「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑱
2013年12月23日 お仕事 高石知二氏が運営する「株式会社 いろどり」は、市況や出荷状況など最新の詳しい情報を農家の皆さんに提供し、出荷要請やアドバイスを行うそうですが、最終判断はすべて農家の皆さんが行うので、これが数字に強いお年寄りを生み出しているそうです。
一家四世代で「彩」事業の当時80代後半のおばあちゃんは、テレビ番組取材に答え、こう云っていました。“ 昔は身体を使うて稼いどったけど、今は頭を使わんとあかん時代になった。けど考えてやったことが当たると、ホンマに面白いな ”と。
90歳近いお歳で、こういう「仕事が脳力を鍛える」意欲溢れる発言ができるとは誠に恐れ入る次第ですが、「彩」の仕事を始める前の60歳代頃より80歳代の今のほうが、はるかに脳力向上をさせた人が多いようです。
葉っぱの仕事は指先を使うのでその刺激で脳が活性化され、頭を若返らせる効果もあるようです。病気から麻痺した身体のリハビリを兼ねての、葉っぱの仕事に励んでいる人もいるといいます。
様々な面から脳のトレーニングや活性化に役立ち、認知症予備軍と恐れられる年齢になってからでも始められるので、横石氏自身がこれほど有難い「生涯現役社会づくり」の仕事はないと感謝しています。
35年前、上勝町農協営農指導員として横石氏が赴任した頃の同町では、男性は主に農林業や建設業で働いていました。何かといえば補助金話題の話ばかりの行政頼り、ひと様頼りで、地方や田舎が閉塞していくのは、永年の依存的な生活習慣にあると思われました。
人は誰かがしてくれると思うと、自分の脳力を鍛える努力をしなくても済みます。地域の行政は補助金に頼り、住民は昔から同じことの繰り返しで進歩発展の改革にチャレンジする本当の喜びを味わおうとはしません。
脳神経細胞は同じ回路を信号が通る習性がありますから、それを変えない方が安心感・安定感があって、敢えて革新的なことは考えなくていいというのが普通の発想です。
「彩」事業開始以来、商品に磨きをかけるための講演会や研修視察のたびに農家の協力者たちに参加していただくと、“ 横石さん、今日の講演は良かったな。私ら勉強になったわ ” と云ってくれても、家に帰るとまた元通り。
見学バスで先進地へ視察すると、“ あそこはええことしよるな。勉強になった ”と感心した矢先の帰路に、車中で一杯飲み始めるとまた元の木阿弥の「考えない生活習慣」に逆戻りすることにしばしば悩まされたようです。
また、その頃の上勝町では徳島流のルーズな「阿波時間」が主流で、事業開始当初は、決められた会合の約束や時間の遵守は不徹底だったようです。しかし、事業が軌道に乗り始めると、「やるべきこと」を各自が自覚し始めて、曇っていた顔が輝き始めたのも見事な脳力発揮の成果が実ったからだといいます。つづく
一家四世代で「彩」事業の当時80代後半のおばあちゃんは、テレビ番組取材に答え、こう云っていました。“ 昔は身体を使うて稼いどったけど、今は頭を使わんとあかん時代になった。けど考えてやったことが当たると、ホンマに面白いな ”と。
90歳近いお歳で、こういう「仕事が脳力を鍛える」意欲溢れる発言ができるとは誠に恐れ入る次第ですが、「彩」の仕事を始める前の60歳代頃より80歳代の今のほうが、はるかに脳力向上をさせた人が多いようです。
葉っぱの仕事は指先を使うのでその刺激で脳が活性化され、頭を若返らせる効果もあるようです。病気から麻痺した身体のリハビリを兼ねての、葉っぱの仕事に励んでいる人もいるといいます。
様々な面から脳のトレーニングや活性化に役立ち、認知症予備軍と恐れられる年齢になってからでも始められるので、横石氏自身がこれほど有難い「生涯現役社会づくり」の仕事はないと感謝しています。
35年前、上勝町農協営農指導員として横石氏が赴任した頃の同町では、男性は主に農林業や建設業で働いていました。何かといえば補助金話題の話ばかりの行政頼り、ひと様頼りで、地方や田舎が閉塞していくのは、永年の依存的な生活習慣にあると思われました。
人は誰かがしてくれると思うと、自分の脳力を鍛える努力をしなくても済みます。地域の行政は補助金に頼り、住民は昔から同じことの繰り返しで進歩発展の改革にチャレンジする本当の喜びを味わおうとはしません。
脳神経細胞は同じ回路を信号が通る習性がありますから、それを変えない方が安心感・安定感があって、敢えて革新的なことは考えなくていいというのが普通の発想です。
「彩」事業開始以来、商品に磨きをかけるための講演会や研修視察のたびに農家の協力者たちに参加していただくと、“ 横石さん、今日の講演は良かったな。私ら勉強になったわ ” と云ってくれても、家に帰るとまた元通り。
見学バスで先進地へ視察すると、“ あそこはええことしよるな。勉強になった ”と感心した矢先の帰路に、車中で一杯飲み始めるとまた元の木阿弥の「考えない生活習慣」に逆戻りすることにしばしば悩まされたようです。
また、その頃の上勝町では徳島流のルーズな「阿波時間」が主流で、事業開始当初は、決められた会合の約束や時間の遵守は不徹底だったようです。しかし、事業が軌道に乗り始めると、「やるべきこと」を各自が自覚し始めて、曇っていた顔が輝き始めたのも見事な脳力発揮の成果が実ったからだといいます。つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑰
2013年12月22日 お仕事 横石知二氏がテレビ東京/経済トーク番組「カンブリア宮殿」に出演した際に、インタビュアー作家の村上 龍氏が云われた。“ 何をやっていいか分からないのは本当に恐ろしい。何もやることがない。それがいかに(人生)恐ろしいことか ”と。
高齢者に限らず、若い人でも全くそれは同様です。何をやっていいか分からず、不安になっている若い人が、いまの時代は大部分です。そこでやることがなければ、不安は永遠に続きます。今日やること、明日やることがあれば、現実が見えてくるし、良い生き方につなげて行けるという訳です。
その趣旨から「生涯現役社会のつくり方」では、未来が描ける福祉、産業福祉構造の重要性を横石氏は主張しています。後期高齢者のネーミングでは「後期」と名指しされると、高齢者はもう人生終りというように聞こえ、未来への思いやりが何もないと・・・。
現行の老人医療や福祉では、高齢者がひとたび病院や施設に入れば、そこで終わってしまうように感じないだろうか? 病院や福祉施設にそういう幻滅を抱くと、そこに高齢者の将来が見えず、人生可能性の拡がりが感じられないのです。
介護サービス民営化により、立派な老人ホーム・保健施設など箱モノが全国にどんどん建てられています。民間介護事業者はハード面を充実させればさせるほど、経営上入居者を増やす、高齢者の呼び込みに腐心します。
介護施設ができて本当に助かる高齢者のために必要なことは当然です。でも、介護サービスや後期高齢者の医療制度は、単なる結果対策でしかありません。高齢者の生きがい尊厳を重視する、本当に幸せな居場所を備える制度の工夫がもっと必要ではないでしょうか。
難しいことではありますが、「生涯現役社会のつくり方」に欠かせないのは労わる福祉だけではなく、元気なお年寄りをつくる福祉、お年寄りが未来を描けるような「彩」型福祉を訴える横石氏の主張に、私たちは心からのエールを送ります。
そして「彩」型産業福祉に共通する考えの、大都市中心での定年退職予定の高齢者を活かす産業福祉に挑む、日本生涯現役推進協議会は『生涯現役プロデューサー』を養成してい区予定です。
今後その意味での民間主導「生涯現役社会づくり」推進に当っては、上勝町の「彩」事業の皆様と協働活動の展開をこちら日本生涯現役推進協議会からもぜひ呼びかけたいと願っております。 つづく
高齢者に限らず、若い人でも全くそれは同様です。何をやっていいか分からず、不安になっている若い人が、いまの時代は大部分です。そこでやることがなければ、不安は永遠に続きます。今日やること、明日やることがあれば、現実が見えてくるし、良い生き方につなげて行けるという訳です。
その趣旨から「生涯現役社会のつくり方」では、未来が描ける福祉、産業福祉構造の重要性を横石氏は主張しています。後期高齢者のネーミングでは「後期」と名指しされると、高齢者はもう人生終りというように聞こえ、未来への思いやりが何もないと・・・。
現行の老人医療や福祉では、高齢者がひとたび病院や施設に入れば、そこで終わってしまうように感じないだろうか? 病院や福祉施設にそういう幻滅を抱くと、そこに高齢者の将来が見えず、人生可能性の拡がりが感じられないのです。
介護サービス民営化により、立派な老人ホーム・保健施設など箱モノが全国にどんどん建てられています。民間介護事業者はハード面を充実させればさせるほど、経営上入居者を増やす、高齢者の呼び込みに腐心します。
介護施設ができて本当に助かる高齢者のために必要なことは当然です。でも、介護サービスや後期高齢者の医療制度は、単なる結果対策でしかありません。高齢者の生きがい尊厳を重視する、本当に幸せな居場所を備える制度の工夫がもっと必要ではないでしょうか。
難しいことではありますが、「生涯現役社会のつくり方」に欠かせないのは労わる福祉だけではなく、元気なお年寄りをつくる福祉、お年寄りが未来を描けるような「彩」型福祉を訴える横石氏の主張に、私たちは心からのエールを送ります。
そして「彩」型産業福祉に共通する考えの、大都市中心での定年退職予定の高齢者を活かす産業福祉に挑む、日本生涯現役推進協議会は『生涯現役プロデューサー』を養成してい区予定です。
今後その意味での民間主導「生涯現役社会づくり」推進に当っては、上勝町の「彩」事業の皆様と協働活動の展開をこちら日本生涯現役推進協議会からもぜひ呼びかけたいと願っております。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑯
2013年12月21日 お仕事 「彩」事業をやることで、横石氏は上勝町の高齢女性の方たちから数多くの『生涯現役社会のつくり方』に役立つ大事なことを様々に教えられたといいます。それは企業定年後のサラリーマンOBにも共通する心しておくべきことだろうと思います。
“ 横石さん、朝起きた時にすることがないというのは、おカネの面でも、生活する気力の面でも、ものすごく不安なんよ ”と。 自立心が旺盛な人、家族の生活に責任を持っている立場の人ほど、その気持ちを率直に感じるのではないでしょうか。
自分の現実がすぐ目の前になかったら、すごく不安だというのです。だから高齢者がいくらおカネを持っていても、使うと減るだろうからと財布の口を固く締め、絶対にカネを使わないようになっているという、それは先が読めない不測の現代では尚更のことです。
「失われた日本の20年」と云われて来たように、わが国の景気実体は円高デフレが混在する、購買意欲をそそらない、現ナマ保有が優先する経済環境下でこれまで推移してきました。とにかく貯めておかないと先が不安だ。だから行動もしないで、引っ込み思案の様子見ばかりでデフレが進行したのです。
こういう思考停止型の無気力環境に人は置かれると、大抵の人は将来への夢や希望を抱こうとする人生未来を見失いかねません。ですから、過去の上勝町での愚痴や悪口のマイナス話題からは、地域の誇りなど決して見出だせなかったのです。
朝起きて何もやることがないという人生虚無主義では、プラス思考など生まれっこありません。でも朝起きた時に今日することがあれば、現実の一日のことが見えてくるから、例え沢山おカネが無くとも前向きの良い生き方ができる・・・と「彩」事業の人たちは語ります。
これを聞いた時、横石氏はすごい読みでその通りだなと思い、『生涯現役社会のつくり方』の著書の中に、「朝起きた時にやらなければいけないことがあるかどうか」を訊ねています。
「彩」のおばあちゃんたちには、朝起きてやらなければいけないことがある。その役割があるから、高齢でも事業主として自立していて、それが結果的に老人医療費の抑制につながっているという具合なのです。 つづく
“ 横石さん、朝起きた時にすることがないというのは、おカネの面でも、生活する気力の面でも、ものすごく不安なんよ ”と。 自立心が旺盛な人、家族の生活に責任を持っている立場の人ほど、その気持ちを率直に感じるのではないでしょうか。
自分の現実がすぐ目の前になかったら、すごく不安だというのです。だから高齢者がいくらおカネを持っていても、使うと減るだろうからと財布の口を固く締め、絶対にカネを使わないようになっているという、それは先が読めない不測の現代では尚更のことです。
「失われた日本の20年」と云われて来たように、わが国の景気実体は円高デフレが混在する、購買意欲をそそらない、現ナマ保有が優先する経済環境下でこれまで推移してきました。とにかく貯めておかないと先が不安だ。だから行動もしないで、引っ込み思案の様子見ばかりでデフレが進行したのです。
こういう思考停止型の無気力環境に人は置かれると、大抵の人は将来への夢や希望を抱こうとする人生未来を見失いかねません。ですから、過去の上勝町での愚痴や悪口のマイナス話題からは、地域の誇りなど決して見出だせなかったのです。
朝起きて何もやることがないという人生虚無主義では、プラス思考など生まれっこありません。でも朝起きた時に今日することがあれば、現実の一日のことが見えてくるから、例え沢山おカネが無くとも前向きの良い生き方ができる・・・と「彩」事業の人たちは語ります。
これを聞いた時、横石氏はすごい読みでその通りだなと思い、『生涯現役社会のつくり方』の著書の中に、「朝起きた時にやらなければいけないことがあるかどうか」を訊ねています。
「彩」のおばあちゃんたちには、朝起きてやらなければいけないことがある。その役割があるから、高齢でも事業主として自立していて、それが結果的に老人医療費の抑制につながっているという具合なのです。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑮
2013年12月20日 お仕事 もう何年も前の話として、生涯現役の「彩」の仕事で夢の種を蒔く・・・と横石知二氏は、紅葉の苗木を植えていた一人のおばあちゃんを紹介しています。最初にその植えている姿を見た時は本当に驚いた・・・といいます。
それは、80歳代半ばにもなって、何でいまさら苗木を植えるのかと・・・、苗木が成長して葉っぱを取れるようになるまで、一体何年かかるのか分からないからです。横石氏はそのおばあちゃんに訊いてみたそうです。
“ ばあちゃん、この苗木、どうしてこの苗木植えてるの? ”おばあちゃんはこう応えたそうです。“ 横石さん、私しや何歳まで生きられるだろうか。ほらぁ生きとう間には、葉っぱは取れんかも分からん。ほんでも生きとううちは、これをやりたいんよ ”
“ 100まで生きれるか、もっと生きれるかも分からん。だから、自分が生きとううちは、ずっとこれをやっていきたい ” 横石氏は重ねて質問したそうです。 “ ほな、これ、ばあちゃんができんようになったら、どないするで?・・・ ”
おばあちゃんの返事はこうだったそうです。“ これは、子や孫が継いでくれる夢の種を育てよるんじゃ ” いい言葉だな・・・と思ったそうです。数年後に成長した木から自分が葉っぱを取れるかどうかは分からない。それでも今、こうして夢の種を蒔かないと可能性は始まらないと・・・。
夢の種を蒔くことには結局、二つの意味があると横石氏は云います。一つは子や孫、後継者に将来をつなぐこと。もう一つは、自分自身の可能性を拡げていくことだというのです。
自分自身が何歳まで生きられるかの、天命は分かりません。90歳なのか100歳なのか、もっと短いのか。でも植えておいたら、自分ができなくなったとしても誰かがやってくれるのではないか。それを期待することが出来る・・・と横石氏はその人生先輩から教えらたようです。
例えば自分が80歳だとして、種を蒔き、苗木を育てるとします。5年後、10年後、もしかすると自分で葉っぱを収穫できるかも知れない。だから、その可能性に向かって種を蒔き、苗木を植えるのだという訳です。
