東瀧 邦次さま

編集長コラム) 1  カ  月  で  1  0  0  億  円  集  め  た
       「 ア  イ  ス  バ  ケ  ツ 」 に 学 ぶ 3 つ の こ と

いつもお世話になっております。
7月の終わりごろから、「アイスバケツ・チャレンジ」が世界中の注目を集めました。ご存知の通り、全身の筋肉が萎縮し動かなくなる難病ALSの患者を支援しようと、氷水をかぶって寄付を募る活動です。
ビル・ゲイツ・マイクロソフト創業者やレディ・ガガさん、日本では豊田章夫・トヨタ自動車社長や京都大学の山中伸弥教授らも参加。バケツをかぶる映像はテレビニュースでも数多く取り上げられ、世の中の大きな話題を集めました。
一方で、日本国内では、「氷水をかぶることは単なる『社会貢献ごっこ』に過ぎない」という批判や、有名人や企業が自らの宣伝や『売名』のために参加しているだけ」との批判も出たのです。
それでも、「アイスバケツ・チャレンジ」を見習うべき、3つの理由があると考えます。
第一にその「成果」だ。この運動はほとんどコストを掛けずに、わずか1カ月という短期間で巨額の寄付を集めたのだ。米国のALS協会は8月29日、集まった寄付金が1億ドル(103億円強)に達したと発表した。
一般社団法人日本ALS協会(東京・千代田)にも、8月18~29日の間に2587万円の寄付が集まった。わずか10日間で昨年の寄付額を大きく上回る額が集まったのだ。
日本の大規模NGOの募金収入額トップは日本ユニセフ協会(ユニセフ)が 169 億円(2013年度)。2位はプラン・ジャパンの31億円(同)で、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)、国境なき医師団(MSF)、世界自然保護基金ジャパン(WWF)などが続く。「純国産NGO/NPO」でランキング上位に位置する団体は極めて少ない。
「アイスバケツ」はプラン・ジャパンに対する年間寄付額を、わずか1カ月で達成した形だ。このギャップはどうすれば埋めることができるのだろうか。
第二に、その「手法」だ。不特定多数からたくさんの寄付を集めるためには、ワクワク感や楽しさが必要で、それが米国や欧州人の気質とマッチした。それがすべての日本人に通じるわけではないことも、今回改めて浮き彫りになった。
では、どうすれば良いのか。それは日本や東洋の気質に合ったソーシャル・キャンペーンを編み出していくしかない。しかも、今のところは答えはない。
だが、これから数年で、画期的なファンドレイジングの手法が新たに開発されるかも知れないのだ。
この2-3年の間に日本でも浸透してきた「クラウドファンディング」は、まだら模様ではあるものの、成功事例も相当増えてきた。これは洋の東西を問わず、ひろく一般の共感を得たと言えよう。
オルタナオンライン8月22日付け記事「アイスバケツは日本の寄付文化を変えるか」には次のような下りがあった。
国内最大の寄付サイト「ジャスト・ギビング・ジャパン」を運営する佐藤大吾代表理事は「正直、悔しい」と漏らした。「悔しい」と感じた理由は、このキャンペーンを企画したのが、「プロではないから」だ。
「このキャンペーンは、ALS以外の社会問題にも適用できるし、ALSを知らなかった人でも簡単に参加することができる。ファンドレイジングのプロとして、私たちはなぜこのようなアイデアを思いつけなかったのか」(佐藤代表理事)=引用終わり
そもそも、日本での年間寄付総額は1兆2350億円(2011年)と、世界トップの米国(約23兆8736億円、同)に比べて約20分の1に過ぎない。それは日本人が寄付が嫌いだからでも、お金が無いな訳でもない。
それは、日本に寄付文化が根付いていないからに他ならない。フェイスブックで多くの「いいね!」を獲得しても、それがまだまだ寄付に結びついていない。これからは知恵とマーケティングの戦いであり、NGO/NPOにとっても、それが生存競争で生き残ることができるかを直接、左右する。
三つめに学ぶべきは、「アイスバケツ」を支えた「社会的関心」であろう。日本人社会は、常日ごろから社会貢献意識が高いからだろうか、こうしたスタンドプレーに対して覚めた見方をする人が少なくない。(オルタナ編集長 森 摂)
(この続きは、朝日新聞社WEBRONZAの筆者連載コーナーと月刊誌「月刊総務」連載コラムに近日掲載します)
