日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  活 動 で 
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  動 か ぬ 個 人 資 産 1 8 0 0 兆 円    
                販 売 変 え る 「 脱 サ ラ 組 」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO20060730W7A810C1EA1000/

 「毎月分配型やテーマ型など人気のある投資信託は実は注意が必要です」。7月29日、東京都千代田区の帝国ホテル。30人ほどが集まったセミナーで福田猛(38)は投信市場の問題点を丁寧に説明していた。
 元公務員の60代男性は今春の退職後、証券会社に勧められるままに毎月分配型の投信を数百万円購入し早くも含み損を抱えた。営業マンに不信感を抱き福田のセミナーに参加したという。福田は長期運用を軸に資産状況やライフプランなど顧客ごとに異なる金融商品を提案する。「何となく抱えていた老後の不安が和らいだ」と男性は話す。
 福田は大和証券で10年間、1000人以上の顧客を担当した営業マンだ。2012年に独立を決め現在はファイナンシャルスタンダード(東京・千代田)の代表を務める。業務内容は「IFA」と呼ばれる独立系の投資アドバイザー。証券会社や銀行など既存の金融機関から独立した立場で資産運用を助言する。04年に導入され、国内の事業者数は850超になる。
 「老後を考えたら今から投資を始めた方がいいかなと」。6月12日、会社員の金田沙織(23)は同僚と富山市内のIFA、Fanのオフィスを訪ねた。「積み立て投資で無理なく増やしてはどうですか」。こんな助言を受けて毎月1万円ぐらいから投資をしてみようと決めた。
 Fanに在席する35人のIFAは、ほぼ全員が証券会社の第一線で活躍してきたトップセールスだ。「当たり前のことを当たり前にやりたい」。運営する尾口紘一(34)も08年に日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)からの独立を決意した。リーマン・ショック後のどん底から地道に顧客開拓を続け口座数は5000を超えた。
 「商品を売るだけでいいのか」。3月に大手証券から独立した男性はそんな疑問を抱いていた。現場には常に「必達のノルマ」が課せられる。会議で進捗を確認される中で「顧客の資産ではなく数字をつくることが最大の課題になっていった」。
 大手証券の営業担当者は3~4年での交代が多い。IFAなら「かかりつけ医」のように長期にわたり顧客と付き合える。子や孫の代までのサポートも可能だ。米国では個人の金融商品販売でIFAのシェアは6割を超える。日本ではまだ発展途上で数%にも満たないが、IFAを志す「脱サラ組」の奮闘は金融商品の販売現場を変える可能性を秘める。(敬称略)
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 「 第 3 の 販 売 チ ャ ネ ル 」  I F A 、
              投 資 助 言 の 担 い 手 な る か

2017/2/10 5:30: http://www.nikkei.com/article/DGXMZO12676610Y7A200C1000000/?n_cid=SPTMG002

  投資信託業界で、銀行や証券会社などの既存の金融機関やインターネット専業の証券会社に次ぐ、「第3の販売チャネル」として独立系の投資アドバイザー(IFA)が注目されている。最近では法人化し複数のIFAが所属するIFA事務所も登場した。
■ 9人のIFAで130億円の仲介実績
 IFA事務所「ファイナンシャルスタンダード」(東京・千代田)はその代表例だ。IFAはこれまで税理士などが顧客の税務相談に応じる一環として、投資信託などの金融商品を提案するケースが多かったが、同社は顧客の投信購入などを証券会社につなぎ、販売手数料などを証券会社と分け合う「金融商品仲介」で実績を伸ばしている。同社の投信や株式、債券の仲介実績は2016年末時点で130億円に達し、半年間で約40億円増加した。
 同社は大手証券会社出身の福田猛社長を中心に12年10月に設立された。現在は9人のIFAが在籍している。楽天証券と提携して顧客に投信を仲介している他、保険商品の販売なども手掛けている。セミナーや既存顧客からの紹介などを通じて着実に顧客数を増やし、毎月40~50人が新たに同社を通じて金融商品を購入している。稼働している口座数も775件まで拡大した。顧客の年齢構成は50~60代が中心だ。
■ 「相場を当てにいく」ことはしない
 同社は商品ありきではなく、顧客ニーズを引き出すコンサルティング営業を目指している。その入り口として、セミナーでは「相場を当てにいく」のではなく、顧客に適した商品を一緒に探すという同社の考え方を知ってもらうことを重視。セミナーから個別面談に進んだ顧客には、家族構成や金融資産の構成、キャッシュフローをヒアリングしながら、投資の目的を明確にして個別の商品提案に移る。
 既存顧客への提案内容は毎朝開く会議で、IFA全員が事前に精査する。1人の顧客について1人の担当者だけで対応するのではなく、他のIFAの意見も取り込んで、より良い提案ができるように心がけているという。会議を通じて若手のIFAのアドバイザーとしての成長を促す狙いもある。こうした取り組みを通じて「会社としてコンサルの質を担保する」(福田氏)ことを目指している。
■ 投信顧客の半数が積み立てを選択
 現在、同社を通じて新たに投信を購入する顧客の半数が積み立てを選択している。年齢的には現役世代からリタイアした世代まで広がっており、購入単価も2~50万円と幅広い。積み立てで購入する商品としては海外の株式で運用する「キャピタル世界株式ファンド」(キャピタル・インターナショナル)が人気商品になっている。
 IFAは国内では成長途上の販売チャネルだが、米国では個人投資家の身近な相談相手となっている。金融庁が16年12月にまとめた「金融審議会市場ワーキング・グループ」の報告書でも、金融機関に「顧客本位の業務運営」を確立・定着させる方策の柱に1つとして、顧客へのアドバイスの担い手の多様化につながるIFAの育成が盛り込まれ、にわかに脚光を浴び始めた。当局の期待通り、IFAが投資アドバイスの担い手に育つのか。今後の展開が注目される。
(R&I ファンド情報編集部)