「企業・金融市場が目覚めさえすれば」(10/27付日経:大機小機欄)に日本経済、換言すれば日本社会の惨憺たる現状に奮起を促す下記の記事が目に入った。

 “リーマン・ショック後の株価回復で日本は欧米についていけない。ネットビジネスにおける新興企業の成長が注目されるが、市場の大宗を占めるのは成熟型大企業のはずだ。必死の経営を続けてもPER(株価収益率)は下がり、PBR(株価純資産倍率)で1倍割れもザラだ。

 自己資本利益率(ROE)も低い。自己資本を過剰に蓄積し、経営が攻めの姿勢を見せていないと市場から見られるならこれほど企業経営者にとってつらいことはない。

 企業は努力している。事業のコスト削減と経営資源の集中を究極まで進め、国内に可能な限り事業の核を残して、リスクを承知でアジアへ出た。日中紛争が続こうとも海外展開全体にはブレーキをかけないだろう。

 経営努力を正しく評価してもらうために停滞する市場を目覚めさせる必要がある。市場参加者のうち、不祥事続きの金融商品取引業者は真摯なコンプライアンス(法令順守)体制の整備がなされねば営業は立ち行かないと思い知るべきだ。

 企業も一段の取り組みが求められる。成長戦略では社の伝統を放棄してでも一から内・外需の喚起を目指すモデル・商材を打ち出す必要がある。質の高い堅固な経営体質の構築に改めて取り組むことも大切だ。そうして国際的に見劣りするPBR、ROE向上を果たせば、日本市場への投資資金の回帰があろう。市場関係者個々のミクロの積み重ねが唯一の生き残り策ではないか。(石巻)”

 過って「失われた10年」から「失われた20年」となり、この侭では30年ともなりかねないわが祖国日本。これにはいまだ満足できる生涯現役プレーヤー結束の「生涯現役社会づくり」運動ミエル化に到達していない自己評価への反省もあってのことだ。

 しかし、そのための長期ビジョンを確立して、黙々と上記「企業・金融市場を目覚めさす戦士」が存在することをぜひ下記Blogデご紹介しておきたい。 
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【 直 接 金 融 の プ レ ー ヤ ー を 輩 出 さ せ る メ ッ カ 】

長期投資ガンコおじさん (2012年10月29日 09:41)

 3年前から、関西のある大学院で講義をしている。 毎週土曜日の朝9時から3時間、集中講義を8回やるわけだ。学部出身者と社会人とが半々ぐらいのクラス構成で、たっぷりと頭をこき使う授業にしている。 終わりごろには、学生共々くたくたになる。

 テキストは一切使わない。 こちらが、日本は間接金融一本やりといっていい経済運営システムでやってきたが、その功罪と限界、そして一刻も早く直接金融の流れを確立していくことの重要性を、先ずリードする。 毎回、いろいろな断面を40分ほど話して、後は学生に考えさせる。 考えさせるといっても、ほとんど分かっていない。 金融関係の人もいるが、直接金融に関しては知らないことばかり。

 当然のことながら、翌週まで徹底的に調べ、かつ自分の頭でいろいろ考えてもらう。 それを講義のはじめに発表してもらうのだが、調べが薄っぺらだったり考えが浅かったりで、トコトン追求される。 いろいろ指摘された点をすべて次の週まで、さらに調べ考えることになる。 その積み残しがどんどん重なっていくから、学生は大変。

 といっても、大学院の勉強はそのぐらい猛烈にやってもらわなければ話にならない。 トコトン調べ、トコトン考えさせる。 ちょっとばかしの勉強でプレゼンしたところで、どれほど穴だらけかを嫌というほど思い知らせてやらなければならない。 そのぐらい厳しく鍛えられるのが、直接金融の現場では日常茶飯事なんだから。

 そもそもの始まりが、日本に直接金融のプレーヤーを輩出させるメッカにしようという構想を、大学の方で面白いと受け容れてくれたもの。 まだ大学内でも直接金融に対する認識がそれほど行き渡っていないので、動きは遅々としているのが実情。 来年は勝負をかけようと考えている。

 皮切りは、1月13日(日)に京都で学生募集の大セミナーが行われる。 そこで、学部出身者はもちろん社会人を対象として、日本において直接金融の流れを広く太くしていくことがどれほど重要かを、質疑応答ベースでちょっと実感してもらう。

 日本経済を立て直すには、お金の流れを広く太くしてやり、かつ多様化させなければならない。 そういったプレーヤーになってみようと思うなら、挑戦してみてください。

 実は、さわかみグループ全体が投信から始まって、あらゆる分野で直接金融をすでに実践しているわけだ。 大学院での勉強もあるが、経済や社会の現場で学んでいく方がもっとみになる。 とりわけ、学生諸君や若い人達にはすごいチャンスが広がることになる。 グループの方へ、本気で遊びに来たら?

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