大野暉社長:人を信じる理由と3つの夢
2020年6月25日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 協 働 く だ さ る 同 志 皆 様
Forbes JAPAN
ご参考URL=https://forbesjapan.com/articles/detail/35268
サイバーセキュリティクラウド大野暉社長が「人を信じる」理由と「3つの夢」
今2020年3月26日、東証マザーズに新規上場したサイバーセキュリティクラウド。累計1000社超が利用するウェブアプリケーションの情報セキュリティサービス「攻撃遮断くん」を主力に、世界60カ国・地域以上に展開しているAWS(アマゾン ウェブ サービス)に特化したセキュリティも手掛ける。
コロナショックで上場中止や公募割れが相次ぐ中、公開価格の2倍の9210円の初値をつけた。さらに買いが進み、4月21日には4万5050円、時価総額1000億円に達した。
瞬く間に市場の注目を浴びたのが大野暉(おおの・ひかる)代表取締役社長だ。1990年生まれ。プロ経営者としてはマザーズ史上最年少である29歳での上場を実現した。
同社には2016年、26歳でプロ経営者として参画し、上場まで導いた。2020年12月期の業績見通しは、売上高が前期比38.0%増の11.2億円、経常利益が同17.3%増の1.6億円と増収増益を見込む。
大野社長は上場時の会見で「求める企業規模に向けて、まだまだ踏み出したばかり」と語った。今後は主に人材への投資を予定しているという。現在、約40人の社員を束ねる。
高校の学費を工面するため多額の借金を背負ったことをきっかけに、高校1年で起業した。すでに15年間の事業経験がある。
若くして、自身が立ち上げたわけではない会社の社長に就任し、苦境から成長に導いた大野社長。経営者として最も大事にしていることとは一体何か。今後の展望、夢は。若き異才の頭の中を探った。
仕事を任せられることで、成長できたから
しかし今、僕の社内における一番のテーマは「権限委譲」です。それはなぜか。
一つは、海外展開に力を入れているからです。現在、アマゾンのAWS向けの製品展開を強化しています。そこで僕自身がアメリカに「全張り」するためには、とにかく社員に仕事を任せて、自分の体を空けなければいけないからなのです。
それだけではありません。僕自身が高校時代、広告代理店やクライアント企業の方々から「やってみなはれ」の精神で、市場調査やマーケティングの仕事を任せていただいたことで、成長することができたからです。
社員には、その人の想定している実力の140%ぐらいの仕事をどんどん任せるようにしています。僕たちが自ら選んだ仲間なので、信じてとにかく任せてみる。成果の着地点としては、110%ぐらいに落ち着くのではないでしょうか。その人の現時点でのフルスペック以上の結果が出て、企業としての成長も早まります。
実は昔はあまり人を信じられなかったタイプなんです。この2年ぐらいでしょうか、「自分よりもこの領域においては仕事ができる」という人がどんどん現れてきたり、そういう人が意外と自分たちの仲間になってくれたりして、世の中捨てたもんじゃないな、と思うことがあったのです。
かつては究極のカッコつけだったんですけど、仲間がいてくれればカッコつける必要もなくなってきました。逆に言うと、自分の浅はかさが露呈されてきたのだと思います。
「深い思考」と「重い一手」
30歳を前にして、どんどん人としての素直さが出せるようになってきました。上場という経験を境に、思春期のような心境の変化がありました。
僕自身の働き方は、事業のフェーズによって全く違います。実務が多い時は本当に手を動かして実務に取り組みますし、「この時期は人に会う」と決めたら1日10人にお会いするような時もあります。やると決めたら「全振り」します。いろんなことをパラレルに、器用にこなすタイプではないですね。
最近は「深い思考」と「重い一手」を繰り返しています。一手一手がジャブのような連打ではなく、例えばどのような座組みでリリースを打つか、といった一手を慎重に考えて打たないといけないフェーズにあると思っています。そのための思考に最も時間を割いています。意思決定のタイミングで利害関係者に押し戻されないくらいの「重い一手」を打つために、最近はとにかく、いっぱい考えています。
サイバーセキュリティクラウドは可能性に満ちた会社です。まずは「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という理念を達成することがシンプルに目標です。
