「 生 涯 現 役 」 で 、 必 ず 日 本 は 元 気 に な る !

                   日本生涯現役推進協議会/NPO法人 ライフ・ベンチャークラブ
                                 代 表  東 瀧  邦 次 
                                      
 世界で唯一の生涯現役実践道場を創設して、26年が経過した。創設した頃は、「へぇー! 生涯現役ね? 結構じゃないの。でも、永年会社に縛られた挙句、まだまだ働かされるのは、真っ平ご免だね!」という反応が、まずは大多数の意見だった。

 経済大国バブル期で花見酒に酔った当時の鼻息はいま影形もなく、超高齢社会到来で、長期右肩下がりデフレ不況に加え、阪神大震災に次ぎ、またも東北関東大震災に襲われた国難に、国民は一体どう対処すればよいのか。今や一刻も猶予できない瀬戸際に立たされている。

 「生涯現役」の四字熟語に私が執着し始めたのは、企業のサラリーマンとして組織活動に関わった立場から、離職後の人生に納得できる生きがいを見つけて、死ぬまでその道を歩み続けられるのか、と自問自答し続けていたからだろう。

 凡人一人の脳力など限りがある。同じ願望をもつ人たちと一緒に考えて、人生冒険(ライフ・ベンチャー)の旅立ちをしたい人、この指止まれ!と『ライフ・ベンチャーのすすめ』という本を1985年に自費出版で呼びかけた。嬉しいことにそれ以来、延3万人以上の方々と生涯現役について語り合うことができた。

 その話し合いや研究会、セミナー、フォーラム等を通じて学べたことは、生涯現役に総論賛成の人たちでも各論では各自各様の生き方があり、その人生哲学や人生目標から学ぶべきことは、人生「我以外、皆師!」の習得であった。

 その総論・各論から悟ったのは、第一が確りと生涯現役の志をもつこと、第二にそのための周到な準備をすること、第三に自分の持ち味・特技を活かすこと、第四に信頼できる生涯現役の仲間をもつこと、最後に生涯現役は成功報酬であること…だと『生涯現役塾』を通して、生涯現役五原則を確立した。

 1985年クラブ発足から毎月休まずに継続した『生涯現役塾』は310回を重ね、五原則に則る会員制クラブ運営を基軸に、会員自主活動が首都圏の主要沿線毎に地域集会を生み、「生涯現役と生きがいづくり」が語り継がれている。

 会員各様の、さらに幅広く諸団体の生涯現役活動を当グループ集団と連帯するための、「生涯現役社会づくり支援ネットワーク」を構想し、賛同した諸団体と日本生涯現役推進協議会を2004年設立。『生涯現役情報交流フォーラム』開催、個人の生涯現役点活動を団体の線活動、社会への面活動へと拡充に努めている。

 その結果、会員各人の生涯現役が「日本を元気に!/生涯現役社会づくり」の一角でも担えると、生涯現役を展開させる工夫や仕組みなど誰もが実感できて、「生涯現役」が超高齢化社会の閉塞感を解決できる有力な鍵だと思えてくる。

 目前の2015年には、65歳以上の高齢者人口は、総人口の26%(3,277万人)強といわれる。4人に1人が被扶養化する確定予測社会を放置すれば、年金、老人医療費等福祉制度は破綻して、次世代の生産年齢層に過剰なツケが圧し掛かるのは、明白であるからその対策は喫緊の課題だ。

 私たちは元気に働ける限り、年齢に関係なく、生涯現役実践プロの「生涯現役社会づくり支援ネットワーカー」として、自分の特技・持ち味をフル活用して、元気である限り地域で役立ちを発揮できる様々な組織ネットを構築させたい。

 その実践プロを「生涯現役プロデューサー」として、既に仮登録の募集を開始している。仮登録者は前述の生涯現役五原則により、生涯現役塾で特技・持ち味の活用ネットワーカーとして担当能力を認められ次第、本登録者として組織展開にも参画していく各自世代責任の推進役も果たす必要があろう。

 生涯現役プロは、当面NPO法人ライフ・ベンチャー・クラブ会員中心に応募中だが、仮登録応募は年齢・性別・地域など一切問わず、「生涯現役社会づくり支援ネットワーカー」意欲のある希望者なら全てOKだ。

 2012年から65歳企業定年者の大退職期が始まる。その定年後の生きがい創造に関心の高まりが予想できる一例で、若年求職難に対応できる退職年代層との世代協働ベンチャー企画が生涯現役実践家のネットワーカーなら生み出せると思う。

 いずれにしてもわがライフワークは、常に生きがいを創造する「生涯現役社会づくり」実現への推進役に徹したい。「自分の可能性に挑む生涯現役精神」で、「日本を元気に!」国民主体運動の社会的使命に仕えることだ。