80歳も超えると、同じ5年先でも70歳の人とは可能性が大分違うのは、よく理解できます。しかし、それでも「彩」のおばあちゃんたちは毎年のように苗木を植えているといいます。
それはもう、明らかにホンネの生きがいになっているからであり、後継者も育てているからだと存じます。わが「日本生涯現役推進協議会」の『生涯現役プロデュ-サー』システムの構想は、まだ緒についたばかりです。
『生涯現役社会づくり』を推進する私たち自身も、『生涯現役』という夢の種を試行錯誤しながら、いま慎重に活動を試みています。「彩」事業のような夢の種をビジネスモデル化した販売商品の中身は、まだ仲間たちと共有する段階ではありません。
民間主導で脳力発揮の意欲をもった『生涯現役プロデューサー』として、いま各自がその役割を専ら各自が手探りで研究中です。その個々のモザイク部分を総合的に『生涯現役社会づくり』で示せるビジネスモデル事業化が、愈々来2014年度の具体的段取り目標となっています。
そのため月例『生涯現役シリーズ塾』活用だけでは、どうしてもビジネスモデル研究の共通理解には不足する部分をすでに発足した火曜会&木曜会、また独自構想のインターンシップ実施など構想しています。
そのためには『生涯現役社会づくり』の当方理念にご賛同いただく個人・企業と幅広く活動計画を協働実践しつつ、自社定年予備軍の高齢者たちの協働研鑽で、CSRの向上も切望される都内中央区に本社所在する大企業との協働研究も併せて強力に推進したいと考えています。 つづく
それは、80歳代半ばにもなって、何でいまさら苗木を植えるのかと・・・、苗木が成長して葉っぱを取れるようになるまで、一体何年かかるのか分からないからです。横石氏はそのおばあちゃんに訊いてみたそうです。
“ ばあちゃん、この苗木、どうしてこの苗木植えてるの? ”おばあちゃんはこう応えたそうです。“ 横石さん、私しや何歳まで生きられるだろうか。ほらぁ生きとう間には、葉っぱは取れんかも分からん。ほんでも生きとううちは、これをやりたいんよ ”
“ 100まで生きれるか、もっと生きれるかも分からん。だから、自分が生きとううちは、ずっとこれをやっていきたい ” 横石氏は重ねて質問したそうです。 “ ほな、これ、ばあちゃんができんようになったら、どないするで?・・・ ”
おばあちゃんの返事はこうだったそうです。“ これは、子や孫が継いでくれる夢の種を育てよるんじゃ ” いい言葉だな・・・と思ったそうです。数年後に成長した木から自分が葉っぱを取れるかどうかは分からない。それでも今、こうして夢の種を蒔かないと可能性は始まらないと・・・。
夢の種を蒔くことには結局、二つの意味があると横石氏は云います。一つは子や孫、後継者に将来をつなぐこと。もう一つは、自分自身の可能性を拡げていくことだというのです。
自分自身が何歳まで生きられるかの、天命は分かりません。90歳なのか100歳なのか、もっと短いのか。でも植えておいたら、自分ができなくなったとしても誰かがやってくれるのではないか。それを期待することが出来る・・・と横石氏はその人生先輩から教えらたようです。
例えば自分が80歳だとして、種を蒔き、苗木を育てるとします。5年後、10年後、もしかすると自分で葉っぱを収穫できるかも知れない。だから、その可能性に向かって種を蒔き、苗木を植えるのだという訳です。
80歳も超えると、同じ5年先でも70歳の人とは可能性が大分違うのは、よく理解できます。しかし、それでも「彩」のおばあちゃんたちは毎年のように苗木を植えているといいます。
それはもう、明らかにホンネの生きがいになっているからであり、後継者も育てているからだと存じます。わが「日本生涯現役推進協議会」の『生涯現役プロデュ-サー』システムの構想は、まだ緒についたばかりです。
『生涯現役社会づくり』を推進する私たち自身も、『生涯現役』という夢の種を試行錯誤しながら、いま慎重に活動を試みています。「彩」事業のような夢の種をビジネスモデル化した販売商品の中身は、まだ仲間たちと共有する段階ではありません。
民間主導で脳力発揮の意欲をもった『生涯現役プロデューサー』として、いま各自がその役割を専ら各自が手探りで研究中です。その個々のモザイク部分を総合的に『生涯現役社会づくり』で示せるビジネスモデル事業化が、愈々来2014年度の具体的段取り目標となっています。
そのため月例『生涯現役シリーズ塾』活用だけでは、どうしてもビジネスモデル研究の共通理解には不足する部分をすでに発足した火曜会&木曜会、また独自構想のインターンシップ実施など構想しています。
そのためには『生涯現役社会づくり』の当方理念にご賛同いただく個人・企業と幅広く活動計画を協働実践しつつ、自社定年予備軍の高齢者たちの協働研鑽で、CSRの向上も切望される都内中央区に本社所在する大企業との協働研究も併せて強力に推進したいと考えています。 つづく
Altarna別冊:天職バイブル2014/2015発刊
2013年12月19日 お仕事東瀧 邦次さま
いつもお世話になっております。
株式会社オルタナ(代表取締役・森 摂)と日本ES開発協会(会長・矢萩大輔)は、2014年1月28日、オルタナ別冊として『責任ある経営者100人宣言!グリーン天職バイブル2014-2015』を発刊、全国の書店で発売します。
オルタナ別冊『グリーン天職バイブル』は、前代未聞の就職ガイド本です。通常の就職ガイドは人事部などの担当者が書きますが、この本は経営者自らが執筆するのです。これにより普段は見えない経営者の心の内や「魂の叫び」が見えてきます。
いま、日本では3年で3割の新入社員が辞めていくとされます。であれば、経営者がどんな人なのか、何を考えているのかを読んで知ることで、経営者と求職者の心の距離を縮めたいと考えています。
つまり、企業規模や知名度だけで(つまり親が喜びそうな)会社を選ぶのではなく、経営者の「志」やこだわりで企業を選んでもらいたいのです。私たちは、このオルタナ別冊を通じて、「会社選びのモノサシを変える」ことを目的にしています。
掲載企業・NPOの一覧はこちら⇒ http://www.alterna.co.jp/12117
◆1/26 会社選びのモノサシを変える!企業合同説明会「天職TOKYO」
グリーン天職バイブル2014-2015の掲載社のうち、下記の企業・NPOを招き、日本財団(東京・港)で合同会社説明会「天職TOKYO」を開催します。
参加企業(順不同): 株式会社一条工務店、株式会社HASUNA、株式会社フィル・カンパニー、イッツ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社フルッタフルッタ、株式会社コモン、株式会社アイエスエフネット、特定非営利活動法人ETIC.--ほか(現在数社と出場交渉中)。
とき: 2014年1月26日(日)
ところ: 日本財団(東京・港) 参加費:無料 定員:200人
参加者全員に「グリーン天職バイブル2014-2015」(定価1000円)を無料進呈!
お申し込み・詳しくは⇒ http://alternas.jp/work/challengers/48031
================================================
「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」35号 本日発売!
◆第一特集「ソーシャル・ブランディングの時代」
CSRを起点にしたブランディングの構造と手法をまとめました。
冒頭の4ページはこちらからご覧になれます⇒ http://goo.gl/XoYkB5
お求めは全国の書店、アマゾン、富士山マガジンサービスで。
=============オルタナ&オルタナSお勧め記事=================
◆CSRを取締役に持ち込む方法――下田屋毅の欧州CSR最前線(34)
http://www.alterna.co.jp/12095
◆魚介類のCSR調達、IYが最下位から一挙1位に
http://www.alterna.co.jp/12107
◆精神障がい者がカフェインレスのコーヒーを開発・NPOが販売
http://www.alterna.co.jp/12098
◆ネット寄付のジャスト・ギビング・ジャパン、4年で寄付件数10万件
http://alternas.jp/study/it_social/47943
◆民間エリートからNPOへ、「どれだけ働いても疲れなくなった」
http://alternas.jp/work/ethical_work/47590
===============オルタナ編集長お勧め映画======================
◆「和ちゃんとオレ」(監督:曺絹袖)
息子介護をテーマにしたドキュメンタリー映画「和ちゃんとオレ」が
2014年1月18日(土)から公開します。テレビ東京が2008年と2012年に放送し、TXNドキュメンタリー大賞を受賞した番組に追撮と編集を加えた内容です。
晩婚化や非婚化で、働き盛りの息子が介護を引き受けるケースが増えています。「介護する人」を支える仕組みがない社会に警鐘を鳴らす衝撃作です。
詳しくは⇒ http://alternas.jp/study/news/47743
================オルタナ編集長お勧めイベント===================
◆12/17「CSR部員塾」第6期
オルタナ/新日本有限責任監査法人共催「CSR部員塾」は、企業のCSR担当者にCSRについての知見とネットワークを提供することを目的としています。本セミナーは、企業のCSR部に配属されて1-2年未満の方たちにとって必要な知見やノウハウをお伝えします。1コマからの受講も可能です! ぜひご参加ください。
とき: 2013年12月17日(火) 10:30-18:30(1日4講座開講)
ところ: 新日本有限責任監査法人セミナールーム(東京都千代田区霞が関 霞ヶ関ビル33階) 詳しくは⇒ http://www.alterna.co.jp/11609
◆12/18 COP19・COP/MOP9報告会
~NGOはワルシャワ会議をどう見たか 日本はどうするべきか~
国連気候変動会議が2013年11月11日~22日に、ポーランド・ワルシャワで開催されました。2015年に合意予定の新しい国際枠組みへ向けた交渉は進展するのか。著しく足りない各国の排出削減量を底上げするための具体的な協力は合意できるのか。そして、日本は、この交渉の中で積極的な貢献をできるのか。
ワルシャワ会議に参加したWWFジャパンや気候ネットワークなどのNGOメンバーが、会議の成果と日本にとっての意味を詳しく解説します。
とき: 2013年12月18日(水)14:00-16:30
ところ:日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール(東京・千代田)
参加費:1000円 詳しくは⇒ http://p.tl/WWHh
◆12/22 高レベル放射性廃棄物最終処分場―日本におけるコンセンサスの過程高レベル放射性廃棄物最終処分に関して関係者と直接議論できるイベントです。
ゲストには、日本原子力委員会や日本原子力研究開発機構所属者らを迎えます。
賛否の二項対立で終わるのではなく、現状を把握した上で、これからどうしていくべきなのか建設的な議論を交わします。
とき: 2013年12月22日(日)13:00-17:00
ところ:ゲンロンカフェ(東京・五反田) 会費2500円 詳しくは⇒
http://p.tl/WOnQ
◆1/12 フェアトレード・コメディ作品の上映会&トークショー
「フェアトレードって何?」――そんな若者たちの疑問に答えられるコメディ映画が完成しました。短編オムニバスの「フェアトレードボーイ」です。制作したのは、フィリピンの貧困問題に取り組むNPO法人ハロハロ。上映会後には、出演者らのトークショーが行われます。
とき: 2014年1月12日(日)18:30-/20:30-
ところ: シダックスカルチャーホール(東京・渋谷)
参加費:3800円 詳しくは⇒ http://p.tl/Wyvy
◆1/18 40億人のためのビジネスアイデアコンテスト最終審査会
開発コンサルティング会社アイ・シー・ネット(さいたま市中央区)は、社会課題を解決する革新的なアイデアを競う「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト」を開催しています。全161件の応募の中から選ばれた8つのアイデアを発表し合う最終審査会が行われます。果たして、どんなアイデアが出てくるのでしょうか。
とき:2014年1月18日(土)13:00-18:00
ところ:ベルサール六本木(東京・港)
参加費:無料 詳しくは⇒ http://www.icnet.co.jp/bizcon/
※このメールは雑誌「オルタナ」に登録やご縁がありました22889人さまに毎月1日と15日に送信させて頂いています。
不要の際は、その旨をご返信頂けましたら配信を停止いたします。
このメールの転送やブログなどへの転載について弊社の許諾は必要ありません。いつもながらの長文、平にお許し下さい。
============================================
株式会社オルタナ 代表取締役 編集長 森 摂
東京都目黒区駒場1-26-10-304 tel: 03-6407-0266
http://www.alterna.co.jp Twitter: @setsumori, @alterna_japan
================================================
いつもお世話になっております。
株式会社オルタナ(代表取締役・森 摂)と日本ES開発協会(会長・矢萩大輔)は、2014年1月28日、オルタナ別冊として『責任ある経営者100人宣言!グリーン天職バイブル2014-2015』を発刊、全国の書店で発売します。
オルタナ別冊『グリーン天職バイブル』は、前代未聞の就職ガイド本です。通常の就職ガイドは人事部などの担当者が書きますが、この本は経営者自らが執筆するのです。これにより普段は見えない経営者の心の内や「魂の叫び」が見えてきます。
いま、日本では3年で3割の新入社員が辞めていくとされます。であれば、経営者がどんな人なのか、何を考えているのかを読んで知ることで、経営者と求職者の心の距離を縮めたいと考えています。
つまり、企業規模や知名度だけで(つまり親が喜びそうな)会社を選ぶのではなく、経営者の「志」やこだわりで企業を選んでもらいたいのです。私たちは、このオルタナ別冊を通じて、「会社選びのモノサシを変える」ことを目的にしています。
掲載企業・NPOの一覧はこちら⇒ http://www.alterna.co.jp/12117
◆1/26 会社選びのモノサシを変える!企業合同説明会「天職TOKYO」
グリーン天職バイブル2014-2015の掲載社のうち、下記の企業・NPOを招き、日本財団(東京・港)で合同会社説明会「天職TOKYO」を開催します。
参加企業(順不同): 株式会社一条工務店、株式会社HASUNA、株式会社フィル・カンパニー、イッツ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社フルッタフルッタ、株式会社コモン、株式会社アイエスエフネット、特定非営利活動法人ETIC.--ほか(現在数社と出場交渉中)。
とき: 2014年1月26日(日)
ところ: 日本財団(東京・港) 参加費:無料 定員:200人
参加者全員に「グリーン天職バイブル2014-2015」(定価1000円)を無料進呈!
お申し込み・詳しくは⇒ http://alternas.jp/work/challengers/48031
================================================
「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」35号 本日発売!