方向性は2つ。会社だけを守るのではなく、人の生活を守っていく。そしてセキュリティ製品を生み出し続けていくということです。セキュリティはいろんな層があるので、「セキュリティメーカー」としていろんな製品群を持つような事業体にしていきます。
IoT(Internet of Things=モノのインターネット)など、様々な場面でインターネットが人々の生活に入り込んできています。その分、危険もあります。セキュリティメーカーとして、人を、人の生活を脅かすものからしっかり守っていきます。
世界規模でさらに僕たちのサービスを展開し、各国のユーザー数をどんどん増やしていきたい。世界中の人々の安全をピュアに追求していきます。
人と一緒にビジネスを創っていきたい
個人としては、18歳になったタイミングで人生設計を立てたんです。当時描いた将来の夢が3つあります。
一つは、グローバルで「財閥」を作りたいと思っています。
今、サイバーセキュリティの分野が僕自身として最も手応えがありますし、「規模の最大化と社会性の追求」という、僕の世界観を体現する分野であるセキュリティを手掛けています。
しかし今後はどんな事業が社会的なインフラになってくるかわかりません。その時代に合わせた事業に取り組みながら、コングロマリットをつくっていきます。
日本のことは大好きですが、一方で国への強い危機感がありますし、市場と可能性を広げる意味でもグローバルに出ていきます。
そして、どんなにAIやマシンが充実していようが、人と一緒にビジネスを創っていきたいんです。数万人以上の規模で人を雇用したいです。
二つ目は、バスケをやってきた人間のプライベートな目標でいうと、いつかNBAの球団を買いたいです。
最後の一つは、学校を作ることです。僕の中学時代の恩師であり、楽天の取締役副社長まで務めた後、教育の道へ転身した本城慎之介先生のように。それが僕のライフワークであり、人生の最終終着点だと思っています。
55歳でこの3つを達成するというのが、18歳の時に立てた目標です。今のところ12年間変わらず、全くブレていません。
大野 暉(おおの・ひかる)◎サイバーセキュリティクラウド代表取締役社長。1990年生まれ。早稲田大学卒業。高校・大学在学時より複数回の起業及び事業売却を経験し、2013年よりスタートアップ企業にて新規事業部長や社長室長を歴任。2016年から現職。
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 協 働 く だ さ る 同 志 皆 様
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ご参考URL=https://forbesjapan.com/articles/detail/35268
サイバーセキュリティクラウド大野暉社長が「人を信じる」理由と「3つの夢」
今2020年3月26日、東証マザーズに新規上場したサイバーセキュリティクラウド。累計1000社超が利用するウェブアプリケーションの情報セキュリティサービス「攻撃遮断くん」を主力に、世界60カ国・地域以上に展開しているAWS(アマゾン ウェブ サービス)に特化したセキュリティも手掛ける。
コロナショックで上場中止や公募割れが相次ぐ中、公開価格の2倍の9210円の初値をつけた。さらに買いが進み、4月21日には4万5050円、時価総額1000億円に達した。
瞬く間に市場の注目を浴びたのが大野暉(おおの・ひかる)代表取締役社長だ。1990年生まれ。プロ経営者としてはマザーズ史上最年少である29歳での上場を実現した。
同社には2016年、26歳でプロ経営者として参画し、上場まで導いた。2020年12月期の業績見通しは、売上高が前期比38.0%増の11.2億円、経常利益が同17.3%増の1.6億円と増収増益を見込む。
大野社長は上場時の会見で「求める企業規模に向けて、まだまだ踏み出したばかり」と語った。今後は主に人材への投資を予定しているという。現在、約40人の社員を束ねる。
高校の学費を工面するため多額の借金を背負ったことをきっかけに、高校1年で起業した。すでに15年間の事業経験がある。
若くして、自身が立ち上げたわけではない会社の社長に就任し、苦境から成長に導いた大野社長。経営者として最も大事にしていることとは一体何か。今後の展望、夢は。若き異才の頭の中を探った。
仕事を任せられることで、成長できたから
しかし今、僕の社内における一番のテーマは「権限委譲」です。それはなぜか。
一つは、海外展開に力を入れているからです。現在、アマゾンのAWS向けの製品展開を強化しています。そこで僕自身がアメリカに「全張り」するためには、とにかく社員に仕事を任せて、自分の体を空けなければいけないからなのです。
