「老後無気力」と絶縁『生涯現役社会』①
2015年10月8日 お仕事 DIAMOND online/マネー・金融欄【http://diamond.jp/articles/-/79558】2015/10/7 付のサイトで下記のような掲載記事を見かけましたので、ご参考迄に紹介します。
何事も「人生すべてカネ次第」ではありません。毎日健やかな心身の生きがい充実があってこそ、私たち生涯現役仲間たちの願う生き様ですが、拝金主義が蔓延する現代人間社会で敏く生活するための経済価値観も冷静に学ぶ必要があるのもまた現実だといえます。
そこで、“ 老後貧乏から下流老人に転落する分かれ目はどこか ”
などと、興味深く30~40代からマネークライシス対策を下記に語る深田晶恵女子のご意見からも、『生涯現役社会づくり』推進者の私たちは恵まれた同志と如何に人生実践塾を活用できているか感謝したいと存じます。
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「年金崩壊」「定年後破産」などの恐ろしい言葉が飛び交う少子高齢化の現代ニッポン。老後の生活を支えるお金について熟知しておくことは、もはや誰にとっても待ったなしだ。30代でも早すぎない、40代なら今まさに備えを始めたい、老後資金のあれこれを人気FPがわかりやすく指南する。【40代から備えたい老後のお金クライシス!深田晶恵】
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老後のお金クライシス! 深田晶恵 【第26回】 2015年10月7日
老 後 貧 乏 か ら 下 流 老 人 に
転 落 す る 分 か れ 目 は ど こ か
3 つ の 「 な い 」 で 下 流 老 人 に !?
話題の書、「下流老人」(藤田孝典著・朝日新書)と「老後破産~長寿という悪夢」(NHKスペシャル取材班・新潮社)を読んだ。どちらも、年金生活者が普通の生活から些細なきっかけで陥る貧困について、事例を紹介しながら問題解決に向けての提言を行っている。
個人的には、生活支援の現場の実状から書かれた「下流老人」が興味深かった(「老後破産」は、テレビ局らしくジャーナリスティックな切り口で書かれている)。「下流老人」の著者の藤田孝典氏は、NPO法人ほっとプラスの代表理事として10年以上、埼玉県を中心に生活困窮者支援を行っている。
藤田氏は著書のなかで、下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者及びその恐れがある高齢者」と定義し、生活支援の実体験から下流老人には次の3つが「ない」としている。
①収入が著しく少「ない」
②十分な貯蓄が「ない」
③頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)
確かにその通り。この3つが「ない」状態だと、ちょっとしたきっかけで貧困に転じる可能性は高い。
なかでも「収入」と「貯蓄」は密接な関係がある。高齢になるほど、病気や求人の年齢制限などにより、働く意志はあっても働けないケースが増える。そうなると収入はおもに年金だけとなるが、事例で紹介されている高齢者はみなさん、さまざまな事情で年金収入がかなり少ない。
年金が少ないと、蓄えを取り崩しながらの生活をしなくてはならいため、あっという間に貯蓄が減っていく。健康状態が悪化すると、負のスパイラルから抜け出せなくなるのである。
2 つ の 力 が 「 な い 」 と 、
「 老 後 貧 乏 」 か ら 「 下 流 老 人 」 に 転 落 す る !
この連載は、40~50代(おもに男性)に向けて、定年後に「老後貧乏」にならないためのお金の知識と処方箋を伝えることがテーマである。テーマと「40代から備えたい!老後のお金クライシス」というタイトルは、昨年8月に担当編集者が決めてくれた。
連載スタート時点では、NHKスペシャル「老後破産~長寿という悪夢」という番組は放送されていなかったし、「下流老人」も出版されていなかった。2014年9月にNHKスペシャルが放送されると、番組は大きな反響を呼び、今年4月に書籍化。「下流老人」が今年6月に出版されて以降、さらに関心が高まり、雑誌を中心に「老後破産」「下流老人」特集が次々組まれるようになった。
先週、女性雑誌から「深田さん、女性が下流老人にならないためにはどうしたらいいですか」と取材依頼があったときには驚いた。女性雑誌までもが取り上げるということは「ブーム」になっているということ。ブームはしばらく続くことになるだろう。
誰でも将来「下流老人」になる可能性はあるが、全員ではない。40~50代がまず心配すべきは、「老後貧乏」になることだろう。そもそも日本の年金制度は、現役時代の収入を100%保証する制度設計にはなっていないため、定年後は収入が大幅にダウンする。老後資金という蓄えがない限り、誰もが貧乏になるのである。
今の40~50代は、多額の住宅ローンを抱え、ハイパーインフレ気味の子どもの教育費を負担し、自分たちもお金を使うのが好きな消費世代。上の世代に比べ、老後資金準備がままならない人が圧倒的に多い。
FPである私の役割は、現役世代の「老後貧乏予備軍」を1人でも減らすこと。その詳細な方策についてはぜひ本連載のバックナンバーをご一読いただきたいが、それでは万が一「老後貧乏」に陥ってしまったとして、さらにその先の「下流老人」との分かれ目は、どこにあるのだろうか。
私は“制度を知る・利用する力が「ない」”と“少し先を想像する力が「ない」”、この2つの「ない」によって、藤田氏が定義する「下流老人」という貧困状態に陥りやすくなると考える。 つづく
何事も「人生すべてカネ次第」ではありません。毎日健やかな心身の生きがい充実があってこそ、私たち生涯現役仲間たちの願う生き様ですが、拝金主義が蔓延する現代人間社会で敏く生活するための経済価値観も冷静に学ぶ必要があるのもまた現実だといえます。
そこで、“ 老後貧乏から下流老人に転落する分かれ目はどこか ”
などと、興味深く30~40代からマネークライシス対策を下記に語る深田晶恵女子のご意見からも、『生涯現役社会づくり』推進者の私たちは恵まれた同志と如何に人生実践塾を活用できているか感謝したいと存じます。
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「年金崩壊」「定年後破産」などの恐ろしい言葉が飛び交う少子高齢化の現代ニッポン。老後の生活を支えるお金について熟知しておくことは、もはや誰にとっても待ったなしだ。30代でも早すぎない、40代なら今まさに備えを始めたい、老後資金のあれこれを人気FPがわかりやすく指南する。【40代から備えたい老後のお金クライシス!深田晶恵】
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老後のお金クライシス! 深田晶恵 【第26回】 2015年10月7日
老 後 貧 乏 か ら 下 流 老 人 に
転 落 す る 分 か れ 目 は ど こ か
3 つ の 「 な い 」 で 下 流 老 人 に !?