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アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。むしろダムの維持には高い経済的コストもかかっている。そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。だが「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレイジー」と言われながも川の自由を求め続けてきた人びとの挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起こるドキュメンタリー。製作責任者:イヴォン・シュイナード(米パタゴニア創業者)  詳しくは⇒ http://damnationfilm.net
=============グリーン経営者フォーラム主催イベント===============
◆10/4~5 「皆で稲刈り!」@南伊豆
日本のTPP交渉が大詰めを迎えるなか、私たちが日本農業をどう支えていけるかが問われています。特に、都会に住む人たちが担うべき責任は大きいです。会社ぐるみで農家と関わり合い、お互いを知り、支えあうことが大事です。「職農接近」をキーワードに、まずは多くの企業にお集まり頂き、都会の皆さんに稲刈りをしてもらい、農家と気持ちを分かち合いましょう。下田市でのサーフィンやシーカヤック、田んぼの生き物認証ツアーなど選べるオプションツアーも盛り込んだ充実の内容です。
とき: 2014年10月5日(日)9:00-11:00 ところ: 静岡県南伊豆町近辺
参加費: 21600円(ただし、ただし「初めてのサーフィン」参加者のみ24100円)
詳しくは⇒ http://goo.gl/ALJpHX
==============オルタナ編集長お勧めイベント===================
◆9/6 農山村と都市の新しい結びつきを考える
自然と地域の共生を目指す「有機農業」こそ、ローカルとグローバルを結びつける新たな可能性をもたらすのではないか。農山村消滅論や農協不要論などが叫ばれるなか、3.11以降地域コミュニティに基づく地域の力は重要性を増しています。
都市と農村の関係作りのため、共生の道筋を考えます。
とき: 2014年9月6日(土)13:30-17:00
参加費: 1000円(資料代・学生は500円)
ところ: 國學院大学渋谷キャンパス常磐松ホール(東京都渋谷区東)
詳しくは⇒ http://www.csonj.org/event/140906symposium
◆9/7 ソーシャルビジネスグランプリ2014年夏
「社会をより良くしたい」という志を持った挑戦者を、社会に広めるため、社会起業大学が行っているビジネスコンテストです。「社会起業家グランプリ」と「政治起業家グランプリ」の二部門で、表彰します。挑戦者たちの志に触れ、一人ひとりが立ち上がるきっかけになることを目指しています。
とき: 2014年9月7日(日)13:30-18:00
ところ: 発明会館(東京都港区虎ノ門) 参加費: 3000円(大学生以下1500円)
詳しくは⇒ http://socialvalue.jp/final/2014summer/index.html
◆9/8 東北のリーダー・右腕が語る!連続セミナー第1回
ETIC.は連続セミナーで、東北の復興を支える「右腕」となった人々に焦点を当てます。第1回は大槌町で刺し子商品をつくり、被災地の女性たちの自立を助ける「大槌復興刺し子プロジェクト」 の内野恵美さんにお話いただきます。製造業をしていた経験を生かし、どんな活躍をしているのでしょうか。
とき: 2014年9月8日(月)19:30-21:30 参加費: 無料(要事前申し込み)
ところ: ETIC.渋谷オフィス(東京都渋谷区神南)
詳しくは⇒ http://www.etic.or.jp/recoveryleaders/migiudebosyu11/
◆9/9 人と街がともに育つ「志金」循環の仕組みとは
