日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
       NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ  活 動 で 
                ご  支  援  く  だ  さ  る   会  員  皆  様


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  J.I.メールニュース No.847 2018.02.22  発行
         「 助 成 金 」 か ら 「 情 熱 資 金 」 へ !
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<巻頭寄稿文>
  「 助 成 金 」 か ら 「 情 熱 資 金 」 へ !

                    よろず相談研究所所長     玄 秀盛 

  歌舞伎町で無料の相談を行う「駆け込み寺」を始めて5757日(2018年2月22日現在)。「貧者の一燈」を胸に、寄付や助成金にも支えられての15年と8カ月間、約5万人の人たちを助けてきた。それでも問題を抱える人は日に日に増え続けてる。助成金もなくなって一年近くが経とうとしてる。

  もう無償の事業はパンク寸前まで来てる。

  こんな小規模の「公益社団法人日本駆け込み寺」でも、助成金がなかったら成り立たへんということが日本社会の世相を表してる。どういうことか。

  ボランティアのプロが育たへんということ。

  アメリカなんかでは、誰にもでけへんボランティアをやってる人は億単位の収入を得てたりする。それは、その人を優秀なプレイヤーと見なして応援する文化がアメリカには育っているということ。

  日本のように「ボランティアは清貧でやるもの。金持ってやってるなら、それは道楽やないか」という発想とはまったく違う。企業も団体も関係なく、社会に貢献してる人を応援するという意識に乏しい社会では、金で言いなりになるより生きる術がない。そんな“ひも付き”体質のところにプロフェッショナルは育たへん。日本のボランティアの世界がアマチュアばかりになるのは、そんな土壌が関係してる。

  俺は、プロのプレイヤーを育てたい。ホンマモンの「大義」と「経験」を持つ相談員として、プロ意識のある社会活動家として、この社会に切り込んでいく人を育てたい。

  そして、そういうプロ集団のいる問題解決機関「よろず相談研究所」を創設したい。15年以上にわたって磨き続けてきた大義と経験を世に問いたい。その第一ステップとして、昨秋、月刊「YO-RO-ZUよろず」(定価600円)を創刊した。さまざまな問題の本質を探究し、新しい糸口を世の中に提案していこうと思うてる。言い換えると、問題を抱えた当事者にも、その周りで何とか必死に助けようとしてる人にも有益な、生きる知恵を盛り込んだ現場の哲学満載の雑誌や。

  プロがいて、そのプロを応援する人がいる。その関係性を「一人一冊」の支援のかたちで発信し、この国に根付かせていきたい。「日本駆け込み寺」かて資金不足や。「YO-RO-ZUよろず」を早く自立して、離陸して、大空へ飛び出していかんと、と自らに言い聞かせながら「一人一冊」の支援が実現するよう東奔西走してる。

  今、世の中は善悪論議ばかり。それは「正義」でものごとを考えるから。だから自分で動けんようになる。正義を超える「大義」があれば熱を持って自在に動ける。

  俺にとっては、情熱こそ資本金。あなたの大義の情熱資金を活かす場は、俺がつくります。

  だから、駆け込み寺がパンクして5万人を助けてきた5757日分の大義と経験が消えてなくならないよう「一人一冊」の支援を心からお願いします。
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 玄 秀盛(げん ひでもり)氏プロフィール:1956年、大阪府生まれ。40代前半までは「金儲け」に心血を注いでいたが、2000年にHTLV-1(白血病の原因となるウイルス)の感染者であることが判明。それを機に過去と決別し、2002年、NPO法人日本ソーシャル・マイノリティ協会を設立、家庭内暴力、DV、ストーカー、家出、自殺、引きこもり、多重債務など、さまざまな問題を抱えた人々を救済する活動に身を投じる。2012年、公益社団法人日本駆け込み寺へ業務移行。過去2万件以上の相談を解決。その特異な人生は、渡辺謙主演のドラマ『愛・命~新宿歌舞伎町駆け込み寺~』になった。公益社団法人日本駆け込み寺ホームページhttp://nippon-kakekomidera.jp/