◆第一特集「ソーシャル・ブランディングの時代」
CSRを起点にしたブランディングの構造と手法をまとめました。
冒頭の4ページはこちらからご覧になれます⇒ http://goo.gl/XoYkB5
お求めは全国の書店、アマゾン、富士山マガジンサービスで。
=============オルタナ&オルタナSお勧め記事=================
◆CSRを取締役に持ち込む方法――下田屋毅の欧州CSR最前線(34)
http://www.alterna.co.jp/12095
◆魚介類のCSR調達、IYが最下位から一挙1位に
http://www.alterna.co.jp/12107
◆精神障がい者がカフェインレスのコーヒーを開発・NPOが販売
http://www.alterna.co.jp/12098
◆ネット寄付のジャスト・ギビング・ジャパン、4年で寄付件数10万件
http://alternas.jp/study/it_social/47943
◆民間エリートからNPOへ、「どれだけ働いても疲れなくなった」
http://alternas.jp/work/ethical_work/47590
===============オルタナ編集長お勧め映画======================
◆「和ちゃんとオレ」(監督:曺絹袖)
息子介護をテーマにしたドキュメンタリー映画「和ちゃんとオレ」が
2014年1月18日(土)から公開します。テレビ東京が2008年と2012年に放送し、TXNドキュメンタリー大賞を受賞した番組に追撮と編集を加えた内容です。
晩婚化や非婚化で、働き盛りの息子が介護を引き受けるケースが増えています。「介護する人」を支える仕組みがない社会に警鐘を鳴らす衝撃作です。
詳しくは⇒ http://alternas.jp/study/news/47743
================オルタナ編集長お勧めイベント===================
◆12/17「CSR部員塾」第6期
オルタナ/新日本有限責任監査法人共催「CSR部員塾」は、企業のCSR担当者にCSRについての知見とネットワークを提供することを目的としています。本セミナーは、企業のCSR部に配属されて1-2年未満の方たちにとって必要な知見やノウハウをお伝えします。1コマからの受講も可能です! ぜひご参加ください。
とき: 2013年12月17日(火) 10:30-18:30(1日4講座開講)
ところ: 新日本有限責任監査法人セミナールーム(東京都千代田区霞が関 霞ヶ関ビル33階) 詳しくは⇒ http://www.alterna.co.jp/11609
◆12/18 COP19・COP/MOP9報告会
~NGOはワルシャワ会議をどう見たか 日本はどうするべきか~
国連気候変動会議が2013年11月11日~22日に、ポーランド・ワルシャワで開催されました。2015年に合意予定の新しい国際枠組みへ向けた交渉は進展するのか。著しく足りない各国の排出削減量を底上げするための具体的な協力は合意できるのか。そして、日本は、この交渉の中で積極的な貢献をできるのか。
ワルシャワ会議に参加したWWFジャパンや気候ネットワークなどのNGOメンバーが、会議の成果と日本にとっての意味を詳しく解説します。
とき: 2013年12月18日(水)14:00-16:30
ところ:日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール(東京・千代田)
参加費:1000円 詳しくは⇒ http://p.tl/WWHh
◆12/22 高レベル放射性廃棄物最終処分場―日本におけるコンセンサスの過程高レベル放射性廃棄物最終処分に関して関係者と直接議論できるイベントです。
ゲストには、日本原子力委員会や日本原子力研究開発機構所属者らを迎えます。
賛否の二項対立で終わるのではなく、現状を把握した上で、これからどうしていくべきなのか建設的な議論を交わします。
とき: 2013年12月22日(日)13:00-17:00
ところ:ゲンロンカフェ(東京・五反田) 会費2500円 詳しくは⇒
http://p.tl/WOnQ
◆1/12 フェアトレード・コメディ作品の上映会&トークショー
「フェアトレードって何?」――そんな若者たちの疑問に答えられるコメディ映画が完成しました。短編オムニバスの「フェアトレードボーイ」です。制作したのは、フィリピンの貧困問題に取り組むNPO法人ハロハロ。上映会後には、出演者らのトークショーが行われます。
とき: 2014年1月12日(日)18:30-/20:30-
ところ: シダックスカルチャーホール(東京・渋谷)
参加費:3800円 詳しくは⇒ http://p.tl/Wyvy
◆1/18 40億人のためのビジネスアイデアコンテスト最終審査会
開発コンサルティング会社アイ・シー・ネット(さいたま市中央区)は、社会課題を解決する革新的なアイデアを競う「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト」を開催しています。全161件の応募の中から選ばれた8つのアイデアを発表し合う最終審査会が行われます。果たして、どんなアイデアが出てくるのでしょうか。
とき:2014年1月18日(土)13:00-18:00
ところ:ベルサール六本木(東京・港)
参加費:無料 詳しくは⇒ http://www.icnet.co.jp/bizcon/
※このメールは雑誌「オルタナ」に登録やご縁がありました22889人さまに毎月1日と15日に送信させて頂いています。
不要の際は、その旨をご返信頂けましたら配信を停止いたします。
このメールの転送やブログなどへの転載について弊社の許諾は必要ありません。いつもながらの長文、平にお許し下さい。
============================================
株式会社オルタナ 代表取締役 編集長 森 摂
東京都目黒区駒場1-26-10-304 tel: 03-6407-0266
http://www.alterna.co.jp Twitter: @setsumori, @alterna_japan
================================================
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑭
2013年12月18日 お仕事 「彩」の仲間が自発的に「生涯現役社会づくり」を推進していけば、その仲間は全員が働き蜂の必要な要員なのです。人間は必要とされていることに応えるために、自らが自然と脳力を使う習慣もできます。だから全てが非常にいい循環になっている・・・と高石氏は説明されます。
果たして「必要とされる自分」になっていると自覚できる高齢者は、この日本にいま現在どれくらい存在しているでしょうか?・・・これはただ横石氏だけではなく、私たち生涯現役仲間の皆様も同様に各地域で、それぞれ自身の周辺社会を含めていま問うているのです。
何もしなくても何でもしてもらえる、与えられる、だから人に言われて始めて動く。そんな環境が高齢者の周辺環境が結構多くあり、それがかえって高齢者のやるべき表情を喪失させていくのではないか・・・と高石氏も私どもも危惧します。
これは単に高齢者だけの問題だとは限りません。次世代の青壮年層にもいえることかも知れません。自分の姿は、いま本当に生きている表現に乏しい顔になってはいないか気付くことだ・・・と彼は云います。
20年後、30年後に次世代がイメージで見習う立場にある高齢者、それは勿論私たち、皆さんも当然の未来像を現在提供しています。そして、いずれは次世代の青壮年たちも、人生先輩になる高齢者予備軍であり、いまは例え若者であっても、まず改めて自分自身を見直す人生目標を高所から俯瞰して欲しいのです。
『生涯現役社会』は以上の事柄を要約すると、その社会の理想像は「全ての人が生涯現役の居場所において必要とされる人で成り立つ社会」だといえるのです。
高齢者になれば現役の選択肢がないから、年金・介護の世話になるだけだ・・・と片面思考で考えるのは、余りにも脳力開発を諦めた思考短絡的な早とちりではないでしょうか。
あなたの存在が周囲に夢と希望を生み出す笑顔一つでも役立ちます。病院で長期療養しながら、いつも見舞客が絶えず、お見舞いされるのは入院患者ではない、むしろ見舞客の側だってあり得るのです。
見舞われる立場にある病人ご本人が、お見舞客一人ひとりの悩み事に親身な人生相談者となって、数多くの身体が健常者の、病んだ心の癒しで元気を与え続けていたといわれる、故三浦綾子女史のような方の事例など・・・を私たちは謙虚に学びたいものです。 つづく
果たして「必要とされる自分」になっていると自覚できる高齢者は、この日本にいま現在どれくらい存在しているでしょうか?・・・これはただ横石氏だけではなく、私たち生涯現役仲間の皆様も同様に各地域で、それぞれ自身の周辺社会を含めていま問うているのです。
何もしなくても何でもしてもらえる、与えられる、だから人に言われて始めて動く。そんな環境が高齢者の周辺環境が結構多くあり、それがかえって高齢者のやるべき表情を喪失させていくのではないか・・・と高石氏も私どもも危惧します。
これは単に高齢者だけの問題だとは限りません。次世代の青壮年層にもいえることかも知れません。自分の姿は、いま本当に生きている表現に乏しい顔になってはいないか気付くことだ・・・と彼は云います。
20年後、30年後に次世代がイメージで見習う立場にある高齢者、それは勿論私たち、皆さんも当然の未来像を現在提供しています。そして、いずれは次世代の青壮年たちも、人生先輩になる高齢者予備軍であり、いまは例え若者であっても、まず改めて自分自身を見直す人生目標を高所から俯瞰して欲しいのです。
『生涯現役社会』は以上の事柄を要約すると、その社会の理想像は「全ての人が生涯現役の居場所において必要とされる人で成り立つ社会」だといえるのです。
高齢者になれば現役の選択肢がないから、年金・介護の世話になるだけだ・・・と片面思考で考えるのは、余りにも脳力開発を諦めた思考短絡的な早とちりではないでしょうか。
あなたの存在が周囲に夢と希望を生み出す笑顔一つでも役立ちます。病院で長期療養しながら、いつも見舞客が絶えず、お見舞いされるのは入院患者ではない、むしろ見舞客の側だってあり得るのです。
見舞われる立場にある病人ご本人が、お見舞客一人ひとりの悩み事に親身な人生相談者となって、数多くの身体が健常者の、病んだ心の癒しで元気を与え続けていたといわれる、故三浦綾子女史のような方の事例など・・・を私たちは謙虚に学びたいものです。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑬
2013年12月17日 お仕事 上勝町の居場所・得意技を発揮する地域「生涯現役社会づくり」で「葉っぱビジネス」創設者として艱難辛苦の20有余年、「彩」事業を見事に成功させたのが横石知二氏その人です。
彼独特の『生涯現役社会づくり』着想がその後に数多くの全国各地からの見学者視察で集め、徳島県上勝町の特定地域だけに止まらない超高齢社会日本への課題解決策に発展してきたところが、同氏著『生涯現役社会のつくり方』は一段と輝きます。
それは、特に“ 必要とされる人間になる ”という、人生長寿時代到来で長らく人間業を営んできた高齢者の尊厳に不可欠な彼の言葉が重要だからです。20年有余の臥薪嘗胆・試行錯誤の貴重な実績・成果を生んだ「彩」事業をバックに発言できる威力があるからです。
元気に働いている上勝の高齢者を見て思うのは、日本の医療・福祉の着想が、医療・介護福祉制度の域を出ず、「産業福祉」という高度成長の可能性を秘めた高齢者の尊厳と病気にさせない積極思考の方向からずれていないか?という全く同感の、率直な同氏ご意見です。
働ける場所や機会は、現状超高齢日本社会に非常に少ない。だからやむなく高齢者は年金に頼って暮らさざるを得ない実情に甘えています。なかにはむしろそれが好都合だと家にいても何もしない「風呂,メシ、寝る」と指図する産業廃棄化ご老人もいるでしょう。
しかしその居場所が家族にも定年後いつまでも放任され、やるべき仕事を見いだせず、社会、近隣とのつながりとなる機会、接点を創り出せない戦後派個人主義教育が産んだ自己チュウ世代層の無責任社会で超高齢日本社会は存続できるかです。
その風潮に流される家庭や学校で育てられ、社会貢献の真意をわきまえない自社本位の社畜化された企業風土で“ 人生いかにいくべきか ”を学ぶゆとりもなく人生を過ごせば、一体自分や次世代の子どもに何を残せるか?未来への夢や希望を示せる高齢者像が示せません。
夢や希望のない老後人生では、心身不調の原因を多分外部に責任転嫁して、安易な病院利用や介護福祉施設の濫用に頼り、無駄な社会資産の浪費者になりかねません。そうなる前に、高齢者を心身不調の病気にさせない手段がもっとあるのではないかと横石氏や私どもは主張するのです。
横石氏は「彩」事業を20数年やってきて、いまになって初めて上勝の高齢者たちが「必要とされる自分」「社会とつながっている自分」を担っていることの素晴らしさ・・・に気付いて驚いていると、自著に書かれています。
よその町とは全然違うし、昔の上勝町の高齢者とも違う。今までこんなことは考えたこともなかったのですが、当然に全日本人の後期高齢者問題を考えている中で、ハッと気付かされたといいます。
「彩」仲間の皆さんが葉っぱを売ることで、おカネ儲けももちろんですが、自分たちの中で連帯してやらないといけない使命感が生まれ、互いに心身に気を付ける習慣ができて、その効果の大きさが発見できる・・・というプラス思考の循環、これが実にお見事なのです。 つづく
彼独特の『生涯現役社会づくり』着想がその後に数多くの全国各地からの見学者視察で集め、徳島県上勝町の特定地域だけに止まらない超高齢社会日本への課題解決策に発展してきたところが、同氏著『生涯現役社会のつくり方』は一段と輝きます。
それは、特に“ 必要とされる人間になる ”という、人生長寿時代到来で長らく人間業を営んできた高齢者の尊厳に不可欠な彼の言葉が重要だからです。20年有余の臥薪嘗胆・試行錯誤の貴重な実績・成果を生んだ「彩」事業をバックに発言できる威力があるからです。
元気に働いている上勝の高齢者を見て思うのは、日本の医療・福祉の着想が、医療・介護福祉制度の域を出ず、「産業福祉」という高度成長の可能性を秘めた高齢者の尊厳と病気にさせない積極思考の方向からずれていないか?という全く同感の、率直な同氏ご意見です。
働ける場所や機会は、現状超高齢日本社会に非常に少ない。だからやむなく高齢者は年金に頼って暮らさざるを得ない実情に甘えています。なかにはむしろそれが好都合だと家にいても何もしない「風呂,メシ、寝る」と指図する産業廃棄化ご老人もいるでしょう。
しかしその居場所が家族にも定年後いつまでも放任され、やるべき仕事を見いだせず、社会、近隣とのつながりとなる機会、接点を創り出せない戦後派個人主義教育が産んだ自己チュウ世代層の無責任社会で超高齢日本社会は存続できるかです。
その風潮に流される家庭や学校で育てられ、社会貢献の真意をわきまえない自社本位の社畜化された企業風土で“ 人生いかにいくべきか ”を学ぶゆとりもなく人生を過ごせば、一体自分や次世代の子どもに何を残せるか?未来への夢や希望を示せる高齢者像が示せません。
夢や希望のない老後人生では、心身不調の原因を多分外部に責任転嫁して、安易な病院利用や介護福祉施設の濫用に頼り、無駄な社会資産の浪費者になりかねません。そうなる前に、高齢者を心身不調の病気にさせない手段がもっとあるのではないかと横石氏や私どもは主張するのです。
横石氏は「彩」事業を20数年やってきて、いまになって初めて上勝の高齢者たちが「必要とされる自分」「社会とつながっている自分」を担っていることの素晴らしさ・・・に気付いて驚いていると、自著に書かれています。