それだけではありません。僕自身が高校時代、広告代理店やクライアント企業の方々から「やってみなはれ」の精神で、市場調査やマーケティングの仕事を任せていただいたことで、成長することができたからです。
社員には、その人の想定している実力の140%ぐらいの仕事をどんどん任せるようにしています。僕たちが自ら選んだ仲間なので、信じてとにかく任せてみる。成果の着地点としては、110%ぐらいに落ち着くのではないでしょうか。その人の現時点でのフルスペック以上の結果が出て、企業としての成長も早まります。
実は昔はあまり人を信じられなかったタイプなんです。この2年ぐらいでしょうか、「自分よりもこの領域においては仕事ができる」という人がどんどん現れてきたり、そういう人が意外と自分たちの仲間になってくれたりして、世の中捨てたもんじゃないな、と思うことがあったのです。
かつては究極のカッコつけだったんですけど、仲間がいてくれればカッコつける必要もなくなってきました。逆に言うと、自分の浅はかさが露呈されてきたのだと思います。
「深い思考」と「重い一手」
30歳を前にして、どんどん人としての素直さが出せるようになってきました。上場という経験を境に、思春期のような心境の変化がありました。
僕自身の働き方は、事業のフェーズによって全く違います。実務が多い時は本当に手を動かして実務に取り組みますし、「この時期は人に会う」と決めたら1日10人にお会いするような時もあります。やると決めたら「全振り」します。いろんなことをパラレルに、器用にこなすタイプではないですね。
最近は「深い思考」と「重い一手」を繰り返しています。一手一手がジャブのような連打ではなく、例えばどのような座組みでリリースを打つか、といった一手を慎重に考えて打たないといけないフェーズにあると思っています。そのための思考に最も時間を割いています。意思決定のタイミングで利害関係者に押し戻されないくらいの「重い一手」を打つために、最近はとにかく、いっぱい考えています。
サイバーセキュリティクラウドは可能性に満ちた会社です。まずは「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という理念を達成することがシンプルに目標です。
方向性は2つ。会社だけを守るのではなく、人の生活を守っていく。そしてセキュリティ製品を生み出し続けていくということです。セキュリティはいろんな層があるので、「セキュリティメーカー」としていろんな製品群を持つような事業体にしていきます。
IoT(Internet of Things=モノのインターネット)など、様々な場面でインターネットが人々の生活に入り込んできています。その分、危険もあります。セキュリティメーカーとして、人を、人の生活を脅かすものからしっかり守っていきます。
世界規模でさらに僕たちのサービスを展開し、各国のユーザー数をどんどん増やしていきたい。世界中の人々の安全をピュアに追求していきます。
人と一緒にビジネスを創っていきたい
個人としては、18歳になったタイミングで人生設計を立てたんです。当時描いた将来の夢が3つあります。
一つは、グローバルで「財閥」を作りたいと思っています。
今、サイバーセキュリティの分野が僕自身として最も手応えがありますし、「規模の最大化と社会性の追求」という、僕の世界観を体現する分野であるセキュリティを手掛けています。
しかし今後はどんな事業が社会的なインフラになってくるかわかりません。その時代に合わせた事業に取り組みながら、コングロマリットをつくっていきます。
日本のことは大好きですが、一方で国への強い危機感がありますし、市場と可能性を広げる意味でもグローバルに出ていきます。
そして、どんなにAIやマシンが充実していようが、人と一緒にビジネスを創っていきたいんです。数万人以上の規模で人を雇用したいです。
二つ目は、バスケをやってきた人間のプライベートな目標でいうと、いつかNBAの球団を買いたいです。
最後の一つは、学校を作ることです。僕の中学時代の恩師であり、楽天の取締役副社長まで務めた後、教育の道へ転身した本城慎之介先生のように。それが僕のライフワークであり、人生の最終終着点だと思っています。
55歳でこの3つを達成するというのが、18歳の時に立てた目標です。今のところ12年間変わらず、全くブレていません。
大野 暉(おおの・ひかる)◎サイバーセキュリティクラウド代表取締役社長。1990年生まれ。早稲田大学卒業。高校・大学在学時より複数回の起業及び事業売却を経験し、2013年よりスタートアップ企業にて新規事業部長や社長室長を歴任。2016年から現職。
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