、かつて友人が尋ねた。「なぜ左寄りの主張をするの」。河野氏は何と答えたか。「そもそも自民党支持者は保守の人が多い。もっと支持を広げるなら、左に伸ばすのは当然でしょ」。河野氏は小選挙区制が導入された1996年衆院選での初出馬から8期連続当選。「選挙に強い議員」として知られる。

 同党の小泉進次郎氏にも似た発言がある。10月の衆院選の選挙戦最終日、地元・神奈川県横須賀市での最後の街頭演説。「1億2千万通りの生き方、価値観がある。多くの人が『自民党は分かってくれる』と思う政党が真の国民政党だ」

 共通するのは「右から左まで、広く国民の支持を得たい」という考え方だ。「タカ派的」「右寄り」ともいわれる安倍晋三総裁(首相)を担ぐ自民党だが、リベラル寄りの議員も多い。国民各層の幅広い支持を得る「包括政党」「国民政党」を目指す政党でもある。

 10月の衆院選で、2人の考え方とは対照的な道を選んだ政党があった。政権選択を掲げた希望の党だ。

 同党の小池百合子代表(当時)は、理念や政策が異なる人物を「排除します」と表明した。合流希望者には、安全保障関連法や憲法改正への賛成を求め、左派やリベラルを拒んだ。自民党より保守に純化した結果、公示前勢力割れの50議席しかとれず、惨敗した。

 希望の党の敗因を「排除の論理が世論の反発を招いた」と分析する声もあったが、政治の理論ではどう映るのだろう。政党の競争や連立を研究する東大教授の加藤淳子氏に聞いてみた。

 「自民党を上回る支持を得て政権を目指すなら、自民党より狭い保守の立場をとる戦略は非現実的」。明快な答えが返ってきた。

 小選挙区制の当選者は1選挙区で1人だけ。加藤氏は「保守の自民党とは異なる位置で、多くの支持を得られる『中道』を含む位置が有利」と話す。理論上は保守で競合するより真ん中辺りの厚い「中道」を挟んで有権者に訴えた方が多くの支持が得やすいとみる。

 希望の党の失速は過去の政党再編からも予見できた、という。「自民党より右寄り」ともいわれた新進党の失敗だ。自民党と競う「保守二大政党」を目指したが、96年衆院選で議席を増やせなかった。翌97年には当時の小沢一郎党首が「保・保連合」に傾斜し、同氏に近い議員との「純化路線」をとって解党した。

 その新進党と対照的だったのは、政権交代前の民主党だ。「中道寄りで、所属議員の立場が左右に広かったことが支持獲得に有利に働いたことは間違いない」と加藤氏は説く。もちろん、立ち位置だけで勝てるわけではない。民進党は民主党と同じような立ち位置だったが党勢は低調だった。

 とはいっても、小選挙区制での選挙は続く。野党が複数に割れて、与党に挑むのは、明らかに悪手だ。元民進党の衆院勢力は、右寄りに希望の党、左寄りに立憲民主党に割れたままだ。しかも、希望の党と立憲民主党の政策の幅は、純化路線の結果、民進党よりも狭い。

 まだ野党再編の機運は乏しい。政策が一致しない政党は確かに骨が折れるからだ。だが政権選択をいくら唱えても選挙に勝てなければ意味はない。

 自民党は小選挙区制導入後の衆院選で7勝1敗。それなりに適応してきた。「真ん中の票を取らないと当選できないよ」。河野氏は党内で話すこともある。

 「負けに不思議の負けなし」といわれる。負けが続く野党はもう一度、小選挙区制での戦い方を見つめ直すべきかもしれない。(政治部次長 佐藤理)