よその町とは全然違うし、昔の上勝町の高齢者とも違う。今までこんなことは考えたこともなかったのですが、当然に全日本人の後期高齢者問題を考えている中で、ハッと気付かされたといいます。
「彩」仲間の皆さんが葉っぱを売ることで、おカネ儲けももちろんですが、自分たちの中で連帯してやらないといけない使命感が生まれ、互いに心身に気を付ける習慣ができて、その効果の大きさが発見できる・・・というプラス思考の循環、これが実にお見事なのです。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑫
2013年12月16日 お仕事 また横石氏は「やることがあると健康にも気を付ける」として、次の事例も紹介しています。それは、地域看護学を研究している徳島大学医学部の多田敏子教授が指導学生たちとの研究チームとして、2006年秋に「彩」農家50人にアンケートを実施した内容だと報告しています。
その結果、「働くことで自身の健康状態が良くなったと感じることにより、いまの生活に対する満足感の向上や、加齢に対する否定的な気持ちの軽減を表す結果につながった」と分析しているそうです」
そして、「働くことが生活リズムを維持し易くし、生活リズムが健康の維持に重要であり、健康感が主観的幸福感に大きく影響を及ぼしている」という考察成果を出していると記述しています。
また多田教授はテレビ番組で「彩」の高齢者について聞かれたときも、高齢者たちが「明日やらなければならないことがあるから、風邪をひかないように気を付けている」と述べている点に注目。高齢者が働くことは健康維持に大きく関連していると指摘しています。
やらなければという日々の目標があるから農家の皆さんは「健康管理に気を付ける」、これは横石氏もまったく同感で、1年間1度も倒れたりしないことを付記するとともに、今日やる仕事や約束がある、明日出演するイベントがある人は、万全の心構えで当日に備えると述べます。
『生涯現役プロデューサー』の使命感を自覚して自主活動を開始し出す人には、私たち生涯現役仲間が最優先事項として申し上げるのが「健康第一」の心構えですと。その厳守意識があればこそ不肖小生などもこの活動の30年間健康を守られているのかも知れません。
それ以前のサラリーマン人生とは比較にならない健康保持の成果を天から与えられて来たと感謝できるのです。私たち会員仲間の多くが折角『生涯現役社会づくり』の協働意欲をもたれながら、健康理由に協働活動に参加できなくなるのは、本当に残念なことです。
毎年必ず健康上の不注意を理由に、仲間との協働活動には穴をあけない努力をして、自己責任の怪我、また風邪などをひかない予防策を講じる。それにはたった一度の大事な人生マラソンを完走する心構えが必要です。
加齢を重ねるごとに、自ら考慮して体調管理には予め年一度の身体データーなども確認したいものです。それが自分の頭のテッペンから手足の末端・身体全体の隅々に“ 一瞬も休まないで身体を支え、頑張ってくれて本当に有難う!”の気持ちを失いたくないのです。
食事・運動・睡眠などで本当に不適切な生活習慣上の不摂生ともいえる後天的理由での大病経験者の不肖私です。身体不調が過去の不注意の累積によることを30歳代前半で痛恨極みの体験で家族に心配させました。
幸か不幸か、それを契機に私自身人生マラソンでの天職を再考する時間を与えられ、自らの「生涯現役」や「人生冒険のライフ・ベンチャー」などをテーマに求めて、以後は真剣に超サラリーマン準備を志向した原動力になったことは事実です。
私事はさて置き、知らず知らず加齢とともに70歳代には健康寿命の重要性が現われてきます。先天性身体障害を抱えながらも、その不運を自ら前向きに克服している敬服する人生偉人に恥じ入るような生活態度は反省したいものです。
わが若年期の軽率な飲酒・喫煙をコントロール不備での死に際一歩手前の大病体験が活きました。その大反省から自分以外の家族・特に子どもや周囲にも思わぬ迷惑を及ぼす事例を見聞する度に、口先だけでの『生涯現役社会づくり』先兵役は務まらないと自覚することは当然だと存じます。 つづく
その結果、「働くことで自身の健康状態が良くなったと感じることにより、いまの生活に対する満足感の向上や、加齢に対する否定的な気持ちの軽減を表す結果につながった」と分析しているそうです」
そして、「働くことが生活リズムを維持し易くし、生活リズムが健康の維持に重要であり、健康感が主観的幸福感に大きく影響を及ぼしている」という考察成果を出していると記述しています。
また多田教授はテレビ番組で「彩」の高齢者について聞かれたときも、高齢者たちが「明日やらなければならないことがあるから、風邪をひかないように気を付けている」と述べている点に注目。高齢者が働くことは健康維持に大きく関連していると指摘しています。
やらなければという日々の目標があるから農家の皆さんは「健康管理に気を付ける」、これは横石氏もまったく同感で、1年間1度も倒れたりしないことを付記するとともに、今日やる仕事や約束がある、明日出演するイベントがある人は、万全の心構えで当日に備えると述べます。
『生涯現役プロデューサー』の使命感を自覚して自主活動を開始し出す人には、私たち生涯現役仲間が最優先事項として申し上げるのが「健康第一」の心構えですと。その厳守意識があればこそ不肖小生などもこの活動の30年間健康を守られているのかも知れません。
それ以前のサラリーマン人生とは比較にならない健康保持の成果を天から与えられて来たと感謝できるのです。私たち会員仲間の多くが折角『生涯現役社会づくり』の協働意欲をもたれながら、健康理由に協働活動に参加できなくなるのは、本当に残念なことです。
毎年必ず健康上の不注意を理由に、仲間との協働活動には穴をあけない努力をして、自己責任の怪我、また風邪などをひかない予防策を講じる。それにはたった一度の大事な人生マラソンを完走する心構えが必要です。
加齢を重ねるごとに、自ら考慮して体調管理には予め年一度の身体データーなども確認したいものです。それが自分の頭のテッペンから手足の末端・身体全体の隅々に“ 一瞬も休まないで身体を支え、頑張ってくれて本当に有難う!”の気持ちを失いたくないのです。
食事・運動・睡眠などで本当に不適切な生活習慣上の不摂生ともいえる後天的理由での大病経験者の不肖私です。身体不調が過去の不注意の累積によることを30歳代前半で痛恨極みの体験で家族に心配させました。
幸か不幸か、それを契機に私自身人生マラソンでの天職を再考する時間を与えられ、自らの「生涯現役」や「人生冒険のライフ・ベンチャー」などをテーマに求めて、以後は真剣に超サラリーマン準備を志向した原動力になったことは事実です。
私事はさて置き、知らず知らず加齢とともに70歳代には健康寿命の重要性が現われてきます。先天性身体障害を抱えながらも、その不運を自ら前向きに克服している敬服する人生偉人に恥じ入るような生活態度は反省したいものです。
わが若年期の軽率な飲酒・喫煙をコントロール不備での死に際一歩手前の大病体験が活きました。その大反省から自分以外の家族・特に子どもや周囲にも思わぬ迷惑を及ぼす事例を見聞する度に、口先だけでの『生涯現役社会づくり』先兵役は務まらないと自覚することは当然だと存じます。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑪
2013年12月15日 お仕事 葉っぱビジネスのお蔭で、上勝町で暮らす高齢者の方々がどう変わったかを同町の住民課保健士長の坂野英子さんが、町のお年寄りを身近に見てその仕事振りや暮らし方を以下のように話している・・・と横石氏は述べています。
“ 這ってでも、畑や山に出ていくのが上勝町の高齢者です。それだけ野菜づくりや美しい緑が好きだし、作った野菜などを子どもや孫にあげるのが楽しみなんです。
園芸療法というのがあるくらいだから、実っていく楽しみはかけがえのないものなのだと思います。ずっと以前からこの町の高齢者は、そうやって暮らしてきました。
そうして自然のものを育てる楽しみが元気を保証してきたところへ、「彩」の仕事ができて、おカネを得られるようになったのが大きいと思うのです。
昔のようにユズやスダチの栽培しかなかったら、高齢者の仕事は果物の選別ぐらいしかなかったけれど、葉っぱビジネスは軽くて、年を取っても、自主的にできます。
果物づくりの次のステップをつくってくれたのがいいですね。市況を読んで出荷するのを博打やと云って楽しんでいるし、ひ孫が遊んでいるなかで孫夫婦が一緒に葉っぱの収穫や選別、出荷作業を手伝い、高齢者を主役にしている。それもまたいいのだと思います ”(財団法人 日本公衆衛生協会『公衆衛生情報/2008年6月号』)
以上の話からも横石氏は、やはり高齢者にとって“ 老(労)働 ” は楽しみになり、働くことで「年金」暮らしが「年収」のある暮らしになって家族の絆も強まり、元気を生むのが分ると云っています。
有業率が高いと医療費は反対に少なくなり、上勝町の自営就業システムを日本全国がめざせば、老人医療費が2兆円は節減できる。“老働”が元気な高齢社会日本の世界に誇れる高齢社会モデルを全世界に提供できるという日本の存在価値が高まります。 つづく
“ 這ってでも、畑や山に出ていくのが上勝町の高齢者です。それだけ野菜づくりや美しい緑が好きだし、作った野菜などを子どもや孫にあげるのが楽しみなんです。
園芸療法というのがあるくらいだから、実っていく楽しみはかけがえのないものなのだと思います。ずっと以前からこの町の高齢者は、そうやって暮らしてきました。
そうして自然のものを育てる楽しみが元気を保証してきたところへ、「彩」の仕事ができて、おカネを得られるようになったのが大きいと思うのです。
昔のようにユズやスダチの栽培しかなかったら、高齢者の仕事は果物の選別ぐらいしかなかったけれど、葉っぱビジネスは軽くて、年を取っても、自主的にできます。
果物づくりの次のステップをつくってくれたのがいいですね。市況を読んで出荷するのを博打やと云って楽しんでいるし、ひ孫が遊んでいるなかで孫夫婦が一緒に葉っぱの収穫や選別、出荷作業を手伝い、高齢者を主役にしている。それもまたいいのだと思います ”(財団法人 日本公衆衛生協会『公衆衛生情報/2008年6月号』)
以上の話からも横石氏は、やはり高齢者にとって“ 老(労)働 ” は楽しみになり、働くことで「年金」暮らしが「年収」のある暮らしになって家族の絆も強まり、元気を生むのが分ると云っています。
有業率が高いと医療費は反対に少なくなり、上勝町の自営就業システムを日本全国がめざせば、老人医療費が2兆円は節減できる。“老働”が元気な高齢社会日本の世界に誇れる高齢社会モデルを全世界に提供できるという日本の存在価値が高まります。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑩
2013年12月14日 お仕事 横石知二氏は自著『生涯現役社会のつくり方』(ソフトバンク新書)序文のなかで次のように述べます。2008年4月に開始された、75歳以上の人たちをそれ以外の世代と切り離して独立させた「後期高齢者医療制度」は、事前の周知不足やその名称が事務的・機械的で心ない印象を招いた強引なやり方だと。
だから国会でも、75歳以上の人の扱いが「姥捨て山」同様なのだという、混乱と批判が出たことを紹介しています。人生50年時代の昔でも役立つ高齢者は、現役世代を家で孫育てする後方支援の大事な役割を果たしました。
お年寄りを一律に弱者扱いの「後期高齢者」とか「姥捨て山」といったネガティブなイメージではなく、逆に経験と知恵が豊富で将来の可能性を示してくれる非常にポジティブで貴重な切り札といった存在と認め、その尊厳を次世代に継承させてこそ社会が活性化します。
だから高石氏同様に私たち生涯現役推進協議会でも、「後期」高齢者ではなく、『好期』高齢者と理解し、高齢になった時こそが思う存分「好きな期」、自分の好きなことや得意なことを自由にできる「絶好期」だというべきでしょう。
これから増々高齢化が進む日本です。高齢者の医療費増大が深刻な問題になり、人口比が減少する若い世代にその負担が集中し過ぎないよう、高齢者もできるだけ医療費を負担すること自体は尤もなことです。だからこそその負担にも理解し協力できる「好期」高齢者を増やしたい。
そして、自分の好きなことが生きがいとなり、生涯現役で活躍できる元気な高齢者が増えれば、膨らむ一方の医療費は必ず抑制され、生涯現役高齢者を元気にする仕組みをつくれば、21世紀日本の超高齢社会も維持可能になる将来性も高まります。
四国徳島県上勝町の第3セクタ-によって設立された「株式会社いろどり」の横石社長は、「好期」高齢者の時代は、ただ何となくでは創れない、自らそうなろうとアクションを起こす現役志向の高齢者輩出に注力しています。
高齢者支援は不可能だとか、無意味な助成金に頼るような支給策に走らず、本気でアクションを起こしたくなるような仕組みづくりが大切だ・・・と横石氏は自らの実践・実績をベースに『生涯現役社会のつくり方』で述べています。
年を取った時が「好期」になれば、老後と思われた人生は将来の可能性が広がり、「姥捨て山」どころか家族の絆も強固になり、高齢者自身が家庭・地域・社会とつながっている自分を感じながら、本当にいい笑顔を浮かべられるようになるのは当然です。 つづく
だから国会でも、75歳以上の人の扱いが「姥捨て山」同様なのだという、混乱と批判が出たことを紹介しています。人生50年時代の昔でも役立つ高齢者は、現役世代を家で孫育てする後方支援の大事な役割を果たしました。
お年寄りを一律に弱者扱いの「後期高齢者」とか「姥捨て山」といったネガティブなイメージではなく、逆に経験と知恵が豊富で将来の可能性を示してくれる非常にポジティブで貴重な切り札といった存在と認め、その尊厳を次世代に継承させてこそ社会が活性化します。
だから高石氏同様に私たち生涯現役推進協議会でも、「後期」高齢者ではなく、『好期』高齢者と理解し、高齢になった時こそが思う存分「好きな期」、自分の好きなことや得意なことを自由にできる「絶好期」だというべきでしょう。
これから増々高齢化が進む日本です。高齢者の医療費増大が深刻な問題になり、人口比が減少する若い世代にその負担が集中し過ぎないよう、高齢者もできるだけ医療費を負担すること自体は尤もなことです。だからこそその負担にも理解し協力できる「好期」高齢者を増やしたい。
そして、自分の好きなことが生きがいとなり、生涯現役で活躍できる元気な高齢者が増えれば、膨らむ一方の医療費は必ず抑制され、生涯現役高齢者を元気にする仕組みをつくれば、21世紀日本の超高齢社会も維持可能になる将来性も高まります。
四国徳島県上勝町の第3セクタ-によって設立された「株式会社いろどり」の横石社長は、「好期」高齢者の時代は、ただ何となくでは創れない、自らそうなろうとアクションを起こす現役志向の高齢者輩出に注力しています。
高齢者支援は不可能だとか、無意味な助成金に頼るような支給策に走らず、本気でアクションを起こしたくなるような仕組みづくりが大切だ・・・と横石氏は自らの実践・実績をベースに『生涯現役社会のつくり方』で述べています。
年を取った時が「好期」になれば、老後と思われた人生は将来の可能性が広がり、「姥捨て山」どころか家族の絆も強固になり、高齢者自身が家庭・地域・社会とつながっている自分を感じながら、本当にいい笑顔を浮かべられるようになるのは当然です。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑨
2013年12月13日 お仕事 葉っぱや花を栽培して採集、パック詰めの『彩』という事業は、「軽い」「きれい」「コツコツ」の3拍子がそろう女性・高齢者向け最適の仕事だ・・・と横石氏は表現しています。
その3拍子を揃えた仕事なら売る商品価値が他所で認められるなら、上勝町での現状で可能な起業条件を十分に満たせる。だから家事以外にすることのなかった女性・高齢者の出番創設のおカネ稼ぎが、上勝町に大変化をもたらし始めたのです。
