「中国インフラの神様」といわれるHOPE WELL HOLDINGSの胡応湘(ゴードン・ウー)会長が北海道ニセコでホテル事業に進出することを今朝のフジTV「新報道2001」で報じていた。同会長は「トリュフ1900万円」報道の品格:日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061120/114065/ でも慈善活動家としての評価も高い人物である。
 『日本を元気に!』 生涯現役で活躍する事例紹介に、日本を元気づける有力なグローバル生涯現役活動家として、同氏夫妻のネット関連記事を下記に拾ってみた。
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香港に軸足を置き、アジア全域、果ては世界の隅々まで影響を与える香港の富豪たちをフォーカスして、合和集団(ホープウェルグループ)を率いる胡応湘(ゴードン・ウー)氏を紹介したい。同グループの知名度を高めている「合和中心(ホープウェルセンター)」は216メートルを誇る超高層ビル。この設計に胡氏は自ら参画していた。

 もっとも、胡氏の率いる合和実業も創業からずっと順風満帆だったわけではなく、上場直後の73年には偽株事件が発覚し、株式市場全体への信用不安が発生、香港市場全体の株価が暴落するという香港金融史に残る事件を乗り越えている。

 そのような波乱万丈な歴史も、胡氏の実業家としてのエピソードを豊穣なものにしていると言えるかもしれない。

 胡氏は香港の財界では、大胆な投資戦略を実行することで有名である。ここで言う大胆とは、要するに投資金額がめちゃくちゃ大きいということに他ならない。

 例えば、CEPA(貿易経済緊密化協定、中国大陸と香港・マカオそれぞれが対象)に代表されるいわゆる珠江デルタ内の関係緊密化を受け、近年建設の議論が活発になっている「港珠澳大橋」の構想を初めて提案したのは胡氏である。

 港珠澳大橋は、香港から海を隔てて約60キロ離れているマカオ(澳門)と中国大陸の珠海市の三地を結ぶ壮大なインフラ整備事業であるが、胡氏は83年にすでにこの計画を提唱しており、現在もその実現に変わらぬ情熱を示して続けている。

 香港『明報』が3月10日に報じたところによると、港珠澳大橋を実現するには400億香港ドル(約5600億円)を超える建設費と、投資回収に36年の年月が必要であると試算されているが、これ対して、胡氏は「われわれは回収に300年かかるとしても、3年で回収できるとしても、いずれにせよ(投資に)興味がある」と応じたと伝えられている。いかにも大きな投資話を好む胡氏らしい発言と言えよう。

 また、胡氏は慈善家としての活動にも積極的である。2006年に香港の企業家によって史上最高値1900万円のトリュフが落札されたという珍しいニュースがあったが、その時の落札者は胡氏である。

もちろんこのようなメディアに露出しやすい派手なチャリティばかりでなく、香港内外の教育機関への寄付など地道な社会貢献も欠かさない。

 香港は税金が非常に安いので、企業家が慈善事業に寄付をするモチベーションが高まりやすいということもあるが、少なくとも大富豪が慈善事業に積極的にかかわる姿勢自体は好感が持てるものである。

 われわれ日本人は激動の香港で成功した胡氏から、その大胆さと時代に適合する柔軟さ、そしてビジネスとチャリティのバランスのとり方を学んでもよいのかもしれない。
(執筆者:田中素直・株式会社ユニオール代表取締役)