「資金の確保」は、ソーシャルビジネスやコミュニティビジネスの運営において、大きな課題です。ソーシャルインキュベーションオフィスでは、この「資金」を「志金」と呼び、市民による市民のための循環システムとして東海地方で運営する木村真樹氏を招き、「地域における金融を通じたビジネスを支える仕組み」を考えます。
とき: 2014年9月9日(火)18:30-21:00 参加費: 無料
ところ: ソーシャルインキュベーションオフィス・SUMIDA(東京都墨田区本所)
http://www.tokyo-kosha.or.jp/incubator/sumida/seminar/h26_0909.html
◆9/12 温暖化防止の新枠組み合意のための日本の新目標
温暖化防止に対して、国際的な取り組みが進む一方、日本の対応は停滞しており、新しい目標すら検討されていません。NPO法人気候ネットワークが行う本シンポジウムでは、最新動向を共有しつつ、日本の新しい温室効果ガス排出削減目標のNGO提案を発表します。WWFジャパン気候変動・エネルギーグループリーダーの山岸尚之氏や、気候変動交渉に関わる政府関係者も登壇します。
とき: 2014年9月12日(金)14:00-16:30 参加費: 500円(資料代)
ところ: 参議院議員会館 101号室(東京都千代田区永田町)
詳しくは⇒ http://www.kikonet.org/event/2014-09-12
◆9/16 第3回みなとCSRダイアログ
港区立エコプラザ、みなと環境にやさしい事業者会議(mecc)、オルタナは、社会と企業の対話を活性化させる「みなとCSRダイアログ」の第3回を開催します。第1部では、森ビル株式会社のCSR活動の発表後、討議時間を設け、内容を深めていきます。第2部では、参加者全員でCSRやソーシャル・ビジネス、環境・社会的課題について積極的に意見交換するセッション「CSRダイアログ」を行います。
とき: 2014年9月16日(火)18:00-20:00(隔月で全6回開催)
ところ: 港区立エコプラザ(東京都港区浜松町) 参加費: 無料
定員: 40名(申込み先着順) 詳しくは⇒ http://goo.gl/dPMwUa
◆9/18~19 JFBS第4回年次大会「持続可能性と戦略」
近年、活発に議論されるようになってきた「持続可能性」。分野ごとに独自の理解がなされ、意味が付与されてきましたが、今や研究者も実務家も、単に経済合理性のみに基づいて経営資源や能力の最適配分をするだけでは企業の経済的パフォーマンスの持続可能性が実現できないという現実に直面しています。多様なステークホルダーを満足させながら企業が持続的発展に寄与し、収益性を確保していく企業戦略とはいかなるものか、議論していきます。
とき: 9月18日(木)13:00~20:00(含:交流会)、19日(金)9:00~17:40
ところ: 早稲田大学早稲田キャンパス14号館
参加費: 15000円(会員割引、学生割引あり)
詳しくは⇒ http://j-fbs.jp/annualconf_2014.html
◆9/24締め切り 日本パートナーシップ大賞事例募集
日本パートナーシップ大賞は、NPOと企業の優れたパートナーシップ事例を表彰することで、企業とNPOの協働の重要性を示すことを目的に2002年に始まりました。過去の受賞者にはNPO法人ACEと森永製菓による「チョコレートで児童労働をなくす協働事業」などがあります。応募は日本に所在するNPOと企業の協働事例であれば、行政・大学などが関わったものでも可。
応募期間: 2014年9月9日(火)~24日(水)
応募条件: 応募辞典で継続中または終了後1年以内のもの。
過去の「パートナーシップ大賞」入賞事業を除く。 審査費: 5000円
応募用紙のDLなど詳しくは⇒ http://www.psc.or.jp/award/
◆9/27~28 清水生きもの復活大作戦 秋の巻
放棄耕作地となった山奥の田んぼに水を入れ、生態系を復活させるプロジェクト。開始から5年経ち、カエルやトンボ、また珍しい植物などが見つかってきました。環境整備作業をして、交流会では郷土料理を楽しみます。9月は秋の山里を体験し、集落特産品の原木ナメコを味わう機会も。東京からの往復バスの運行あり。
とき: 2014年9月27日(土)~28日(日) ところ: 新潟県南魚沼市清水地区
参加費: 民宿泊10800円、民家での寝袋泊6800円