葉っぱ販売市場開拓への横石氏の全力投球と並行して、事業開始から1年半後の1988年(昭和63年)には生産農家が44軒に増えて、遂に同年4月には農協に「彩部会」という生産者農家組織が結成されました。
葉っぱ事業の本格化で、これまで仕事のなかった人たちも皆忙しく働くようになり、愚痴や悪口などを話合う暇などなくなり、病院にも余りいかなくなった結果、一人当たりの上勝町老人医療費は年間63万円と徳島県内24市町村で同町が最少になったということです。
やがて「彩部会」参加農家は200軒を超え、平均年齢が70歳以上の女性たちでも光ファイバーのインターネットにつながるパソコン操作ができ、その脳力発揮が驚くような収入にもなり、70歳~80歳になっても自分の経験や得意技を活した生涯現役で働く、将に「好期」高齢者が輩出したのです。
横石知二氏は20数年間というもの、なぜ自分たちの生まれ育った郷土を悪く云い、辞意分の子どもたちにどうして町を出ていくことを勧めるのか、ひたすらそれに腹立ちを感じました。そこで“この上勝で食えなきゃいかんのだ ”と思い定め、みんなに仕事があることが大事だと悟りました。
その怒りの原動力が葉っぱビジネスを発足させました。20数年間もの七転八倒を経た事業が軌道に乗り、高齢の女性たちもしっかり稼げるようになってくると、過疎町の再生につながり、地元高齢者が元気になって、いまでは国全体の後期高齢者医療制度に腹が立って来たといいます。
というのは、どうしてわが国が高齢者を「姥捨て山」にするような制度を始めたのか。この制度は医療費が増大している結果への短絡的対策だと思うのです。それは医療費抑制の根本的解決策を計る制度ではありません。
現状の老人医療費抑制策は、日本の「後期」高齢者が当然増えることに真の国益向上や国民に将来への夢と希望を産むような脳力発揮の哲学がありません。換言すれば上勝で見せられた『生涯現役社会づくり』を創造する目的が欠如しているのです。 つづく
その3拍子を揃えた仕事なら売る商品価値が他所で認められるなら、上勝町での現状で可能な起業条件を十分に満たせる。だから家事以外にすることのなかった女性・高齢者の出番創設のおカネ稼ぎが、上勝町に大変化をもたらし始めたのです。
葉っぱ販売市場開拓への横石氏の全力投球と並行して、事業開始から1年半後の1988年(昭和63年)には生産農家が44軒に増えて、遂に同年4月には農協に「彩部会」という生産者農家組織が結成されました。
葉っぱ事業の本格化で、これまで仕事のなかった人たちも皆忙しく働くようになり、愚痴や悪口などを話合う暇などなくなり、病院にも余りいかなくなった結果、一人当たりの上勝町老人医療費は年間63万円と徳島県内24市町村で同町が最少になったということです。
やがて「彩部会」参加農家は200軒を超え、平均年齢が70歳以上の女性たちでも光ファイバーのインターネットにつながるパソコン操作ができ、その脳力発揮が驚くような収入にもなり、70歳~80歳になっても自分の経験や得意技を活した生涯現役で働く、将に「好期」高齢者が輩出したのです。
横石知二氏は20数年間というもの、なぜ自分たちの生まれ育った郷土を悪く云い、辞意分の子どもたちにどうして町を出ていくことを勧めるのか、ひたすらそれに腹立ちを感じました。そこで“この上勝で食えなきゃいかんのだ ”と思い定め、みんなに仕事があることが大事だと悟りました。
その怒りの原動力が葉っぱビジネスを発足させました。20数年間もの七転八倒を経た事業が軌道に乗り、高齢の女性たちもしっかり稼げるようになってくると、過疎町の再生につながり、地元高齢者が元気になって、いまでは国全体の後期高齢者医療制度に腹が立って来たといいます。
というのは、どうしてわが国が高齢者を「姥捨て山」にするような制度を始めたのか。この制度は医療費が増大している結果への短絡的対策だと思うのです。それは医療費抑制の根本的解決策を計る制度ではありません。
現状の老人医療費抑制策は、日本の「後期」高齢者が当然増えることに真の国益向上や国民に将来への夢と希望を産むような脳力発揮の哲学がありません。換言すれば上勝で見せられた『生涯現役社会づくり』を創造する目的が欠如しているのです。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑧
2013年12月12日 お仕事 大上段に「町おこし」や「地域活性化」に挑戦するとか、さらには大風呂敷を広げての突飛な飛躍に直撃することではない。それよりも着実に地域での主役も期待できる可能性を秘めている、女性・高齢者たちにも「出番」「居場所」を創ることが最優先だ・・・と考え続けていた横石知二氏は流石でした。
上勝の山なら幾らでもある赤い紅葉の葉っぱなど、平素何の関心も示さなかった彼が偶然に見た光景。それは何と女子大生が大喜びして、妻ものの赤いもみじ葉に関心を示すどころか、それを大事に持ち帰る宝物なのだと発見した瞬間です。
その商品価値をヒントにして、彼は忍耐強く人生を飛躍させただけでなく、上勝町の女性・高齢者たちを主役に、見事に上勝版『生涯現役社会づくり』への「生きがいづくり」を創造する出発点となりました。
“ そうだ、葉っぱがあった。葉っぱを売ろう! 葉っぱなら上勝の山に幾らでもあるし、何より軽くきれいで、女性やお年寄りがする仕事にはぴったりだ! ”その着想の感動を心に秘めた横石氏は急ぎ上勝町に帰ると早速、農協関係者や農家の人たちにそのアイデアを実行したいと協力を呼びかけました。
ところが、「葉っぱがカネに化けるなら、町中御殿が建つわ」「横石さん、もっと真面目に仕事をしいや」と、誰もがあきれ返って相手にしてくれなかったのです。それでも彼は直接農家を訊ね根気よく説得して回り、その年末にやっと4軒ほどの協力を得られて事業開始に辿り着いたそうです。
最初はどんな葉っぱが売れるか分かりません。山から拾った葉っぱを適当にパック詰めで出荷したものの、値付けにもならずごみ処理にされました。
そこで、どうすれば売れる商品になるか、現場市場調査のために、彼は徳島から大阪、京都あたりの高級料亭に何度も足を運び、日本料理の「つまもの」の使用状態を実地研究したのです。
その有様を逐一協力する農家に伝えて、良質な葉っぱ栽培に取り組んで商品力を熱心に磨きました。そこで初めて上勝の葉っぱが市場でもやがて値が付き始めましたというのです。
横石氏は北海道から九州まで全国市場を営業に、夜は飲食店街を巡回して「つまもの」需要開拓に励行。商品の品質向上と全国市場など販路拡大で、葉っぱは次第に出荷数が増え、売り上げ拡大とともに事業参加農家も増えていったという次第です。 つづく
上勝の山なら幾らでもある赤い紅葉の葉っぱなど、平素何の関心も示さなかった彼が偶然に見た光景。それは何と女子大生が大喜びして、妻ものの赤いもみじ葉に関心を示すどころか、それを大事に持ち帰る宝物なのだと発見した瞬間です。
その商品価値をヒントにして、彼は忍耐強く人生を飛躍させただけでなく、上勝町の女性・高齢者たちを主役に、見事に上勝版『生涯現役社会づくり』への「生きがいづくり」を創造する出発点となりました。
“ そうだ、葉っぱがあった。葉っぱを売ろう! 葉っぱなら上勝の山に幾らでもあるし、何より軽くきれいで、女性やお年寄りがする仕事にはぴったりだ! ”その着想の感動を心に秘めた横石氏は急ぎ上勝町に帰ると早速、農協関係者や農家の人たちにそのアイデアを実行したいと協力を呼びかけました。
ところが、「葉っぱがカネに化けるなら、町中御殿が建つわ」「横石さん、もっと真面目に仕事をしいや」と、誰もがあきれ返って相手にしてくれなかったのです。それでも彼は直接農家を訊ね根気よく説得して回り、その年末にやっと4軒ほどの協力を得られて事業開始に辿り着いたそうです。
最初はどんな葉っぱが売れるか分かりません。山から拾った葉っぱを適当にパック詰めで出荷したものの、値付けにもならずごみ処理にされました。
そこで、どうすれば売れる商品になるか、現場市場調査のために、彼は徳島から大阪、京都あたりの高級料亭に何度も足を運び、日本料理の「つまもの」の使用状態を実地研究したのです。
その有様を逐一協力する農家に伝えて、良質な葉っぱ栽培に取り組んで商品力を熱心に磨きました。そこで初めて上勝の葉っぱが市場でもやがて値が付き始めましたというのです。
横石氏は北海道から九州まで全国市場を営業に、夜は飲食店街を巡回して「つまもの」需要開拓に励行。商品の品質向上と全国市場など販路拡大で、葉っぱは次第に出荷数が増え、売り上げ拡大とともに事業参加農家も増えていったという次第です。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑦
2013年12月11日 お仕事 横石知二氏の説明によると、今から34~35年も前の1979年(昭和54年)に営農指導員として、徳島県上勝町を初めて訪問した頃の同地域は、火が消えていくような活気のない山間の田舎風情で、これでは廃村まっしぐらに進んでいる思わざるをえない状態だったといいます。
当時の上勝町主産業はミカンと林業、建設業。どれも産地間競争や海外の安い資材流入による衰退一方で、まともな所得にならないから、若者中心に人材も流失一方で、過疎化・高齢化が急速に進んでいたようです。
雨の日は仕事にならないから男衆は、朝から一升瓶をさげて農協や役場に集まり、酒を飲んでは愚痴ばかり。農協や役場の職員の顔を見れば「補助金を取ってこい」と、将に人頼りのことばかりしか口にしないグループに成り下がっていたといいます。
一方で女性たちは家事以外に自分たちの生業がある訳でもないので、いつも一家の主人である、父や夫の言いなりの行動で自主性がない。暇に任せて軒先の井戸端会議では、嫁や町の悪口や誰かのうわさ話を、朝から晩までしゃべりまくる始末で、まともな思考脳力の発揮などとても見込めないと横石氏は思い知らされたのです。
高齢者医療費が当時無料だったため、暇な年寄りは診療所や病院をサロン化し、大都市での一流会社員の息子の自慢をしたり、自分は貧乏しても子どもを一流校・一流会社に合格させたい母親は、勉強できないと上勝町で一生うだつあがらぬ者となると説教するとか・・・何と自分の郷里に誇りの欠けらもないのか、と腹が立ったのは当り前です。
みずから生まれた土地に最初からあきらめる負け組意識で、他人の批判ばかりする有様を見聞して当時20歳だった彼・横石氏は若造ながら「これではあかん」「何とかせないかん」と義憤を発奮したところが彼には、脳力発揮の天性を備えていたのでしょう。
その脳力開発の素晴らしさは、まず地元の誇り創出対策に、いきなり「町おこし」や「地域活性化」という飛躍する発想を主張したのではありません。町の誇り云々以前に身近な町民の生活態度・悪慣習を抜け出す方法として、仕事のない女性や年寄りたちにも出番・居場所づくりが優先することに気づいていたことです。
町民一人ひとりが「やること」を持つこと、「目標と生きがい」をもつことの大切さに気づき、女性や年配者でもできることに絞った起業開発に考えを集中したのです。
そのため根気よく考え続けた脳力が発揮された結果が、いまある上勝町の条件を駆使できる『葉っぱビジネス』に天啓的な運命出逢いとなった脳力瞬発のスイッチONした・・・という具合です。 つづく
当時の上勝町主産業はミカンと林業、建設業。どれも産地間競争や海外の安い資材流入による衰退一方で、まともな所得にならないから、若者中心に人材も流失一方で、過疎化・高齢化が急速に進んでいたようです。
雨の日は仕事にならないから男衆は、朝から一升瓶をさげて農協や役場に集まり、酒を飲んでは愚痴ばかり。農協や役場の職員の顔を見れば「補助金を取ってこい」と、将に人頼りのことばかりしか口にしないグループに成り下がっていたといいます。
一方で女性たちは家事以外に自分たちの生業がある訳でもないので、いつも一家の主人である、父や夫の言いなりの行動で自主性がない。暇に任せて軒先の井戸端会議では、嫁や町の悪口や誰かのうわさ話を、朝から晩までしゃべりまくる始末で、まともな思考脳力の発揮などとても見込めないと横石氏は思い知らされたのです。
高齢者医療費が当時無料だったため、暇な年寄りは診療所や病院をサロン化し、大都市での一流会社員の息子の自慢をしたり、自分は貧乏しても子どもを一流校・一流会社に合格させたい母親は、勉強できないと上勝町で一生うだつあがらぬ者となると説教するとか・・・何と自分の郷里に誇りの欠けらもないのか、と腹が立ったのは当り前です。
みずから生まれた土地に最初からあきらめる負け組意識で、他人の批判ばかりする有様を見聞して当時20歳だった彼・横石氏は若造ながら「これではあかん」「何とかせないかん」と義憤を発奮したところが彼には、脳力発揮の天性を備えていたのでしょう。
その脳力開発の素晴らしさは、まず地元の誇り創出対策に、いきなり「町おこし」や「地域活性化」という飛躍する発想を主張したのではありません。町の誇り云々以前に身近な町民の生活態度・悪慣習を抜け出す方法として、仕事のない女性や年寄りたちにも出番・居場所づくりが優先することに気づいていたことです。
町民一人ひとりが「やること」を持つこと、「目標と生きがい」をもつことの大切さに気づき、女性や年配者でもできることに絞った起業開発に考えを集中したのです。
そのため根気よく考え続けた脳力が発揮された結果が、いまある上勝町の条件を駆使できる『葉っぱビジネス』に天啓的な運命出逢いとなった脳力瞬発のスイッチONした・・・という具合です。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑥
2013年12月10日 お仕事 「和食/日本人の伝統的な食文化」が、このたび国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に正式登録されました。全国に先駆けて登録を国に働きかけた京都の料理関係者にも「和食を世界にPRする好機が到来した」と大きな期待が広がっています。
ただ、若者から「和食離れ」が言われて既に久しく、また食材の偽装問題でメニューへの信頼も危ぶまれる時期です。和食文化が「食文化を見つめ直すきっかけに」の声も上がっているとマスコミなどは書き立てています。そこで日本人の美意識を彩る横石流アイデアも、世界的な日本料理フアンを増やす時流にも叶うという訳です。
しかし、「葉っぱビジネス」が自然美豊かな地域振興に役立ち、『生涯現役社会づくり』化に一役も、二役も効果を発揮できるのはともかく、大都市での職場社会から居住社会に定年で軸足を移さざるを得ない、ホワイトカラー出身の団塊世代層中心である企業OBの人たちにそれを巧く応用できるとは限りません。
でも有難いことに、それに充分応えられる意見・提言する立場で、『生涯現役社会のつくり方』を様々な実践で見せられる経験事例を重ねているのが、私たち生涯現役グループだと皆様ご自身思えませんか。
これまで30年に亙る日常の、地道に平凡な事例でも実際に、私たちは個々人の実践活動から、「生涯現役社会のあるべき姿」を民間主導で試行錯誤の体験を通して、少しでも意見・提言できる立場にあるのではないでしょうか。
私たちが意見・提言できるのは、何よりも平素の行動に『生涯現役社会づくりの一員である私』を日々思考の原点で意識する脳力開発への努力があることです。
そのために私たちは30年前のクラブ創設以来、故城野 宏師が提唱開始した脳力開発による情勢判断学を活用する人財活用を活動べースに、これまでの活動を永続することができています。
横石知二氏の思考原点から発想が進展した経緯は、将に上勝町の現状打破への悲願が出発点でした。その現状分析があったからこそ大阪『がんこ寿司』での着想が閃き、忍耐強い『葉っぱビジネス』起業戦略の決心行動を産みました。
その覚悟あればサラリーマン組織を超える起業ベンチャー精神で、周囲に賛同者を一人ひとり地道に増やす努力を実らせることができたといえると存じます。 つづく
ただ、若者から「和食離れ」が言われて既に久しく、また食材の偽装問題でメニューへの信頼も危ぶまれる時期です。和食文化が「食文化を見つめ直すきっかけに」の声も上がっているとマスコミなどは書き立てています。そこで日本人の美意識を彩る横石流アイデアも、世界的な日本料理フアンを増やす時流にも叶うという訳です。
