Zakzak:一人前になって初めて社会貢献
2015年8月19日 お仕事〈企業編〉シミック(1) 一人前になって初めて社会貢献
医薬品開発支援(CRO)の草分け的存在のシミック。当局への承認申請を含む新薬の開発全般において、製薬会社を途切れなくサポートする。シミックは社員の多様性や個性を貴ぶ社風が成長の一因といわれているが、中でも「平均年齢62歳、生涯現役!」を標榜する、戦略・薬事コンサルティング部を紹介したい。コンサルティング事業本部の佐藤昇本部長(65)に話を聞いた。
■最高齢コンサルタントは80歳
臨床試験では、対象となる患者さんのご理解と同意が不可欠。その同意説明文書の達人がいる。患者さんに分かりやすい文章をと、どんな薬がきてもサクサク対応する。御年80歳。毎日8時前に出勤し、めったに休むこともないくらい。バリバリの現役だ。
製剤工場もあるシミックだけに、何か特別なお薬でも? と勘ぐりたくなるが、楽しく働くことが元気の秘訣(ひけつ)らしい。40人ほどのメンバーは、製薬会社出身者が多い。定年後にシミックへ転職してくる人がほとんど。
メーカー時代の仕事は、範囲が狭く深かったが、シミックに来たとたん、担当間口が広がった部員が多いそうだ。客先がバラエティーに富み、製薬会社から大学、海外バイオベンチャーまで。相談に乗るうちに、各人幅広くいろいろな分野を担当。
「60歳過ぎてからも、新しいことをどんどん勉強できるなんて」とうれしい悲鳴を上げながら働くメンバーも。さすが、3人に1人が博士号を持つ頭脳集団。最先端技術に触れる毎日こそが、若さの源かもしれない。
■自分が一人前になって、初めて社会貢献できる
話を聞いた佐藤氏は、一時は医科大学で研究生活を送ったことも。ところが、“目に見えて社会に役立つことをやってみたくなって”外資系大手製薬会社へ転職。2002年からシミックへ。現在はコンサルティング事業本部の陣頭指揮を執る。
「とにかく忙しいです。仕事がお客さま相手なので、迅速な対応も必要です。ただ、アメリカのバイオベンチャーなどは、目が覚めるような発想の、最先端技術を見せてくれる。面白いこと考えるな、と感心します」と多様になった仕事を楽しんでいる。
最先端技術についていけるのも、素早い対応ができるのも、各人が「これは自信がある」という技術や経験を持つ専門家だからこそ。一人前になって初めて社会貢献ができると語る。
「医薬品の開発には、総合力が必要」と佐藤氏。社内の仲間や、医師、厚生労働省やクライアントとの関わりプラス科学・薬事知識に実行力・表現力・英語力。“コミュニケーション”なんて言葉が、薄っぺらに感じるほどの総合力が必要だ。
佐藤氏にとって、働くとは、生きがいそのものだそうだ。「同じ働くなら、その道のプロになるために仕事をして、日々何か進歩したなという生活を送ってほしい」と後輩たちにエールを送る。 (「オレンジ世代」取材班)
医薬品開発支援(CRO)の草分け的存在のシミック。当局への承認申請を含む新薬の開発全般において、製薬会社を途切れなくサポートする。シミックは社員の多様性や個性を貴ぶ社風が成長の一因といわれているが、中でも「平均年齢62歳、生涯現役!」を標榜する、戦略・薬事コンサルティング部を紹介したい。コンサルティング事業本部の佐藤昇本部長(65)に話を聞いた。
■最高齢コンサルタントは80歳
臨床試験では、対象となる患者さんのご理解と同意が不可欠。その同意説明文書の達人がいる。患者さんに分かりやすい文章をと、どんな薬がきてもサクサク対応する。御年80歳。毎日8時前に出勤し、めったに休むこともないくらい。バリバリの現役だ。
製剤工場もあるシミックだけに、何か特別なお薬でも? と勘ぐりたくなるが、楽しく働くことが元気の秘訣(ひけつ)らしい。40人ほどのメンバーは、製薬会社出身者が多い。定年後にシミックへ転職してくる人がほとんど。
メーカー時代の仕事は、範囲が狭く深かったが、シミックに来たとたん、担当間口が広がった部員が多いそうだ。客先がバラエティーに富み、製薬会社から大学、海外バイオベンチャーまで。相談に乗るうちに、各人幅広くいろいろな分野を担当。
「60歳過ぎてからも、新しいことをどんどん勉強できるなんて」とうれしい悲鳴を上げながら働くメンバーも。さすが、3人に1人が博士号を持つ頭脳集団。最先端技術に触れる毎日こそが、若さの源かもしれない。
■自分が一人前になって、初めて社会貢献できる
話を聞いた佐藤氏は、一時は医科大学で研究生活を送ったことも。ところが、“目に見えて社会に役立つことをやってみたくなって”外資系大手製薬会社へ転職。2002年からシミックへ。現在はコンサルティング事業本部の陣頭指揮を執る。
「とにかく忙しいです。仕事がお客さま相手なので、迅速な対応も必要です。ただ、アメリカのバイオベンチャーなどは、目が覚めるような発想の、最先端技術を見せてくれる。面白いこと考えるな、と感心します」と多様になった仕事を楽しんでいる。
最先端技術についていけるのも、素早い対応ができるのも、各人が「これは自信がある」という技術や経験を持つ専門家だからこそ。一人前になって初めて社会貢献ができると語る。
「医薬品の開発には、総合力が必要」と佐藤氏。社内の仲間や、医師、厚生労働省やクライアントとの関わりプラス科学・薬事知識に実行力・表現力・英語力。“コミュニケーション”なんて言葉が、薄っぺらに感じるほどの総合力が必要だ。
佐藤氏にとって、働くとは、生きがいそのものだそうだ。「同じ働くなら、その道のプロになるために仕事をして、日々何か進歩したなという生活を送ってほしい」と後輩たちにエールを送る。 (「オレンジ世代」取材班)