詳しくは⇒ http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=8&aid=1142
◆10/9~10 英国IEMA認定CSR資格講習
世界のCSR分野では非常に大きな流れが起きています。気候変動対策、紛争鉱物対応やサプライチェーン問題、生物多様性に関する問題、CSR報告書ガイドラインGRI・G4の発表、国際統合報告フレームワークの発表、国連ビジネスと人権に関する指導原則への取組、欧州CSR戦略への対応……この講習では、ロンドン在住CSRコンサルタントが講師として、世界のCSRのトレンドを踏まえ、欧州最新事例とともにCSRを事業戦略に統合する方法をお伝えいたします。
本資格講習は、英国のIEMA公認資格で、5大陸28か国約650人が資格保持者であり、世界に通用するCSR資格です。
とき: 2014年10月9日(木)・10日(金)両日とも9:00~17:00
ところ: エコ・メディアサロン(東京都港区虎ノ門)
受講費: 通常175500円 (オルタナ読者は専用パスワード「alt01」で15%割引)
詳しくは⇒ http://www.alterna.co.jp/13556
★一般社団法人「グリーン経営者フォーラム」(申請中)会員企業募集中
オルタナは、 2011年以来、任意団体として「グリーン経営者フォーラ ム」を運営してきました。現在全国で約80社に加盟して頂いています。 全国9つのブロックで、グリーンな経営者同士の横のつながりをサポートします。ソーシャル(地域や世界と共生する)でエシカル(倫理的な)、エコロジカル(環境に 配慮した)な企業が集い、地区ごとのセミナーや勉強会、「ソーシャル・アク ション」などを通じて
グリーンな価値観を広げていくのが私たちの狙いです。
入会資格: グリーンな志を持って活動している企業、NPOなど各種 団体全般
申し込み方法など詳しくは⇒ http://www.greenforum.biz
=====================「オルタナ割」について=================
オルタナ編集長メールで紹介した有料イベント、エコツアー、エコグッズのうち
★「オルタナ割」の表示がついたものは3-5%の割引が適用されます。今回の編集長メールでご紹介した、「ZEN呼吸法で心と身体を調えよう!オーガニックコットン収穫と稲刈り合宿」は、3%引きになります。
「オルタナ割」適用をご希望の方は、「オルタナ割」パスワードを明記の上、以下のフォームからご応募ください。 http://bit.ly/1koGQBv
(旅行の申し込みは、リボーンhttp://reborn-japan.com/ からお願します。オルタナでは旅行自体の受付はしておりません)
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★9月1日付け「オルタナ割」/プレゼントとも 今回のパスワード: 稲刈り
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株式会社オルタナ 代表取締役 編集長 森 摂
東京都目黒区駒場1-26-10-304  tel: 03-6407-0266
■オルタナオンライン http://www.alterna.co.jp
■CSRを網羅する「オルタナ総研」 http://www.alterna.co.jp/csr
■若者とソーシャルを結ぶ「オルタナS」  http://www.alternas.jp
◆(新)CSR検定 2015年春スタート!http://www.csr-forum.gr.jp/csr.html
◆全国の書店やアマゾンで発売中◆送料無料でお得なオルタナの定期購読
  定期購読はこちら⇒ http://www.fujisan.co.jp/product/1281682296/
◆オルタナ×新日本有限責任監査法人共催 「CSR部員塾」
  第8期は2014年10月スタート  http://www.alterna.co.jp/11609
◆会社選びのモノサシを変える! 「グリーン天職バイブル2014」
  グリーンな経営者「直筆」による会社案内です。
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