しかし、「葉っぱビジネス」が自然美豊かな地域振興に役立ち、『生涯現役社会づくり』化に一役も、二役も効果を発揮できるのはともかく、大都市での職場社会から居住社会に定年で軸足を移さざるを得ない、ホワイトカラー出身の団塊世代層中心である企業OBの人たちにそれを巧く応用できるとは限りません。
でも有難いことに、それに充分応えられる意見・提言する立場で、『生涯現役社会のつくり方』を様々な実践で見せられる経験事例を重ねているのが、私たち生涯現役グループだと皆様ご自身思えませんか。
これまで30年に亙る日常の、地道に平凡な事例でも実際に、私たちは個々人の実践活動から、「生涯現役社会のあるべき姿」を民間主導で試行錯誤の体験を通して、少しでも意見・提言できる立場にあるのではないでしょうか。
私たちが意見・提言できるのは、何よりも平素の行動に『生涯現役社会づくりの一員である私』を日々思考の原点で意識する脳力開発への努力があることです。
そのために私たちは30年前のクラブ創設以来、故城野 宏師が提唱開始した脳力開発による情勢判断学を活用する人財活用を活動べースに、これまでの活動を永続することができています。
横石知二氏の思考原点から発想が進展した経緯は、将に上勝町の現状打破への悲願が出発点でした。その現状分析があったからこそ大阪『がんこ寿司』での着想が閃き、忍耐強い『葉っぱビジネス』起業戦略の決心行動を産みました。
その覚悟あればサラリーマン組織を超える起業ベンチャー精神で、周囲に賛同者を一人ひとり地道に増やす努力を実らせることができたといえると存じます。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言⑤
2013年12月9日 お仕事 私たち日本生涯現役推進協議会の創設母体となった任意団体ライフ・ベンチャー・クラブ主催の第1回月例生涯現役塾が開塾した1985年10月のちょうど1年後のことです。1986年10月に横石知二氏が出張先の大阪「がんこ寿司」で偶然見かけた、女子大生らしい顧客の、料理の妻もの「赤いもみじの葉っぱ」に大喜びの姿でした。
「 こ れ 、 か わ い い ー 、 き れ い ね え 」「 持 っ て 帰 ろ う 」
そして、きちんとアイロンのかかったきれいなハンカチに大事そうに包み込んだのを見た横石氏をハッとさせた脳力発露。上勝町では有り余る葉っぱに新規事業の価値を見いだそうと根気よく説得して、やっと4軒の農家から協力を得て以来、1年半後の生産協力農家44軒でやっと農協に「彩部会」の生産者農家の組織を作った横石氏の努力たるや如何ばかりか・・・と思うと、私たちの活動も遅蒔きながら2014年こそは、この出発点にたどり着きたいと覚悟しています。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
一 人 ひ と り が
あ と ち ょ っ と が ん ば る 気 持 ち が 大 切
横石さんが彩から離れてからというもの、事業の立ち上げから順調に伸ばしてきた売り上げ高は減少し、それは明らかな数字となって示された。
「一人ひとりがあとちょっと、がんばろうという気持ちがなくなると、全体としてみると大きなものになってしまう。これだけ違いがあるのかと正直なところ驚いたね」
当時、彩では防災無線FAXを利用し、注文を農家に送信していた。それまで発注のためには防災用無線を使い、注文が入るとその都度、町中に大音量でアナウンスした。しかし、とにかくうるさく、これには苦情が殺到した。これに代わって取り入れたのが、防災無線FAXサービスである。電話回線と異なり、防災無線FAXは、一斉にすべての農家にFAXを送信でき、さらに防災用のため停電でも動くという優れものだ。このシステムを彩に取り入れることを思いついたことが、彩のさらなる飛躍につながった。
FAXで注文内容が各農家に届けられると、農家は自分の出荷できる商品があれば、すぐさま農協に電話して注文をとる。つまり、早い者勝ちなのだ。この仕組みは、農家の人々の競争心をあおった。さらにFAXでは、多くの情報を共有できる。このFAXに横石さんは毎日、彩農家へメッセージを付け加えた。手書き、そしてイラストで楽しませてくれる横石さんのFAXは、農家の人々を「あとちょっとがんばってみよう」という気にさせるには十分なものだった。
上勝町の人々にとって、働く意欲を駆り立て、毎日のモチベーションを高めてくれる存在だった横石さん。赴任当初はよそ者扱い、しかし気がつけば、町の一員として、さらには町を引っ張るほどに。その横石さんが彩から離れたことで、農家の人々の「あとちょっとがんばる」気持ちが失せてしまった。これが売り上げとなってあらわれたのだ。
「上勝町にいるだけではだめ。彩の現場で農家の意欲に働きかけることがどんなに大切かを思い知った」
このままではいけないと、上勝町のだれもが危機を覚える。そして、住民自ら会社を設立するという提案から、第三セクター『株式会社いろどり』が発足した。新たな組織に生まれ変わった彩、横石さんは責任者として再び現場に戻ることとなる。
再出発した株式会社いろどりでは、新たにコンピュータを用いたネットワークシステムを構築した。もちろん、ユーザは高齢者。それまでパソコンを使ったことのない人々でも手軽に使えるよう、必要なものだけを取り入れ、専用のキーボードやマウスも搭載した。このシステムの効果はすごい。情報を瞬時にすべての人々に平等に知らせることが出来るだけでなく、いろどり農家のおばあちゃんのライバル心に火をつけた。毎日の出荷目標や個人の出荷量が一目でわかるようになっているのだ。
「共同ではなく、個、で行ったことも成功の要因だね。『今日は一番になりたい』と自然に思うようになる。最初に上勝町に来たときに感じた、本来この町の人がもつプライドをいい方向で使えないものか。ライバル心に燃え、生産者の意識、競争意識を高めることができた。毎日ランキングは出るし、目標出荷数を掲げるとそれに応えようと一生懸命にやってくれる」
目標達成、そしてライバル心を駆り立てるこのシステムは農家の人々の気持ちを見事につかんだ。こうしたいろどり農家の毎日の積み重ねから、株式会社いろどりが成り立っているのだ。
「 こ れ 、 か わ い い ー 、 き れ い ね え 」「 持 っ て 帰 ろ う 」
そして、きちんとアイロンのかかったきれいなハンカチに大事そうに包み込んだのを見た横石氏をハッとさせた脳力発露。上勝町では有り余る葉っぱに新規事業の価値を見いだそうと根気よく説得して、やっと4軒の農家から協力を得て以来、1年半後の生産協力農家44軒でやっと農協に「彩部会」の生産者農家の組織を作った横石氏の努力たるや如何ばかりか・・・と思うと、私たちの活動も遅蒔きながら2014年こそは、この出発点にたどり着きたいと覚悟しています。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
一 人 ひ と り が
あ と ち ょ っ と が ん ば る 気 持 ち が 大 切
横石さんが彩から離れてからというもの、事業の立ち上げから順調に伸ばしてきた売り上げ高は減少し、それは明らかな数字となって示された。
「一人ひとりがあとちょっと、がんばろうという気持ちがなくなると、全体としてみると大きなものになってしまう。これだけ違いがあるのかと正直なところ驚いたね」
当時、彩では防災無線FAXを利用し、注文を農家に送信していた。それまで発注のためには防災用無線を使い、注文が入るとその都度、町中に大音量でアナウンスした。しかし、とにかくうるさく、これには苦情が殺到した。これに代わって取り入れたのが、防災無線FAXサービスである。電話回線と異なり、防災無線FAXは、一斉にすべての農家にFAXを送信でき、さらに防災用のため停電でも動くという優れものだ。このシステムを彩に取り入れることを思いついたことが、彩のさらなる飛躍につながった。
FAXで注文内容が各農家に届けられると、農家は自分の出荷できる商品があれば、すぐさま農協に電話して注文をとる。つまり、早い者勝ちなのだ。この仕組みは、農家の人々の競争心をあおった。さらにFAXでは、多くの情報を共有できる。このFAXに横石さんは毎日、彩農家へメッセージを付け加えた。手書き、そしてイラストで楽しませてくれる横石さんのFAXは、農家の人々を「あとちょっとがんばってみよう」という気にさせるには十分なものだった。
上勝町の人々にとって、働く意欲を駆り立て、毎日のモチベーションを高めてくれる存在だった横石さん。赴任当初はよそ者扱い、しかし気がつけば、町の一員として、さらには町を引っ張るほどに。その横石さんが彩から離れたことで、農家の人々の「あとちょっとがんばる」気持ちが失せてしまった。これが売り上げとなってあらわれたのだ。
「上勝町にいるだけではだめ。彩の現場で農家の意欲に働きかけることがどんなに大切かを思い知った」
このままではいけないと、上勝町のだれもが危機を覚える。そして、住民自ら会社を設立するという提案から、第三セクター『株式会社いろどり』が発足した。新たな組織に生まれ変わった彩、横石さんは責任者として再び現場に戻ることとなる。
再出発した株式会社いろどりでは、新たにコンピュータを用いたネットワークシステムを構築した。もちろん、ユーザは高齢者。それまでパソコンを使ったことのない人々でも手軽に使えるよう、必要なものだけを取り入れ、専用のキーボードやマウスも搭載した。このシステムの効果はすごい。情報を瞬時にすべての人々に平等に知らせることが出来るだけでなく、いろどり農家のおばあちゃんのライバル心に火をつけた。毎日の出荷目標や個人の出荷量が一目でわかるようになっているのだ。
「共同ではなく、個、で行ったことも成功の要因だね。『今日は一番になりたい』と自然に思うようになる。最初に上勝町に来たときに感じた、本来この町の人がもつプライドをいい方向で使えないものか。ライバル心に燃え、生産者の意識、競争意識を高めることができた。毎日ランキングは出るし、目標出荷数を掲げるとそれに応えようと一生懸命にやってくれる」
目標達成、そしてライバル心を駆り立てるこのシステムは農家の人々の気持ちを見事につかんだ。こうしたいろどり農家の毎日の積み重ねから、株式会社いろどりが成り立っているのだ。
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言④
2013年12月8日 お仕事 上勝町の地域振興策に「葉っぱビジネス/いろどり」で横石氏が果たした第一弾の成果は本当に見事なものでした。しかし、そのために家族への負担は二の次の横石氏の人生への迷いがないといったら嘘ではないことがよくわかります。
それが正直な農協自主退職届となって、彩事業への第二弾となり同氏の同地域『生涯現役社会づくり』への開眼契機にのなったことが、地元徳島だけでなく、いまや日本全国への『生涯現役社会』に言及できる啓発論者としての礎を築き始めたといえると思います。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
一 人 ひ と り が 主 役 で あ る こ と
“ 誇 る べ き ふ る さ と ” が 握 る 地 方 再 生 の 鍵
自然災害や産業衰退により、一時は沈んでいた上勝町の人々に活気を取り戻したのは仕事、“彩”の存在であった。仕事が出来たことで、家に、町の中に居場所ができる。さらにふるさとに対する誇りも取り戻した人々。おばあちゃんたちが稼ぎ出す上勝町の葉っぱビジネス、生き生きと働く高齢者の姿に、真の高齢福祉の意味を知る。彩事業の立ち上げから今日の姿まで、人々の気持ちを盛り立て、幾多の困難を乗り越えてきた横石氏と上勝町の人々の姿に地方再生ビジネスの真髄と、その糸口を探る。
順 調 な 彩 に 暗 雲
彩 の 仕 掛 け 人 が 去 る
妻物(つまもの)ブランド“彩”を中心に、事業としての地盤ができあがった上勝町に再び活気が戻った頃、彩の仕掛け人横石さんに転機が訪れる。なんと農協へ辞表を出し、この地を去ろうというのだ。
「赴任して17年、上勝町に活気を取り戻すために、毎晩夜遅くまで、そして休日もほとんどない状態で働いてきた。長い間、給料を一円もいれず、妻物研究のための料亭に通ったり、農協の業務就業後に農家を回り野菜を集め、翌朝市場のセリにたちあったり。そして、“彩”の営業のために、夜の繁華街を回って、チラシを配り、時間もお金も上勝町のために費やした。しかし、自分にも家族がある。家族のため、子どもの将来のためにもここを離れ、なにか新しい仕事を始めてみたほうがいいのではないだろうか。」
考え抜いてのことだった。毎日仕事があるという充実感に満ちた人々、赴任した頃とまったく様子が異なる町の姿。今でこそ花々にあふれた温かな雰囲気を持つ上勝町であるが、横石さんが赴任した当時は、山々も人々も寂しい限りであった。町に、自分に誇りを持てるようになった人々を見届け、やるべきことはやったという達成感もあったのだろう。
もともと狭い上勝町、横石さんが辞表を出したことはあっという間に知れ渡る。そして、その翌日、横石さんのもとに届いたのは、彩農家からの直筆の嘆願書だった。嘆願書には彩の全農家の署名と捺印、そして「お願ひの言葉」が綴られていた。
もちろん、この気持ちに横石さんの意志が揺れないわけがない。その後も、町のあらゆるところでとどまるよう懇願され、町議会まで動き出したほど。上勝町の人々は、とにかく横石さんにいてほしい、との思いをまっすぐに伝えてきた。
農協を辞める意志は固かったが、上勝町の人々も横石さんをあきらめない。さすがにその思いを受け止め、上勝町に残ることに決める。しかし、残るといっても農協は退職し、上勝町役場の一員として、再出発することとなる。この事件とも言える騒動をきっかけに、しばらく横石さんは彩からは距離をおくこととなる。つづく
それが正直な農協自主退職届となって、彩事業への第二弾となり同氏の同地域『生涯現役社会づくり』への開眼契機にのなったことが、地元徳島だけでなく、いまや日本全国への『生涯現役社会』に言及できる啓発論者としての礎を築き始めたといえると思います。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
一 人 ひ と り が 主 役 で あ る こ と
“ 誇 る べ き ふ る さ と ” が 握 る 地 方 再 生 の 鍵
自然災害や産業衰退により、一時は沈んでいた上勝町の人々に活気を取り戻したのは仕事、“彩”の存在であった。仕事が出来たことで、家に、町の中に居場所ができる。さらにふるさとに対する誇りも取り戻した人々。おばあちゃんたちが稼ぎ出す上勝町の葉っぱビジネス、生き生きと働く高齢者の姿に、真の高齢福祉の意味を知る。彩事業の立ち上げから今日の姿まで、人々の気持ちを盛り立て、幾多の困難を乗り越えてきた横石氏と上勝町の人々の姿に地方再生ビジネスの真髄と、その糸口を探る。
順 調 な 彩 に 暗 雲
彩 の 仕 掛 け 人 が 去 る
妻物(つまもの)ブランド“彩”を中心に、事業としての地盤ができあがった上勝町に再び活気が戻った頃、彩の仕掛け人横石さんに転機が訪れる。なんと農協へ辞表を出し、この地を去ろうというのだ。
「赴任して17年、上勝町に活気を取り戻すために、毎晩夜遅くまで、そして休日もほとんどない状態で働いてきた。長い間、給料を一円もいれず、妻物研究のための料亭に通ったり、農協の業務就業後に農家を回り野菜を集め、翌朝市場のセリにたちあったり。そして、“彩”の営業のために、夜の繁華街を回って、チラシを配り、時間もお金も上勝町のために費やした。しかし、自分にも家族がある。家族のため、子どもの将来のためにもここを離れ、なにか新しい仕事を始めてみたほうがいいのではないだろうか。」
考え抜いてのことだった。毎日仕事があるという充実感に満ちた人々、赴任した頃とまったく様子が異なる町の姿。今でこそ花々にあふれた温かな雰囲気を持つ上勝町であるが、横石さんが赴任した当時は、山々も人々も寂しい限りであった。町に、自分に誇りを持てるようになった人々を見届け、やるべきことはやったという達成感もあったのだろう。