話題の書、「下流老人」(藤田孝典著・朝日新書)と「老後破産~長寿という悪夢」(NHKスペシャル取材班・新潮社)を読んだ。どちらも、年金生活者が普通の生活から些細なきっかけで陥る貧困について、事例を紹介しながら問題解決に向けての提言を行っている。
個人的には、生活支援の現場の実状から書かれた「下流老人」が興味深かった(「老後破産」は、テレビ局らしくジャーナリスティックな切り口で書かれている)。「下流老人」の著者の藤田孝典氏は、NPO法人ほっとプラスの代表理事として10年以上、埼玉県を中心に生活困窮者支援を行っている。
藤田氏は著書のなかで、下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者及びその恐れがある高齢者」と定義し、生活支援の実体験から下流老人には次の3つが「ない」としている。
①収入が著しく少「ない」
②十分な貯蓄が「ない」
③頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)
確かにその通り。この3つが「ない」状態だと、ちょっとしたきっかけで貧困に転じる可能性は高い。
なかでも「収入」と「貯蓄」は密接な関係がある。高齢になるほど、病気や求人の年齢制限などにより、働く意志はあっても働けないケースが増える。そうなると収入はおもに年金だけとなるが、事例で紹介されている高齢者はみなさん、さまざまな事情で年金収入がかなり少ない。
年金が少ないと、蓄えを取り崩しながらの生活をしなくてはならいため、あっという間に貯蓄が減っていく。健康状態が悪化すると、負のスパイラルから抜け出せなくなるのである。
2 つ の 力 が 「 な い 」 と 、
「 老 後 貧 乏 」 か ら 「 下 流 老 人 」 に 転 落 す る !
この連載は、40~50代(おもに男性)に向けて、定年後に「老後貧乏」にならないためのお金の知識と処方箋を伝えることがテーマである。テーマと「40代から備えたい!老後のお金クライシス」というタイトルは、昨年8月に担当編集者が決めてくれた。
連載スタート時点では、NHKスペシャル「老後破産~長寿という悪夢」という番組は放送されていなかったし、「下流老人」も出版されていなかった。2014年9月にNHKスペシャルが放送されると、番組は大きな反響を呼び、今年4月に書籍化。「下流老人」が今年6月に出版されて以降、さらに関心が高まり、雑誌を中心に「老後破産」「下流老人」特集が次々組まれるようになった。
先週、女性雑誌から「深田さん、女性が下流老人にならないためにはどうしたらいいですか」と取材依頼があったときには驚いた。女性雑誌までもが取り上げるということは「ブーム」になっているということ。ブームはしばらく続くことになるだろう。
誰でも将来「下流老人」になる可能性はあるが、全員ではない。40~50代がまず心配すべきは、「老後貧乏」になることだろう。そもそも日本の年金制度は、現役時代の収入を100%保証する制度設計にはなっていないため、定年後は収入が大幅にダウンする。老後資金という蓄えがない限り、誰もが貧乏になるのである。
今の40~50代は、多額の住宅ローンを抱え、ハイパーインフレ気味の子どもの教育費を負担し、自分たちもお金を使うのが好きな消費世代。上の世代に比べ、老後資金準備がままならない人が圧倒的に多い。
FPである私の役割は、現役世代の「老後貧乏予備軍」を1人でも減らすこと。その詳細な方策についてはぜひ本連載のバックナンバーをご一読いただきたいが、それでは万が一「老後貧乏」に陥ってしまったとして、さらにその先の「下流老人」との分かれ目は、どこにあるのだろうか。
私は“制度を知る・利用する力が「ない」”と“少し先を想像する力が「ない」”、この2つの「ない」によって、藤田氏が定義する「下流老人」という貧困状態に陥りやすくなると考える。 つづく