もともと狭い上勝町、横石さんが辞表を出したことはあっという間に知れ渡る。そして、その翌日、横石さんのもとに届いたのは、彩農家からの直筆の嘆願書だった。嘆願書には彩の全農家の署名と捺印、そして「お願ひの言葉」が綴られていた。
もちろん、この気持ちに横石さんの意志が揺れないわけがない。その後も、町のあらゆるところでとどまるよう懇願され、町議会まで動き出したほど。上勝町の人々は、とにかく横石さんにいてほしい、との思いをまっすぐに伝えてきた。
農協を辞める意志は固かったが、上勝町の人々も横石さんをあきらめない。さすがにその思いを受け止め、上勝町に残ることに決める。しかし、残るといっても農協は退職し、上勝町役場の一員として、再出発することとなる。この事件とも言える騒動をきっかけに、しばらく横石さんは彩からは距離をおくこととなる。つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言③
2013年12月7日 お仕事 横石知二氏著書「生涯現役社会のつくり方」では、その目次「はじめに」から第1章:年金受給者から納税者に、第2章:高齢化しても医療費は少なく、第3章:高齢者は「うば捨て山」ではない、第4章:老後を将来に、第5章:認知症予備軍から数字に強い高齢者へ、第6章:高齢者とパソコン:高齢者が自立できる環境づくり、「おわりに」に至る迄、例えば「生涯現役」への基本的な脳を鍛える、考える習慣づくり、マイクロソフト社との結びつき、居場所づくりが真の福祉等々・・・私たちの活動に学び直す発想は限りなく存在します。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
一 人 ひ と り が 主 役 で あ る こ と
“ 誇 る べ き ふ る さ と ” が 握 る 地 方 再 生 の 鍵
自然災害や産業衰退により、一時は沈んでいた上勝町の人々に活気を取り戻したのは仕事、“彩”の存在であった。仕事が出来たことで、家に、町の中に居場所ができる。さらにふるさとに対する誇りも取り戻した人々。おばあちゃんたちが稼ぎ出す上勝町の葉っぱビジネス、生き生きと働く高齢者の姿に、真の高齢福祉の意味を知る。彩事業の立ち上げから今日の姿まで、人々の気持ちを盛り立て、幾多の困難を乗り越えてきた横石氏と上勝町の人々の姿に地方再生ビジネスの真髄と、その糸口を探る。
順 調 な 彩 に 暗 雲
彩 の 仕 掛 け 人 が 去 る
妻物(つまもの)ブランド“彩”を中心に、事業としての地盤ができあがった上勝町に再び活気が戻った頃、彩の仕掛け人・横石さんに転機が訪れる。なんと農協へ辞表を出し、この地を去ろうというのだ。
「赴任して17年、上勝町に活気を取り戻すために、毎晩夜遅くまで、そして休日もほとんどない状態で働いてきた。長い間、給料を一円もいれず、妻物研究のための料亭に通ったり、農協の業務就業後に農家を回り野菜を集め、翌朝市場のセリにたちあったり。そして、“彩”の営業のために、夜の繁華街を回って、チラシを配り、時間もお金も上勝町のために費やした。しかし、自分にも家族がある。家族のため、子どもの将来のためにもここを離れ、なにか新しい仕事を始めてみたほうがいいのではないだろうか」
考え抜いてのことだった。毎日仕事があるという充実感に満ちた人々、赴任した頃とまったく様子が異なる町の姿。今でこそ花々にあふれた温かな雰囲気を持つ上勝町であるが、横石さんが赴任した当時は、山々も人々も寂しい限りであった。町に、自分に誇りを持てるようになった人々を見届け、やるべきことはやったという達成感もあったのだろう。
もともと狭い上勝町、横石さんが辞表を出したことはあっという間に知れ渡る。そして、その翌日、横石さんのもとに届いたのは、彩農家からの直筆の嘆願書だった。嘆願書には彩の全農家の署名と捺印、そして「お願ひの言葉」が綴られていた。
もちろん、この気持ちに横石さんの意志が揺れないわけがない。その後も、町のあらゆるところでとどまるよう懇願され、町議会まで動き出したほど。上勝町の人々は、とにかく横石さんにいてほしい、との思いをまっすぐに伝えてきた。
農協を辞める意志は固かったが、上勝町の人々も横石さんをあきらめない。さすがにその思いを受け止め、上勝町に残ることに決める。しかし、残るといっても農協は退職し、上勝町役場の一員として、再出発することとなる。この事件とも言える騒動をきっかけに、しばらく横石さんは彩からは距離をおくこととなる。 つづく
-------------------------------------------------------------------------------------------------
一 人 ひ と り が 主 役 で あ る こ と
“ 誇 る べ き ふ る さ と ” が 握 る 地 方 再 生 の 鍵
自然災害や産業衰退により、一時は沈んでいた上勝町の人々に活気を取り戻したのは仕事、“彩”の存在であった。仕事が出来たことで、家に、町の中に居場所ができる。さらにふるさとに対する誇りも取り戻した人々。おばあちゃんたちが稼ぎ出す上勝町の葉っぱビジネス、生き生きと働く高齢者の姿に、真の高齢福祉の意味を知る。彩事業の立ち上げから今日の姿まで、人々の気持ちを盛り立て、幾多の困難を乗り越えてきた横石氏と上勝町の人々の姿に地方再生ビジネスの真髄と、その糸口を探る。
順 調 な 彩 に 暗 雲
彩 の 仕 掛 け 人 が 去 る
妻物(つまもの)ブランド“彩”を中心に、事業としての地盤ができあがった上勝町に再び活気が戻った頃、彩の仕掛け人・横石さんに転機が訪れる。なんと農協へ辞表を出し、この地を去ろうというのだ。
「赴任して17年、上勝町に活気を取り戻すために、毎晩夜遅くまで、そして休日もほとんどない状態で働いてきた。長い間、給料を一円もいれず、妻物研究のための料亭に通ったり、農協の業務就業後に農家を回り野菜を集め、翌朝市場のセリにたちあったり。そして、“彩”の営業のために、夜の繁華街を回って、チラシを配り、時間もお金も上勝町のために費やした。しかし、自分にも家族がある。家族のため、子どもの将来のためにもここを離れ、なにか新しい仕事を始めてみたほうがいいのではないだろうか」
考え抜いてのことだった。毎日仕事があるという充実感に満ちた人々、赴任した頃とまったく様子が異なる町の姿。今でこそ花々にあふれた温かな雰囲気を持つ上勝町であるが、横石さんが赴任した当時は、山々も人々も寂しい限りであった。町に、自分に誇りを持てるようになった人々を見届け、やるべきことはやったという達成感もあったのだろう。
もともと狭い上勝町、横石さんが辞表を出したことはあっという間に知れ渡る。そして、その翌日、横石さんのもとに届いたのは、彩農家からの直筆の嘆願書だった。嘆願書には彩の全農家の署名と捺印、そして「お願ひの言葉」が綴られていた。
もちろん、この気持ちに横石さんの意志が揺れないわけがない。その後も、町のあらゆるところでとどまるよう懇願され、町議会まで動き出したほど。上勝町の人々は、とにかく横石さんにいてほしい、との思いをまっすぐに伝えてきた。
農協を辞める意志は固かったが、上勝町の人々も横石さんをあきらめない。さすがにその思いを受け止め、上勝町に残ることに決める。しかし、残るといっても農協は退職し、上勝町役場の一員として、再出発することとなる。この事件とも言える騒動をきっかけに、しばらく横石さんは彩からは距離をおくこととなる。 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言②
2013年12月6日 お仕事 “ ピ ン チ を チ ャ ン ス に !! ” というV底で奮起する言葉は、私たちがよく聞く逆転発想への名文句です。が、意外にどうしてどうして、私たちがイザ逆境の崖っぷちに立たされる当事者の立場になると、決して生易しいものではありません。
独り身でのピンチならいざ知らず、家族を路頭に迷わす土壇場や、企業主や団体責任者である限り、その進退決断のしどころは幾多の関係者にどれだけの影響を及ぼすか計り知れません。
私たち日本生涯現役推進評議会も創設10年目を2014年6月に迎える節目に幾多の有難い同志に支えられながら、超高齢社会日本の『生涯現役社会づくり』への苦しいピンチを実感しながらも、時流がまさにまたとない前進へのチャンスを提供してくれているのではないでしょうか・・・。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
災 い 転 じ て 、 福 と な す
あ き ら め な い 、 そ し て ひ ら め き を 仕 事 に
1981年2月、大寒波が上勝町を襲ったのだ。零下13℃という記録的な低温状態により、町の経済を支えるみかんの木が全滅してしまう。横石さんが着任して2年後のことだった。
とにかく、町の人々にとってはみかんに代わる収入源が必要。まずは、一日も早く現金収入が得られればと、農家が自家用に栽培していた青物野菜を市場に出荷することにしたのだ。横石さん自ら農家を回って野菜を集め、徳島市内の市場に出荷する。もちろんセリが行われるのは早朝。車の中で睡眠をとり、セリに立ち会う。その後、上勝町に戻って農協へ出勤する、横石さんの生活は上勝町のために必死で回っていた。
そんなある日、ある市場関係者に声を掛けられる。強力なアドバイザーとして上勝町復興の立役者の一人となった市場の産地部長、立石さんである。現状を話すと、新たな作物や栽培時期など相談に乗ってくれた。立石さんのアドバイスにより、切り干しイモやワケギ、ホウレン草と新たな作物の栽培に挑戦した。すると、みかんと違い栽培期間が短い作物は、現金収入になる日数が早く、意外なところで農家の方々の支持を得ることとなった。
「 売 り 場 の 人 に 聞 く の が 一 番 。立石さんは、いつ何を作ればいいかだけでなく、売り方まで親身になって教えてくれた」
上勝町を変えようと、あきらめない横石さんの姿は自然と応援する人を引き寄せていたのだろう。市場での立石さんとの出会いは、上勝町の転換に大きく拍車をかけた。翌年には、原木しいたけやタラ芽など栽培品目をさらに増やし、寒波からたった3年で、確実に上勝町は回復したのである。こうして大寒波をきっかけに、農業の再編がよい方向に動き出した。そして、気がつけば上勝町の人々との溝は埋まり、信頼関係が築かれていたのだった。
よそ者でありながら、上勝町を人々が誇れる町にしたいと思う気持ちはだれにも負けず、必死で働き続けた横石さん。伝わるまでにだいぶ時間はかかったが、その思いは人々に確実に届いていた。しかし、農業を支える人々の高齢化と少子化の勢いは、とどまることを知らない。いくら作付け転換に成功したとはいえ、町の活気が失われるのを止めることは難しかった。
「着任してからずっと考えていたこと、どうしたら町に活気がでるのか。上勝町に人がとどまり、上勝町に人が集まるようにしなければ。これを、どう実現するかでした。」
そこで横石さんが着目していたのは、女性の活躍である。女性が活躍できる場さえあれば、この町は変わることができると確信していた。
「とにかく女性はおしゃべりが好き。悪口もうわさ話も。そのおしゃべりがいい方向に向くようになればいいなと。自分のことを、家族を、町を自慢するおしゃべりを繰り広げてくれたら。町の一人ひとりが活躍するには、生きる場所を見出せるような仕事をつくるにはどうすればいいのか…。上勝町に来た頃のふるさとを悪く言う人々の姿が忘れられず、だれもが誇れる町にしたいと思っていました。」 つづく
独り身でのピンチならいざ知らず、家族を路頭に迷わす土壇場や、企業主や団体責任者である限り、その進退決断のしどころは幾多の関係者にどれだけの影響を及ぼすか計り知れません。
私たち日本生涯現役推進評議会も創設10年目を2014年6月に迎える節目に幾多の有難い同志に支えられながら、超高齢社会日本の『生涯現役社会づくり』への苦しいピンチを実感しながらも、時流がまさにまたとない前進へのチャンスを提供してくれているのではないでしょうか・・・。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
災 い 転 じ て 、 福 と な す
あ き ら め な い 、 そ し て ひ ら め き を 仕 事 に
1981年2月、大寒波が上勝町を襲ったのだ。零下13℃という記録的な低温状態により、町の経済を支えるみかんの木が全滅してしまう。横石さんが着任して2年後のことだった。
とにかく、町の人々にとってはみかんに代わる収入源が必要。まずは、一日も早く現金収入が得られればと、農家が自家用に栽培していた青物野菜を市場に出荷することにしたのだ。横石さん自ら農家を回って野菜を集め、徳島市内の市場に出荷する。もちろんセリが行われるのは早朝。車の中で睡眠をとり、セリに立ち会う。その後、上勝町に戻って農協へ出勤する、横石さんの生活は上勝町のために必死で回っていた。
そんなある日、ある市場関係者に声を掛けられる。強力なアドバイザーとして上勝町復興の立役者の一人となった市場の産地部長、立石さんである。現状を話すと、新たな作物や栽培時期など相談に乗ってくれた。立石さんのアドバイスにより、切り干しイモやワケギ、ホウレン草と新たな作物の栽培に挑戦した。すると、みかんと違い栽培期間が短い作物は、現金収入になる日数が早く、意外なところで農家の方々の支持を得ることとなった。
「 売 り 場 の 人 に 聞 く の が 一 番 。立石さんは、いつ何を作ればいいかだけでなく、売り方まで親身になって教えてくれた」
上勝町を変えようと、あきらめない横石さんの姿は自然と応援する人を引き寄せていたのだろう。市場での立石さんとの出会いは、上勝町の転換に大きく拍車をかけた。翌年には、原木しいたけやタラ芽など栽培品目をさらに増やし、寒波からたった3年で、確実に上勝町は回復したのである。こうして大寒波をきっかけに、農業の再編がよい方向に動き出した。そして、気がつけば上勝町の人々との溝は埋まり、信頼関係が築かれていたのだった。
よそ者でありながら、上勝町を人々が誇れる町にしたいと思う気持ちはだれにも負けず、必死で働き続けた横石さん。伝わるまでにだいぶ時間はかかったが、その思いは人々に確実に届いていた。しかし、農業を支える人々の高齢化と少子化の勢いは、とどまることを知らない。いくら作付け転換に成功したとはいえ、町の活気が失われるのを止めることは難しかった。
「着任してからずっと考えていたこと、どうしたら町に活気がでるのか。上勝町に人がとどまり、上勝町に人が集まるようにしなければ。これを、どう実現するかでした。」
そこで横石さんが着目していたのは、女性の活躍である。女性が活躍できる場さえあれば、この町は変わることができると確信していた。
「とにかく女性はおしゃべりが好き。悪口もうわさ話も。そのおしゃべりがいい方向に向くようになればいいなと。自分のことを、家族を、町を自慢するおしゃべりを繰り広げてくれたら。町の一人ひとりが活躍するには、生きる場所を見出せるような仕事をつくるにはどうすればいいのか…。上勝町に来た頃のふるさとを悪く言う人々の姿が忘れられず、だれもが誇れる町にしたいと思っていました。」 つづく
「生涯現役社会のつくり方」の意見・提言①
2013年12月5日 お仕事 老後を明るい将来にしたいと、人口の約半分が高齢者の町で「葉っぱビジネス」を創業、まさに“好期”高齢社会を20数年で実現、全国に「上勝」の名を高めた横石知二氏。自著『生涯現役のつくり方』や「平成の世にサムライを探して/日立ソリューションズ」(http://www.hitachi-solutions.co.jp/column/samurai/feature/44/)のサイトから、私たちも『生涯現役社会づくり』への下記記事を真剣に参考にしていきたいと存じます。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
【横石知二氏:1958年生まれ。1979年徳島県農業大学校 卒業、同4月上勝町農業協同組合へ営農指導員として入社。86年から妻物(つまもの)を主力商品とした彩事業を開発、販売。99年第三セクター株式会社いろどり取締役。2005年同社代表取締役副社長。2002年アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー日本大会特別賞受賞 。ニューズウィーク日本版 「世界を変える社会起業家100人」に選出される。著書に『そうだ、葉っぱを売ろう!』『生涯現役社会のつくり方』(ソフトバンククリエイティブ刊)がある。】
ビ ジ ネ ス と は 、 仕 事 を つ く る こ と
過 疎 の 町 を 再 生 し た 葉 っ ぱ ビ ジ ネ ス の 軌 跡
徳島県上勝町、人口約2,000人の四国で最も人口が少ない町。この山あいに位置する町で注目のビジネスを展開する会社がある。和食を中心に料理を飾る“妻物(つまもの)”を主力商品とする株式会社いろどりである。商品は、“ 彩 ”というブランド名で出荷され、全国各地の有名料亭の料理を彩る。注目すべきは、ここではたらく人々。70代、80代のおばあちゃんが彩ブランドの商品を作り出す。もともとこの地域に自生する葉っぱを売ることを思いついたのが、取締役を務める横石知二氏。きっかけは実に些細であるが、ひらめきを逃さず、事業として確立するまでの軌跡を追う。
ふ る さ と に 誇 り を 持 て な い 悲 し さ
株式会社いろどりは、徳島市から車でおよそ1時間、勝浦川流域を除いてほとんどが山間という徳島県勝浦郡上勝町にある。高級料亭の妻物を主力商品とし、その全国シェアは80%と他を圧倒している。
徳島市から上勝町へ向かう途中、あたり一面の緑に包まれる。うっそうと茂る森林に囲まれた山道をしばらく行くと、道端や山の斜面に色とりどりの花々が迎えてくれる。その花々が、すでに上勝町に着いたことを知らせてくれる。町の至るところに咲く花々は、訪れた人々を歓迎してくれるかのようだ。
横石さんがこの地に赴任して、もうすぐ30年が経とうとしている。当時は、これほど長い間、上勝町で働くことになるとは思っていなかったという。徳島市出身の横石さんが、親の勧めで農協職員として上勝町に赴任したのは、1979年の春のこと。地元の徳島県立農業大学校を卒業したばかりの20歳のときだった。上勝町農協に営農指導員として採用され、農業経営を指導するのが主な業務であった。
当時の上勝町の主な産業は、林業とみかんの栽培。しかし、高度経済成長後、輸入により海外の安価な木材が国内の林業を圧迫、さらにもう1つの主な産業であるみかんは生産過剰で値崩れを起こし、産業は衰退の兆しをみせていた。横石さんが赴任した当時、産業の衰退が人々の生活を、さらには心をも圧迫し、人々は、ふるさとに誇りを持てない日々を送っていた。
「上勝町の女性たちは、一日中、家人の悪口や近所のうわさ話ばかりしている。男性たちといえば、酒をあおり、ぐうたらする始末。雨が降ったらもう大変。雨で農作業ができないので、昼間から酒をのみ、夕方には赤い顔をした人ばかりになってしまう。なんて町に来てしまったのか、というのが正直な気持ちでしたね。そんな光景をみているのが本当に嫌で、なんとかしなければと常に思っていましたよ。」
「することがない、仕事がない」というのは、こうまで人の心を曇らせてしまうとは・・・。さらに横石さんの心を傷めたのは、自分の子どもだけはこの町から抜け出させたいと思っていることへの失望だった。
「自分は、質素に暮らし、節約したお金を子どもの教育資金にする。子どもをいい学校にいれて、とにかく上勝町から離れた土地で生活させたい。その思いの根幹には、住民が自分の町を誇りに思っていない、この町には未来がないということを悟っているからでしょ。自分が生まれ、育った土地をそんな風にしか思えないことは、悲しいことですよ」
ふ る さ と を 誇 れ る 町 に … 。 ここでしかできないことがあるはずだ。このときの思いが、今の彩事業の源になっている。
生まれ持ったチャレンジ精神と上勝町を良くしたいという気持ちで、赴任当時からどんどん新しい提案を行なってきた。しかし、横石さんの思いをよそに、人々の反発は大きかった。よそ者、そして当時20代前半という若さが邪魔をし、人々にその思いが伝わるはずもなかった。
そんな逆風にも負けず、若き日の横石さんは次々と農業経営改革の提案をする。しかし、「よそ者のお前が、えらそうなことをぬかすな!」とはねつけられるばかり。上勝町、そして世界の状況を冷静に考えても、みかん栽培での生き残りは難しい。
ここでしか出来ないことを始めてみようと提案しても、当時生活のすべてを支えるみかん栽培。それを否定する、よそ者の若造ときたら疎ましいことこの上ない。横石さんと上勝町の人々との間には完全な溝ができてしまった。
そんな折に、記録的な自然災害が上勝町を襲う。 つづく
----------------------------------------------------------------------------------------------------
【横石知二氏:1958年生まれ。1979年徳島県農業大学校 卒業、同4月上勝町農業協同組合へ営農指導員として入社。86年から妻物(つまもの)を主力商品とした彩事業を開発、販売。99年第三セクター株式会社いろどり取締役。2005年同社代表取締役副社長。2002年アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー日本大会特別賞受賞 。ニューズウィーク日本版 「世界を変える社会起業家100人」に選出される。著書に『そうだ、葉っぱを売ろう!』『生涯現役社会のつくり方』(ソフトバンククリエイティブ刊)がある。】
ビ ジ ネ ス と は 、 仕 事 を つ く る こ と
過 疎 の 町 を 再 生 し た 葉 っ ぱ ビ ジ ネ ス の 軌 跡
徳島県上勝町、人口約2,000人の四国で最も人口が少ない町。この山あいに位置する町で注目のビジネスを展開する会社がある。和食を中心に料理を飾る“妻物(つまもの)”を主力商品とする株式会社いろどりである。商品は、“ 彩 ”というブランド名で出荷され、全国各地の有名料亭の料理を彩る。注目すべきは、ここではたらく人々。70代、80代のおばあちゃんが彩ブランドの商品を作り出す。もともとこの地域に自生する葉っぱを売ることを思いついたのが、取締役を務める横石知二氏。きっかけは実に些細であるが、ひらめきを逃さず、事業として確立するまでの軌跡を追う。
ふ る さ と に 誇 り を 持 て な い 悲 し さ
株式会社いろどりは、徳島市から車でおよそ1時間、勝浦川流域を除いてほとんどが山間という徳島県勝浦郡上勝町にある。高級料亭の妻物を主力商品とし、その全国シェアは80%と他を圧倒している。
徳島市から上勝町へ向かう途中、あたり一面の緑に包まれる。うっそうと茂る森林に囲まれた山道をしばらく行くと、道端や山の斜面に色とりどりの花々が迎えてくれる。その花々が、すでに上勝町に着いたことを知らせてくれる。町の至るところに咲く花々は、訪れた人々を歓迎してくれるかのようだ。
横石さんがこの地に赴任して、もうすぐ30年が経とうとしている。当時は、これほど長い間、上勝町で働くことになるとは思っていなかったという。徳島市出身の横石さんが、親の勧めで農協職員として上勝町に赴任したのは、1979年の春のこと。地元の徳島県立農業大学校を卒業したばかりの20歳のときだった。上勝町農協に営農指導員として採用され、農業経営を指導するのが主な業務であった。
当時の上勝町の主な産業は、林業とみかんの栽培。しかし、高度経済成長後、輸入により海外の安価な木材が国内の林業を圧迫、さらにもう1つの主な産業であるみかんは生産過剰で値崩れを起こし、産業は衰退の兆しをみせていた。横石さんが赴任した当時、産業の衰退が人々の生活を、さらには心をも圧迫し、人々は、ふるさとに誇りを持てない日々を送っていた。
「上勝町の女性たちは、一日中、家人の悪口や近所のうわさ話ばかりしている。男性たちといえば、酒をあおり、ぐうたらする始末。雨が降ったらもう大変。雨で農作業ができないので、昼間から酒をのみ、夕方には赤い顔をした人ばかりになってしまう。なんて町に来てしまったのか、というのが正直な気持ちでしたね。そんな光景をみているのが本当に嫌で、なんとかしなければと常に思っていましたよ。」
「することがない、仕事がない」というのは、こうまで人の心を曇らせてしまうとは・・・。さらに横石さんの心を傷めたのは、自分の子どもだけはこの町から抜け出させたいと思っていることへの失望だった。
「自分は、質素に暮らし、節約したお金を子どもの教育資金にする。子どもをいい学校にいれて、とにかく上勝町から離れた土地で生活させたい。その思いの根幹には、住民が自分の町を誇りに思っていない、この町には未来がないということを悟っているからでしょ。自分が生まれ、育った土地をそんな風にしか思えないことは、悲しいことですよ」
ふ る さ と を 誇 れ る 町 に … 。 ここでしかできないことがあるはずだ。このときの思いが、今の彩事業の源になっている。
生まれ持ったチャレンジ精神と上勝町を良くしたいという気持ちで、赴任当時からどんどん新しい提案を行なってきた。しかし、横石さんの思いをよそに、人々の反発は大きかった。よそ者、そして当時20代前半という若さが邪魔をし、人々にその思いが伝わるはずもなかった。
そんな逆風にも負けず、若き日の横石さんは次々と農業経営改革の提案をする。しかし、「よそ者のお前が、えらそうなことをぬかすな!」とはねつけられるばかり。上勝町、そして世界の状況を冷静に考えても、みかん栽培での生き残りは難しい。
ここでしか出来ないことを始めてみようと提案しても、当時生活のすべてを支えるみかん栽培。それを否定する、よそ者の若造ときたら疎ましいことこの上ない。横石さんと上勝町の人々との間には完全な溝ができてしまった。
そんな折に、記録的な自然災害が上勝町を襲う。 つづく
シュワさん、生涯現役宣言 死ぬまでやる
2013年12月4日 お仕事 街の旬がわかる! 7ジャンルの最新情報をお届け!がキャッチフレーズのウォーカープラス(WaikerPlus/MovieWalker 2013年12月3日 20時55分)配信のシュワさん記者会見記事での「生涯現役宣言」を転載ご紹介します。
【関係URL=http://news.walkerplus.com/article/42899/】
---------------------------------------------------------------------------------------------------
シ ュ ワ ル ツ ェ ネ ッ ガ ー 、“ 生 涯 現 役 ”宣 言 !
「 倒 れ て 死 ぬ ま で や る 」
シルヴェスター・スタローン×アーノルド・シュワルツェネッガーW主演の脱獄アクション映画『大脱出』(1月10日公開)のジャパンプレミアが、12月3日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。シュワルツェネッガーが来日し、舞台挨拶に登壇した。シュワルツェネッガーは「素晴らしいおもてなしをありがとう。私は日本のファンが大好き。なんと日本に40年以上、何度も来ているよ」と笑顔でスピーチ。シュワルツェネッガーの来日は、10年ぶりに主演を務めた『ラスト・スタンド』(13)のキャンペーン以来9か月ぶりとなった。
スタローンとタッグを組むのは、『エクスペンダブルズ2』(12)以来だ。シュワルツェネッガーは「スタローンに御礼を言いたい」と言う。「だって、彼に『本作に出ろ』と言われたのだから。ある日、電話がかかってきて『やっと良いシナリオを見つけた。ついに、俺とお前がスクリーンで戦える映画だ』と言われたんだ。でも、『君と対決したら、俺が勝つぞ』と言ったら、スタローンも『いや、実際にやったら俺が勝つ。それなら勝負だ』ということで、この映画になったんだ」。
さらに「彼は情熱的にハードな仕事をこなすし、肉体を使うことに全力をかける。そしてシナリオも書けるし、画も描ける。とても尊敬している」とスタローンをリスペクト。『エクスペンダブルズ3』ももう撮り終えているよ。昔はライバルだったが、今は良いコラボレーションができるとても良い友人になった。これからも、2人の共作を作っていきたいよ」と、熱くアピール。
また、今後のキャリアについては、堂々と“ 生 涯 現 役 ”宣言!「『いつ引退するのか?』と聞かれるが、こんなに嫌な質問はない。僕はアクションが好きだし、エコの運動、クリーンエネルギーの運動もやっている。ボディビルもフィットネスも、そのプロモーションも大好きだ。それらを全部、倒れて死ぬまでやり続けるよ」。また、カリフォルニア州知事の期間については「人生において、素晴らしい体験だった。私がここにあるのは、カリフォルニアのおかげだ。1秒たりとも悔いはないけど、これからはショービジネスの世界にカムバックするよ」と力強く語り、ファンから熱い拍手と声援が送られた。【取材・文/山崎伸子】
【関係URL=http://news.walkerplus.com/article/42899/】
---------------------------------------------------------------------------------------------------
シ ュ ワ ル ツ ェ ネ ッ ガ ー 、“ 生 涯 現 役 ”宣 言 !
「 倒 れ て 死 ぬ ま で や る 」
シルヴェスター・スタローン×アーノルド・シュワルツェネッガーW主演の脱獄アクション映画『大脱出』(1月10日公開)のジャパンプレミアが、12月3日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。シュワルツェネッガーが来日し、舞台挨拶に登壇した。シュワルツェネッガーは「素晴らしいおもてなしをありがとう。私は日本のファンが大好き。なんと日本に40年以上、何度も来ているよ」と笑顔でスピーチ。シュワルツェネッガーの来日は、10年ぶりに主演を務めた『ラスト・スタンド』(13)のキャンペーン以来9か月ぶりとなった。
スタローンとタッグを組むのは、『エクスペンダブルズ2』(12)以来だ。シュワルツェネッガーは「スタローンに御礼を言いたい」と言う。「だって、彼に『本作に出ろ』と言われたのだから。ある日、電話がかかってきて『やっと良いシナリオを見つけた。ついに、俺とお前がスクリーンで戦える映画だ』と言われたんだ。でも、『君と対決したら、俺が勝つぞ』と言ったら、スタローンも『いや、実際にやったら俺が勝つ。それなら勝負だ』ということで、この映画になったんだ」。
さらに「彼は情熱的にハードな仕事をこなすし、肉体を使うことに全力をかける。そしてシナリオも書けるし、画も描ける。とても尊敬している」とスタローンをリスペクト。『エクスペンダブルズ3』ももう撮り終えているよ。昔はライバルだったが、今は良いコラボレーションができるとても良い友人になった。これからも、2人の共作を作っていきたいよ」と、熱くアピール。
また、今後のキャリアについては、堂々と“ 生 涯 現 役 ”宣言!「『いつ引退するのか?』と聞かれるが、こんなに嫌な質問はない。僕はアクションが好きだし、エコの運動、クリーンエネルギーの運動もやっている。ボディビルもフィットネスも、そのプロモーションも大好きだ。それらを全部、倒れて死ぬまでやり続けるよ」。また、カリフォルニア州知事の期間については「人生において、素晴らしい体験だった。私がここにあるのは、カリフォルニアのおかげだ。1秒たりとも悔いはないけど、これからはショービジネスの世界にカムバックするよ」と力強く語り、ファンから熱い拍手と声援が送られた。【取材・文/山崎伸子】